死ぬとはどのようなことか の商品レビュー
これからの人びとは死について積極的に問題視し、考えてゆかなければならないと著者はいう。医療技術の発達により生命に対する医療の介入度合いはますます大きくなる。一方で、生き永らえさせることが苦痛でしかない場合もある。そうした場合も含め、QOLをなるべく損なわないかたちで患者が人生を...
これからの人びとは死について積極的に問題視し、考えてゆかなければならないと著者はいう。医療技術の発達により生命に対する医療の介入度合いはますます大きくなる。一方で、生き永らえさせることが苦痛でしかない場合もある。そうした場合も含め、QOLをなるべく損なわないかたちで患者が人生をまっとうできるよう、医療の技術や人材を活用してゆく必要がある。こうした問題提起は真新しいものではないにせよ、日本でこのようなかたちでの終末に向けた医療というものがどれだけ考えられているのかというと、一小市民としてはほとんどなじみがないと言わざるを得ない。そのような意味で本書に刺激を受けた。
Posted by
ドイツにおける終末医療についての本。著者の公演を一冊にまとめたものらしい。内容の多くはドイツ国内の緩和医療とホスピスに関する問題(認知度、既存の医療分野からのバッシングなど)についてである。ドイツの医療システムは著者曰く世界一進んでいるそうだが、そんな国でもまだまだ終末医療が受け...
ドイツにおける終末医療についての本。著者の公演を一冊にまとめたものらしい。内容の多くはドイツ国内の緩和医療とホスピスに関する問題(認知度、既存の医療分野からのバッシングなど)についてである。ドイツの医療システムは著者曰く世界一進んでいるそうだが、そんな国でもまだまだ終末医療が受け入れられているとは言いがたいようだ。患者の死に対する向き合い方や、安楽死・尊厳死の是非など、日本の医療現場にも通じるトピックも多い。 現にドイツでは終末医療についてあらぬ偏見をもつ医者も多く、この方面の事情について少しでも知識が有るのと無いのとでは大分違うと思うので、医者・医学生は一読する価値あり。
Posted by
- 1