ユートロニカのこちら側 の商品レビュー
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第三回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。最後に選評が掲載されている。神林氏の選評は本書だけでなく選考作にとって厳しいなぁと思ったけれども、本書を読んで、まぁ、そうかなと思う内容。選考委員の東氏は「本作の空気はバラードの「コカイン・ナイト」や「千年紀の民」を連想させたが、バラードは変態を描くのが巧かった」としている。そちらも読んでみようかな。 いわゆるディストピア小説。一九八四年、サイコパス、すばらしい新世界とか。 個人情報を切り売りすると生計が立てられるというのはもう少し詳しく書いてほしかった。切り売りした個人情報で企業はどのように収益を上げるんだろう? 物語のオチがイマイチな感じなので続きが読みたい作品。
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近未来のアメリカを舞台にして、個人情報をすべてさらけだして、安全をえる社会の悲劇っぽい話。と書きながら実は内容がほとんどわからなかった。最後の方は宗教も絡んで、まったくわからなくなった。なんとかSF大賞らしい。僕にはわからん。
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自分の情報を切り売りして生活できる未来のお話。 解説にあるGoogleよりはLINEや各種の無料サービスのほうが近いのかなぁと。(GoogleのGmailやSNSも無料サービスではある) SFじゃないけど、現代も企業が無料サービスを提供しているわけで、タダだと思ってるけど下...
自分の情報を切り売りして生活できる未来のお話。 解説にあるGoogleよりはLINEや各種の無料サービスのほうが近いのかなぁと。(GoogleのGmailやSNSも無料サービスではある) SFじゃないけど、現代も企業が無料サービスを提供しているわけで、タダだと思ってるけど下手すると個人情報、そうでなくても行動情報やらなんやらで企業は利益を得ているはずだ。国家の場合は税金からサービスを為している。 本当に無料のシステムなんてないのだ。 ただ、国家ではなく企業が、個人の情報を得る代わりに個人に利益を与えるビジネスモデルって、この社会で成り立つんだろうか。実験ベースならわかるんだけどね。国家ベースならディストピアものになるんだろうなぁとか。 犯罪を未然に防ぐための考え方は、アニメのサイコパスの犯罪係数と同じ発想なのだが、あれは事件にフォーカスを当てたのに対し、こちらはシステムにフォーカスが当たっていて面白い。 この話が地味だなぁと思ったら、設定は示されるんだけれども、その中のドラマが小粒なのかもしれない。
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魅力的な登場人物が出てこなくて、読んでて楽しいテーマでもないんだけど、続きが気になる不思議な作りだったな。
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視覚、聴覚、位置情報など全ての個人情報を提供する代わりに、生活が保障された実験都市に適応できない人々を描いた近未来SF。 一貫した行動をとる人の情報を価値があるとし、各人に最適化した情報提供をすることで、人の行動範囲が狭まりリスク想定機能である想像力が弱まっていくとしたところは良かった。 終盤のエピソードがあまり良くないのと、この仕組みだとシステムが広がっていく段階で資金源がなくなる気がする。
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