古書奇譚 の商品レビュー
古書を巡る話は面白いものが多い。書き手が基本的に本好きだからだろうか。この本もとても面白かった。ただ、タイトルのセンスが悪い!原作タイトルは”The Bookman’s Tale”シンプルではないですか。『書肆の物語』かな、プロの翻訳家ではないので良い言葉が見つからないけれど「奇...
古書を巡る話は面白いものが多い。書き手が基本的に本好きだからだろうか。この本もとても面白かった。ただ、タイトルのセンスが悪い!原作タイトルは”The Bookman’s Tale”シンプルではないですか。『書肆の物語』かな、プロの翻訳家ではないので良い言葉が見つからないけれど「奇譚」的な意味合いはないのでは。
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古書商が手にとった本には、あのシェイクスピア本人の書き込みが‥? 妻をなくした気弱な男が、古書を巡る冒険に巻き込まれます。 渋いタイトルの割に、のりは軽くて読みやすいですよ。 ピーター・バイアリーは古書商。 最愛の妻アマンダをなくして9ヶ月、二人で住むはずだった片田舎の家に引き...
古書商が手にとった本には、あのシェイクスピア本人の書き込みが‥? 妻をなくした気弱な男が、古書を巡る冒険に巻き込まれます。 渋いタイトルの割に、のりは軽くて読みやすいですよ。 ピーター・バイアリーは古書商。 最愛の妻アマンダをなくして9ヶ月、二人で住むはずだった片田舎の家に引きこもりがち。 鑑定を頼まれて、近所の屋敷に出向きます。気難しい住人の所蔵していた本には‥ 最近のことだけでなく~ 学生時代のアマンダとの出会いから12年に渡る愛のなりゆきも少しずつ描かれます。 大人しい文系男子の夢?図書館に通ってくる美女に声をかけてもらい、スムーズに上手く行っちゃう、しかも相手はお金持ちって(笑) 不思議な縁には、ややファンタジックな要素もあります。 こういうのが好きかどうか?で評価は分かれるかも。 シェイクスピアの時代の出来事と、問題の本が手から手へと渡っていく年月もありありと書かれていて、この部分が面白い。 ピーターが手にとったのは本当に本物なのか? それにもう一つの謎、アマンダそっくりの顔をした美女の古い肖像画の謎も。 交互に描かれつつ話が絡み合うのは、だいたいは上手く行っているのですが、傑作になるにはもう一歩かなぁ‥おもに構成が。あと少し、という気がするんですが。 とはいえ、十分、楽しめました!☆
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あぁぁ~これは凄く良かった。 ビブリオミステリに入るかな。 主人公現在・主人公過去・本の遍歴の過去の3編が交互に絡み合ってストーリーが続くのだけど、3冊本を読んだくらいの満足度。主人公過去編がせつなすぎてもうね…。 シェイクスピアの別人説も美味しい設定。 映画の「もうひとりのシェ...
あぁぁ~これは凄く良かった。 ビブリオミステリに入るかな。 主人公現在・主人公過去・本の遍歴の過去の3編が交互に絡み合ってストーリーが続くのだけど、3冊本を読んだくらいの満足度。主人公過去編がせつなすぎてもうね…。 シェイクスピアの別人説も美味しい設定。 映画の「もうひとりのシェイクスピア」観たいと思ってたよな~と、この本読んで思い出したり。 あ、あと本の再生のシーンがすごく好きです。 日本の書物だとあんまりこういうことは一般的じゃないけど、革の装丁がある欧米ならではだよなぁと。 それにしても、ほんとにこういう本が出てきて大発見になったらおもしろいのにな!殺人は抜きでね? 欧米なら有り得そうなので、がんばって欲しい(笑。
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古書商。水墨画。シェイクスピア。ミステリ。古書店街で偶然見つけた十八世紀の古書に、九か月前に急逝した妻の肖像画が挟まれていた。『波』2016.1にて。
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ヘタレな主人公が頑張って活躍。古書とシェークスピアの薀蓄。謎解きとスリルとどんでん返し。盛りだくさんで楽しかった。
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【The Bookman's Tale】とにかく登場人物が多い。時間軸が3つ。そのうちの1つは数十年後まで描かれる。似たような名前がおおい。そのせいでもう混乱ですわ(笑)シェイクスピアとかか好きだと楽しめるかもしれません。残念ながら私には合わない本でした。最後は斜め読み...
【The Bookman's Tale】とにかく登場人物が多い。時間軸が3つ。そのうちの1つは数十年後まで描かれる。似たような名前がおおい。そのせいでもう混乱ですわ(笑)シェイクスピアとかか好きだと楽しめるかもしれません。残念ながら私には合わない本でした。最後は斜め読みだったし。
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現在、愛する人との出会いと別れ、中世の贋作にまつわる物語、と3つの時系列で進み、ラストで一つにつながる。主人公の出会いと喪失と復活が一気に読ませる。贋作の話がまた面白い。
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シェイクスピアにまつわる本を追いかける、古書籍商人の冒険。 映画の脚本にちょうどいい、という感じ。難しすぎず、適度にサスペンスと恋愛要素も絡み、ハッピーエンド。素直に面白かった。 わかりやすく書いているが、丁寧にシェイクスピア周りの人間関係を調べているのも(かつ蘊蓄を語りすぎてい...
シェイクスピアにまつわる本を追いかける、古書籍商人の冒険。 映画の脚本にちょうどいい、という感じ。難しすぎず、適度にサスペンスと恋愛要素も絡み、ハッピーエンド。素直に面白かった。 わかりやすく書いているが、丁寧にシェイクスピア周りの人間関係を調べているのも(かつ蘊蓄を語りすぎていないのも)、バランスがよく、好感が持てる。 監督によっては、映像でも佳作となりそう。
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書店で 文庫にしては 大変趣味のいい表紙デザインと タイトルに惹かれ購入。 私のアンテナは 時にめざましい働きをしてくれる。 この古書にまつわるミステリーは 人の全てを語り尽くすかの勢いで 私を夢中にさせた。 結末を語ることは ミステリーでは禁忌であるが そんな常識を思...
書店で 文庫にしては 大変趣味のいい表紙デザインと タイトルに惹かれ購入。 私のアンテナは 時にめざましい働きをしてくれる。 この古書にまつわるミステリーは 人の全てを語り尽くすかの勢いで 私を夢中にさせた。 結末を語ることは ミステリーでは禁忌であるが そんな常識を思い起こすまでもなく この小説の結末は誰にも話したくない。 今はまだ。 そう。 今はまだ…ピーターという高潔の人を あたたかい気持ちで心に浮かべていたい。 人の愛と 運命の数奇。 文字と書籍の神々しいまでの力。 この本に記された あらゆる純粋さに 私は最大の敬意を払いたい。 重厚にして心救われる一冊。お薦めします。
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