デッドヒート(Final) の商品レビュー
いつも年初は、年末に買った「おすすめ文庫王国」から去年読み落とした面白そうな本を拾っていくのだけど、今年はあまり食指を動かされた本がなく、この本は同時に買った年度のベスト10が載っている「本の雑誌」から北上次郎の新刊めったくたガイドに惹かれて買ってみた。 しかし、この薄い219ペ...
いつも年初は、年末に買った「おすすめ文庫王国」から去年読み落とした面白そうな本を拾っていくのだけど、今年はあまり食指を動かされた本がなく、この本は同時に買った年度のベスト10が載っている「本の雑誌」から北上次郎の新刊めったくたガイドに惹かれて買ってみた。 しかし、この薄い219ページの本が734円というのはどうよ!?と思いつつ、東京出張の帰路の新幹線の中だけで読了。 この本、「デッドヒート」シリーズの6巻目にして完結編ということで、前5作を読んだことなかったけれど、『これまでの五巻を読んでなくてもわかるし面白いことは保証つきだ』という言葉を信じて、この本から入った。 2020年の東京オリンピックでマラソンの日本代表に第3の男として選ばれた走水剛。国立競技場をスタートし、東京ドーム、東京タワー、銀座、日本橋と回り、スカイツリーを見ながら雷門で折り返すレースの様子が彼の独白で語られ、その合間に彼と関係があった様々な人へのインタビューが挿まれる。 レースのお話としては淡白で物足りないところはあるものの、この本は前5巻の総集編みたいなものなのだろう。 それでも色んな人の代表として走るランナーの思いの確かさと、彼を見守る見詰める人々の思いの熱さが沁みてくる。 北上次郎のレビューには『これを読んで既刊に遡ればこれもまた十分に面白い』とあるが、確かにここに到るまでの過程を確かめてみたくもなる。
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描写の難しいマラソンレースを飽きさせずに読ませるには、こういう方法があったのか。マラソンに限ったことではないんだろうけど、全人生・全精力を注いで何かに挑むという姿勢そのものが感動的。そして、それが人の心を惹きつける。 中途半端な人間には想像力が芽生えない。誰かが成果を上げると、その頑張りが想像できず、ただ嫉妬するだけ。低いビルからは、高いビルの屋上は見えないということです。走水には見える。自分が最上の努力をしているから、成果を上げる大変さを知っているんです。分野が違ってもね。
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デッドヒートシリーズ最終巻。高校生の時に「オリンピックで金メダルを取る」と目標を口にした高校生。2020年の東京オリンピックに出場することになる。中学陸上部時代に先生から言われて長距離をするようになってから、大学時代の箱根駅伝、社会人・実業団を経て第3の代表として滑り込みでつかん...
デッドヒートシリーズ最終巻。高校生の時に「オリンピックで金メダルを取る」と目標を口にした高校生。2020年の東京オリンピックに出場することになる。中学陸上部時代に先生から言われて長距離をするようになってから、大学時代の箱根駅伝、社会人・実業団を経て第3の代表として滑り込みでつかんだ大舞台のチケット。前巻ではまだオリンピックまではまだまだという時期だったけれど、この本は最初から最後までがマラソンレースになっている。読みながらコースをGoogleMapで確かめてしまった。走りながらの本人の独白と、合間に挿入される周りの人たちへのインタビューという構成がとても面白く、引き込まれるようにして読んだ。
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走水剛の中学生から28歳までを描いたシリーズ最終巻。あれやこれやを経て東京オリンピック男子マラソン。代表にすべりこんだ走水はどうなる。手に汗握る展開と剛周囲の人へのインタビューという構成。いやはやいいシリーズでした。是非読んで!
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