少女不十分 の商品レビュー
小学生4年の女の子に監禁される20歳の大学生。主人公が女性キャラに翻弄されるのは作者のお得意パターン。だが、少女のおかれた環境が明らかになるにつれ物語は次第にシリアスになっていく。
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【図書館本】 序盤、主人公の語りが長いのは前提として、相変わらず素晴らしい作品だと思った。主人公からのUの両親に対して一言「何死んでんだよ」、ごもっともである。“自由帳”ならぬ“不自由帳”、いい加減な『教育』が生み出す行動原理は怖い。310ページ以降を読んでからは号泣しっぱなしだった。“滅茶苦茶でも、幸せになっちゃいけないわけじゃない”、作者のこういうメッセージ性が好き。
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誰にでもあるような些細な反骨心を「変人を演じている」と考えているあたりが、他人と心の内を語り合ったことが無い人間らしくて良かった。(良いというのは効果的という意味で自分にとっては苦手だった) 主人公は太宰の人間失格のように自分の考えについて逆説を持ち出し「自分は偏屈なだけで他人に理解がない訳では無い」と言い訳するような語り口だったが、生命活動をする事にだけは貪欲であり素直であった。それは10年前の出来事で人間が死ぬという事はどういう事なのかを意識せざるを得なかったからだろう。 過去の彼はよく交通事故で人が死ぬ現場を目撃していた。それは人が死ぬという現象を観測しただけであって本当に人の死について触れていた訳では無い。だからこそUの家に入った時の違和感に気づかないふりを無意識にしていたのだろう。 しかし、10年前の事件を通して死ぬということは当事者だけの問題ではない事を知る。彼にとって物語を書く事が周りに与える「生」の影響であり、個人的な理由で作家として死んでしまう事はUが両親にされた事と同じだと思っているのだと思う。 また、彼が物語で伝えたい「道を外れてしまった人間でも幸せに生きていける」というテーマは何の根拠もない事であり、自分自身が道を外れた人間として作家を続ける事でその根拠になろうとしているのだと感じた。 U(とは書かれてないが、柿本の昔からの読者)が担当編集になるラストは、あの事件から物語を書くことで生きてきた彼が報われた瞬間であり、彼自身が何故生きるのかを綴った結末として非常に良かったと思う。 確かにあのままUが一人で生活していても警察は家に来ただろうし何らかの出会いで不自由帳から解放される事はあったかもしれない。しかし、彼女がずっと読者であった事は少なからず主人公の「生」によって与えられた影響である。
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面白かった。 歪な関係が描かれていたが、物語のゴールが、読む前の予想よりも斜め上で、思わずにやけてしまった。 文章については個人差はあるが、自分にとっては読みやすかった。 主人公の思考をリアルタイムで追っているような文章で、話にのめり込みやすい。
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ドキュメントと言いつつも、西尾さんのことだからフィクションだろうと勘繰ってしまう。 やっぱり何回読んでも面白い。
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物語の導入は非常に面白い切り口だと思いましたが、その切り口こそが最大の盛り上がりであった様に感じます。 お話は主人公がもう一人の登場人物に主導権を握られる体で進行して行きます。ただ、事実上の主導権は主人公の手の内にあり、それを行使しない、できない理由もその都度、説明はされています...
物語の導入は非常に面白い切り口だと思いましたが、その切り口こそが最大の盛り上がりであった様に感じます。 お話は主人公がもう一人の登場人物に主導権を握られる体で進行して行きます。ただ、事実上の主導権は主人公の手の内にあり、それを行使しない、できない理由もその都度、説明はされていますが、今一頷けず、共感できないものでした。 展開が少ない、言い方を変えると物語が遅々として進行せず、その進行とも、その進行に厚みを持たせる為とも取れない、寄り道的な記述がひたすら書き連ねられる作風は自分の好みとは合致しなかったようです。そもそもその「寄り道」こそが著者の持ち味なのかも知れませんが。 結末も駆け足な気がしましたし、取ってつけたようでもあり、序盤以降、尻すぼみの下降線を辿って行く様な読了となってしまいました。
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西尾維新ファンなら最後まで読めば99%の人が「読んで良かったな」と感じる物語。道中もスラスラ読めるので冬の日とかにサラッと読んでほしい。一応感動系の話。
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昔、ゲームバランスが崩壊しているボードゲームをやったことがあった。プレイヤー同士が空気を読んで、なんとかゲームを成り立たせようとして、奇妙な馴れ合いの元、ゲームは進んでいった。最終的にゲームは終了したものの、クソゲーの烙印を押して、すぐ売り払った。 その時のことを思い出した。 読み方を間違えているのかもしれない。信頼できない語部として、主人公を据えるなら、小学生に監禁される異常な展開に小説家としての経験ができる‥というのを裏で考えていたとか。 終章付近で述べている通り、色々お粗末な点を作中でも指摘されている誘拐ごっこの延長に近い状態なんだけれども、状況の推進力が弱過ぎィ! 主人公の状況への協力姿勢が何処からくるものかをもっと納得できる理由が欲しかった。 色々述べているけど、ちょっと弱いような〜。 あと、小説家の一人語りの形式を取ってて、状況の進みが遅過ぎるってのは、会話劇がないとやっぱり目立ってしまうのかもしれない‥ 物語を語る理由としては、オチとしては落ちてて面白かったのでそこは良かった。
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多作の作家が10年前の大学時代の7日間を回想した小説。 大学生が10歳の少女に拉致監禁される。 異常な出来事と異常なふたり。 しかしやがて少女の行動の原因が明らかになる 西尾維新あるあるだけど とにかく前半がだらだらだらだらと長い(笑) そこを耐え、話が動きだしてからは一気に...
多作の作家が10年前の大学時代の7日間を回想した小説。 大学生が10歳の少女に拉致監禁される。 異常な出来事と異常なふたり。 しかしやがて少女の行動の原因が明らかになる 西尾維新あるあるだけど とにかく前半がだらだらだらだらと長い(笑) そこを耐え、話が動きだしてからは一気に読め 引き込まれる。 なかなか苦難の1冊です
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ただひたすら冗長な文章が続く退屈な話、という印象しかありません。 本作を書くのに10年かかったとありますが、それは納得。ネームバリューの無い作家がこんなのを書いたら、編集者は原稿用紙数枚読んだだけでゴミ箱行きでしょうから。 このような水増し文章作品だったら、高校の同級生が書いた話の途中でデーモン小暮の年齢やガンダムの話が突然意味も無く舞い込んでくる読書感想文の方が数倍面白かったです。 スゴく評価が高くてまわりくどい文章が特徴のようですが、私にはただ密度のうっすい作品でしかなく、これに600円超も払ったのは失敗だったなぁ、と思うだけでした。
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