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同志社大学神学部 私はいかに学び、考え、議論したか の商品レビュー

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2023/05/29

神学についての文章が多く、その知識を持っていない自分にとっては少し難しく感じたが、京都で当時どのような生活を送っていたか知ることができて面白かった。

Posted byブクログ

2023/03/01

著者の自伝的作品で、同志社大学神学部時代の著者の思想と行動を記した本です。 学生運動の残り火がくすぶっていた同志社大学神学部に学ぶ若き日の著者は、キリスト教とマルクス主義のはざまで真摯な思索をかさねつつ、おなじくキリスト教を学ぶ仲間たちや、信仰を精神の核としながら大学という制度...

著者の自伝的作品で、同志社大学神学部時代の著者の思想と行動を記した本です。 学生運動の残り火がくすぶっていた同志社大学神学部に学ぶ若き日の著者は、キリスト教とマルクス主義のはざまで真摯な思索をかさねつつ、おなじくキリスト教を学ぶ仲間たちや、信仰を精神の核としながら大学という制度のなかに身を置く教員たちとかかわります。やがて著者は、チェコの神学者フロマートカの研究を志し、みずからも共産圏の内からフロマートカの思想と行動を把握したいと考えるようになり、そのために大学にのこって研究者としての道をあゆむのではなく、外交官の道に進むことをえらびます。 本書の「まえがきにかえて」で著者は、「今の日本の教育に不安を感じている人に、この本を是非読んでほしい。それは、同志社大学神学部が時流に逆行している教育機関だからだ」と述べています。神学という学問は、現実の世界で活用することのむずかしいと思われますが、著者はその神学を学ぶことによって、現実に対してかかわっていくさいの根本的な態度を涵養していったことが、本書のなかでえがかれています。さらに著者だけではなく、韓国の「民衆の神学」にコミットすることを志す著者の友人や、大学の置かれている困難な状況のなかでキリスト教の精神をどのようにして生かすことができるのかという問いに向きあう教員たちも、それぞれが著者とは異なる立場からではあるものの、やはり神学によって根本的な精神の強靭さを獲得していることがえがかれています。

Posted byブクログ

2021/09/14

飲み屋で、マルクスや、哲学、神学と小難しい議論を交わす学生たち。議論の中身が全く理解できず、本棚の隅に随分長い間、置きっぱなしになっていた本。 電車の中で読む本がなくなり、久しぶりに手に取った。しばらく、神学にかかる理論が展開されたが、後半のさらに後半、外交官試験の受験を決めた頃...

飲み屋で、マルクスや、哲学、神学と小難しい議論を交わす学生たち。議論の中身が全く理解できず、本棚の隅に随分長い間、置きっぱなしになっていた本。 電車の中で読む本がなくなり、久しぶりに手に取った。しばらく、神学にかかる理論が展開されたが、後半のさらに後半、外交官試験の受験を決めた頃から、筆者の自伝になり、平易な文章となり、一気に読了した。でも、どこまで、この本を理解出来ただろうか?

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2017/08/02

[源の村]外務省を退官後、様々な著作を発表している著者が、50歳を境に「若者に読んでほしい本を書こう」と考え著した自叙伝的作品。無神論を学習するために同志社大学の神学部へ進み、数々の出会いを経てキリスト教の洗礼も受けることに。自身の宗教的・知的な変遷の流れをたどった一冊です。著者...

[源の村]外務省を退官後、様々な著作を発表している著者が、50歳を境に「若者に読んでほしい本を書こう」と考え著した自叙伝的作品。無神論を学習するために同志社大学の神学部へ進み、数々の出会いを経てキリスト教の洗礼も受けることに。自身の宗教的・知的な変遷の流れをたどった一冊です。著者は、『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』で毎日出版文化賞特別賞を受賞された佐藤優。 佐藤氏の「筆力」とでもいうのでしょうか、とにかく読む者を知的興奮の直中にぐいぐいと引き込んでいく様はお見事。大学時代の濃密な時間がびしびしと伝わってきますし、噛み砕きつつ説明してくれる神学に関する記述も興味深いことこの上なしです。 〜信仰というのは、現実の生活と分離できないという思いがわたしの心の中で強くなった。そうなるとともにわたしは神学部だけでなく、キリスト教の世界から外に出て行きたくなったのである。〜 本の内容とは少し離れますが、京都を久しぶりに訪れたくなりました☆5つ

Posted byブクログ

2016/09/04

最も驚くのが著者の記憶力で、学生の頃に交わした会話がディテールに渡って、こと詳らかに書かれている事に驚嘆する。またこの人が社会主義とキリスト教の強烈な刷り込みを経て、現在の言論活動を行っていることは記憶しておいていい。根は真面目な人だと思うが。

Posted byブクログ

2016/05/23

佐藤優の青春記、同じ、京都を舞台にした、青春物 鴨川ホルモー と重なるような、異なるような、と思いつつ、読んでおります。

Posted byブクログ

2022/06/01

2012年に出版された本だが、まえがきが加わって2015年に新書として出ている。2015年といえば、文科省が文系廃止ともとれるような通知をした年だ。まえがき(にかえて、としてあって、まえがきは別にあるのだが)はそのことから始まる。 経済界の要求たる即戦力人物は、たしかに理系のほ...

2012年に出版された本だが、まえがきが加わって2015年に新書として出ている。2015年といえば、文科省が文系廃止ともとれるような通知をした年だ。まえがき(にかえて、としてあって、まえがきは別にあるのだが)はそのことから始まる。 経済界の要求たる即戦力人物は、たしかに理系のほうが輩出しやすいのかもしれない。 神学はそういう観点では役に立たない。虚学である。 だが、「虚学であるが故に、危機的な状況下で人間の役に立つ不思議な知」と著者は語る。 身近に神学部に進んだ人がいる。それに際して、さんざん神学部の偏見を聞かされた。牧師になるの? 神学者になるの? 就職できるの? と。文学部を出て文学で飯を食う者など珍しいのだから、神学もしかり、なのだと思うのだが。 いや、そういう議論ではなく、神学を学ぶことを通じて何をつかむのか、という本だ。周りに登場する当時の大人たちも素敵だ。学ぶということはこういうことか、と今更ちょっと後悔もするが、昔はよかったとか人を羨んでも仕方ないので、僕もまた新たに(神学じゃないけど)学ぼう、と思う。

Posted byブクログ

2015/11/30

高校時代の自らの選択眼,そして大学以降の人々との出会い,これらが土壌となったことは疑いようがない.“キリスト教徒とは,どの組織にも,どの社会にも,ましては国家には一体化できない人たち”という言が全てを的確に表している.宗教とは,哲学を考える道具なのだ,と,新たな世界を見る.

Posted byブクログ