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数学する身体 の商品レビュー

3.7

48件のお客様レビュー

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2017/08/14

数学というと、どうしても現実世界とは切り離された世界の中で一貫した構造を構成する学問とイメージしがちだが、その中に閉じるのではなく、使う人や環境の中との融合・交感に意味を感じる思想。機械学習によりある回路を作成したところ、自動的に作成された接続されていないはずの部分が重要だったと...

数学というと、どうしても現実世界とは切り離された世界の中で一貫した構造を構成する学問とイメージしがちだが、その中に閉じるのではなく、使う人や環境の中との融合・交感に意味を感じる思想。機械学習によりある回路を作成したところ、自動的に作成された接続されていないはずの部分が重要だったという実験の話が面白い。

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2017/07/05

★科学道100 / 導かれたルール 【所在・貸出状況を見る】 http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11501661

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2017/03/15

帯背 数学の存在意義を問う話題の書 帯裏 「数学を通して世界をわかりたい!」 人間が生み出す数学の道具は、時代や場所とともに姿を変えてきた。 ものを数えるために使われた手足の指や、後に生まれた記号や計算・・・ 道具の変遷は数学者の行為を変え、記号化の徹底は抽象化を究めていく。 コ...

帯背 数学の存在意義を問う話題の書 帯裏 「数学を通して世界をわかりたい!」 人間が生み出す数学の道具は、時代や場所とともに姿を変えてきた。 ものを数えるために使われた手足の指や、後に生まれた記号や計算・・・ 道具の変遷は数学者の行為を変え、記号化の徹底は抽象化を究めていく。 コンピュータや人工知能の誕生で、人間の思考は変貌を遂げるのか? 論考はチューリング、岡潔のふたりにたどりつき、生成していく。 本書は、「数学と情緒」(『考える人』2013年夏号)、「数学する身体」(『新潮』同年9月号)、「計算と情緒」(同2014年1月号)、「零の場所」(同10月号)、「アラン・チューリングの艸のみち」(『みちくさ』No.1スマートニュース株式会社発行)を大幅に加筆修正したものです。

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2017/01/06

ちょうどYouTubeで苫米地さんとダイゴとの対談とか見たすぐあとだったから、同じようなこと言っててびっくりした。頭がそう持って行くよう理解しているのか本当に奇跡なのか。でも、こんな分野がやっぱり自分は好きなんだと思う。

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2016/12/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了。以前、途中経過で味わった興奮は得られなかった。岡潔の話が、少しついて行けなかった。岡潔について書かれたところは、岡潔の書いた本の方がやはり迫力があると思った。著者自信の言葉で語られたら良かったと思う。自分は、岡潔の論文は見たこともない。たぶん理解できないと思う。でもいつか読んでみたいと感じた。心の話がでてきた。仏教に通じるのかなと思った。

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2016/10/30

p167 自他の間を行き交う「情」が、個々の人や物の上に宿ったとき、それが「情緒」となるというのである。 p170 「無心」から「有心」に還る。その刹那に「わかる」。これが岡が道元や芭蕉から継承し、数学において実践した方法である。 なぜそんなことができるのか。それは自他を超えて...

p167 自他の間を行き交う「情」が、個々の人や物の上に宿ったとき、それが「情緒」となるというのである。 p170 「無心」から「有心」に還る。その刹那に「わかる」。これが岡が道元や芭蕉から継承し、数学において実践した方法である。 なぜそんなことができるのか。それは自他を超えて、通い合う情があるからだ。人は理でわかるばかりでなく、情を通わせ合ってわかることができる。他の喜びも、季節の移り変わりも、どれも通い合う情によって「わかる」のだ。

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2016/10/27

チューリングと岡潔の話が中心になっているエッセイのようだが,引用されている資料が凄い.これだけの文献を読みこなすのは凡人には不可能だと感じた.数学を哲学として解析しているのかな.ギリシャ人が記述式で幾何の問題を考えていたのは知らなかった.玉ねぎの皮と種の話は比喩が特異だが重要な点...

チューリングと岡潔の話が中心になっているエッセイのようだが,引用されている資料が凄い.これだけの文献を読みこなすのは凡人には不可能だと感じた.数学を哲学として解析しているのかな.ギリシャ人が記述式で幾何の問題を考えていたのは知らなかった.玉ねぎの皮と種の話は比喩が特異だが重要な点を示していると思った.

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2016/09/08

【小説??】 不思議な感覚です。 ビジネス書やロジカル系書籍の感覚で読むと肩すかしを食らいます。 エッセイ?小説?の感覚です。

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2016/08/21

森田氏の処女作。文学的で哲学的な書名。本書で数式はほぼ出てこない。これは「氣づきと発見の数学史」だと思った。他分野の研究成果も盛り込まれていて、面白く読んだ。 多岐にわたる数学の歴史に一本の水脈を通す。人類はいかに数字を数えてきたかから始まり、哲学と密接に関わったギリシア数学の...

森田氏の処女作。文学的で哲学的な書名。本書で数式はほぼ出てこない。これは「氣づきと発見の数学史」だと思った。他分野の研究成果も盛り込まれていて、面白く読んだ。 多岐にわたる数学の歴史に一本の水脈を通す。人類はいかに数字を数えてきたかから始まり、哲学と密接に関わったギリシア数学の論証、アラビア・イスラム世界で育まれた計算が近代に入り西欧で定着、そして、チューリングの機械と岡潔の情緒に辿り着く。 森田独特の着眼点から氣づきも得た。 本書の地下水脈は「自然の中での人の心とは何か」だと思う。 数学者・岡潔の思想は「情緒」にあるという。彼は数学の論理の世界に身を置きながら、心を大切にしてきた。それは脳内に収まり切れるものではなく、もっと大きな何かであると。それが情緒であるようだ。 森田氏の今後の活躍に期待する。

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2016/07/28

数学を哲学する。日本人は数学や算数を「計算」だと勘違いしているが「思考」である。だからそこに「情緒」がある。  数学=追及すること  情緒=他者とのつながりを見出すこと  個性=他者とのつながりによって見出す差別的な自分  個性を求める=他者とのつながりを深めて、自...

数学を哲学する。日本人は数学や算数を「計算」だと勘違いしているが「思考」である。だからそこに「情緒」がある。  数学=追及すること  情緒=他者とのつながりを見出すこと  個性=他者とのつながりによって見出す差別的な自分  個性を求める=他者とのつながりを深めて、自分自身を追及すること  数学する身体=自分の体を追及する。つまり個を追及することである。だから他者とのつながりを深めること。情緒を持つということだ。  結論は、数学に情緒を求めることが、「数学する身体」である。  数学で他者とのつながりを見出すのだ。  古武術家の甲野善紀先生が興味を持つのも納得。  なんかよくわからないけれど、できること。それをそのまま受け入れて、追及する。数学だ。

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