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シャーロック・ホームズ 絹の家 の商品レビュー

3.9

42件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

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2025/02/02

コナン・ドイル財団が初めて公式作品認定をした八十数年ぶりの、名探偵シャーロック・ホームズ新作(第61作)。 パロディとかオマージュとかパスティーシュとかいう、ホームズの二次創作的なものは世の中にたくさんありそうだが(詳しくは知らない)、本作はなんと財団によって公式認定された正統...

コナン・ドイル財団が初めて公式作品認定をした八十数年ぶりの、名探偵シャーロック・ホームズ新作(第61作)。 パロディとかオマージュとかパスティーシュとかいう、ホームズの二次創作的なものは世の中にたくさんありそうだが(詳しくは知らない)、本作はなんと財団によって公式認定された正統な続編だという。自分はあまりホームズを直に読んだことはなく、もっぱらシャーロック・ホームズ プロジェクトという、プロのナレーターの方が自分で翻訳して朗読しているYouTubeチャンネルを聞いていて、いちおう大半の作品は知っている。このKIさんの朗読が秀逸で、この人の声で再生されるホームズ以外は考えられないほどハマっている。果たして本作を読む際に、KIさんの声でホームズやワトスンのセリフが脳内再生されるだろうか?読む前から楽しみだった。 結果としては申し分ない傑作だった!濃いファンの方々には色々と感想はあるだろうけれど、自分としてはシャーロック・ホームズ作品として違和感がなかった。あまりに醜怪な事件のため、ホームズの死後にワトスンがひっそり執筆し、百年後に開封されるよう指示したというよく考えられた設定ですんなり入っていける。ハドスン夫人からレストレイドやマイクロソフトといったおなじみの人物も登場し、変装やアクション、物語を牽引する謎、驚くべき種明かしまで、すべての要素が入っていて、きっと本家ホームズに引けを取らないのではないだろうか。いっけん関係なさそうな2つの謎と、散りばめられたすべての伏線が一つに収束するラストには驚愕、お見事というほかはない。 ただ、事件の真相は現代的な感じはする。映画化すればすごくヒットしそうだけどそういう話はないのだろうか?近年のロバート・ダウニー・Jr主演のシャーロック・ホームズ2作は見たけれど、アレンジが効きすぎて原型がなかった気が。あれはあれで面白かったし好きなので続編を期待していたのだが……。 本作のような完成度で公式続編が続けば嬉しいが、やはり注目すべきはアンソニー・ホロヴィッツという作家そのものなのだろう。恐るべし。

Posted byブクログ

2025/01/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

コナン・ドイル財団初の公認シャーロック・ホームズの続編。 あまりにも酷い事件でこれまでワトソンが書いていなかったものの晩年になりその事件も書き記す事にしたところから話が始まる。 最初の事件が中途半端に終わったかと思うとその事件を切欠に別の事件に発展していく。一見どう繋がるか定かではない手掛かりをひとつひとつ追っていくため、ある程度まとまった時間を取れるタイミングで読まないとついていくのが大変かもしれない。 個人的には巨悪としての絹の家に対してモリアーティが不快感を示しており、ワトソンを使ってホームズを助けようとするところにモリアーティなりの犯罪に対するスタンスが見え隠れして良かった。 また最後には最初の事件のところまで戻って全てが繋がっていたところも流石シャーロック・ホームズ作品だったと思う。

Posted byブクログ

2024/06/11

過去のホームズ作品に関連する人物や事件が出てきて、今までの続きとして読むことができて、コナン・ドイルが書いたものと錯覚しそう。面白かった。

Posted byブクログ

2024/06/08

欧米ではこういう趣向が好まれるんだね。 コナンドイル財団公認の、61篇目のホームズ作品なんだそうな。ま、パスティーシュなんだけどよくできてる。 人気作品を永遠に愉しんでいくための手法としてのパスティーシュなのでしょうね。007シリーズもそうだし、スターウォーズだってそうだ。 自分...

欧米ではこういう趣向が好まれるんだね。 コナンドイル財団公認の、61篇目のホームズ作品なんだそうな。ま、パスティーシュなんだけどよくできてる。 人気作品を永遠に愉しんでいくための手法としてのパスティーシュなのでしょうね。007シリーズもそうだし、スターウォーズだってそうだ。 自分はよく知らないけど、日本の作品でも楽しみたいね。

Posted byブクログ

2023/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ホームズを読むのは小学生ぶりだと思う。何故かずっと、それほど好きじゃなくて手を出していなかったのに、最近になってBBCのドラマが面白くなってきた。更にドラマ『カササギ殺人事件』が自分的大ヒット、小説も楽しかったので、ホロヴィッツの別の作品が読みたくて図書館に行ったら、本作を見つけたという経緯。 めっちゃ面白かったから、このお話もJブレットとEハードウィックでドラマにしてほしい(笑)。 ネタバレですよ。 社会的地位の高い男性が秘密裏で少年愛に耽る、醜く聞くと書いてスキャンダル。どっかで聞いたハナシだぞ。まぁこの話が出版されたのは2011年だから、作者は極東で似たようなコトが起こっていたなんて知ったこっちゃなかっただろうけれど、今年ようやく広がったこの問題はBBCも噛んでいるから、オレ昔そーゆーハナシ書いたけどなくらい思ったかもしれない。こっちの罪人っていうか怪物は、何のお咎めもなくあの世(地獄であってほしい)にばっくれちゃったけどね。(2023-12-05L)

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2023/09/03

『モリアーティ』に先行するホロヴィッツ版ホームズ譚も、ほぼ一気読み。ちょっとファンサービスを盛り過ぎの感があり。余りにスキャンダラスな真相だった為に百年の後まで封印されていた、という設定はそれなりに納得だが、この真相を普通に受け入れられるくらい、現代が堕落しているということなのか...

『モリアーティ』に先行するホロヴィッツ版ホームズ譚も、ほぼ一気読み。ちょっとファンサービスを盛り過ぎの感があり。余りにスキャンダラスな真相だった為に百年の後まで封印されていた、という設定はそれなりに納得だが、この真相を普通に受け入れられるくらい、現代が堕落しているということなのかも知れない。

Posted byブクログ

2023/07/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 シャーロック・ホームズの正統な続編が発表されていた事は知っていたが、当時購入する事はなかった。時間が経ち、まさか著者がホロヴィッツだと気がつくまでに少し時間がかかり、気付いてから一気に興味がうまれ購入した次第だ。読むまでに間があったが、気まぐれで「シャーロックホームズの思い出」をながめ、久しぶりにホームズへの熱が高まってきた為、絶好の機会とばかりに読み始めた。  ホームズシリーズ新作ではあるが、ドイル作品では無い為、否定的な意見もある様だが、紛れもなくホームズの探偵録であり、残念ながら作中謎の教授(終盤でモリアーティとあかしているが)が指摘している様に、ワトソンの記録では必要最低限の部分しか記されておらず(実際はドイルの描写方法)、もう少しきめ細やかな表現や描写、接続要素が必要だと思っていたが、まさしくホロヴィッツがそこに切れ込んだ形だ。  たとえば、ドイル作品ではワトソン夫人の会話描写など極力なかった様に思われるが、今作では少しだけ登場し、それでいてワトソンとの関係性が理解できる。ワトソンがとても活き活きとしており、語り手としての年老いた彼と登場人物としての若々しい彼がそれぞれ頭に浮かべる事ができる。  物語は、画商がアメリカで巻き込まれた災難とその復讐による恐怖の部分と、ホームズが命令を下す少年達の一人の惨殺事件、そして「絹の家」を巡る謎。と大ボリュームであり、それぞれ独立していく様な事件がきちんと一本線で繋がっており、最後には大団円をむかえる。  登場人物達も豪華で過去先からも沢山出演しており、マイクロフトはもちろん、レストレイドやトレヴェリアン(偶然、シャーロックホームズの思い出を読んだあとで興奮!!)、そして謎の男としてモリアーティ等更にはそれぞれの人柄も丁寧に描写されており、ホームズに少し人間味が出た様に思った。  様々な事件が同時進行していき、過去のシリーズにおいて最もホームズが危機を迎えたといえる程追い詰められていく。シリーズありきたりな事件から発展し、少年の惨殺事件が発生し、調査の途中、ホームズがアヘンの巣窟にて策略に合い女子殺しの疑いで逮捕される。  絶対絶命の中、どうやって活路をみいだすか。半ばを過ぎると目が離せなくなる。  最初のきっかけとなった事件を最終的に解決させる構成は流石で、絹の家事件でホームズがダメージを受けながら最低な真相に辿り着き事件解決と見せかけ、その上でカーステアーズに関わる謎をまだ残していたわけだが、残念ながらこの部分だけ、ホームズ的では無くホロヴィッツ的に見えてしまった(やり過ぎた印象だ)。モリアーティパートもあり、腹一杯なのに食わされている様に思ってしまった。  もしドイルのホームズシリーズがこの様な形で描かれていれば僕はもっとのめり込んでいただろう。

Posted byブクログ

2023/03/18

コナン・ドイル財団から認定されたホロヴィッツのシャーロック・ホームズ。 さすがホロヴィッツとしか言いようがない、ちゃんとホームズミステリーであり、スケールの大きい現代の社会風刺ミステリーでもある。最後の「あとがき」にまでどんでん返しがあるのには驚かされた。

Posted byブクログ

2023/03/07

アンソニー・ホロヴィッツの「モリアーティ」を先に読み、面白かったのでこちらも読みました。 個人的に読みやすかったし、お話も面白かった。 訳者付記で、コナン・ドイルの作品を近づけるために自ら十箇条のルールを付けたのはホームズ愛が溢れていると感じた。

Posted byブクログ

2023/02/16

約80年ぶり61話目のホームズ ホロビッツやるなぁ。ドイルが生き返ったかのよう。ワトソンとホームズがまさに眼前によみがえる。古き英国の香りを残しながら、ストーリーは現代の味だ。 面白かった。良かった。再度、ホームズ正典60を読みたくなったぞ。

Posted byブクログ