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天国でまた会おう の商品レビュー

3.7

26件のお客様レビュー

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2016/12/02

アレックス、悲しみの‥、に続く、作者3冊目を読破。全二作がミステリや残酷な描写による刺激的な味付けがあるのに比し、全体的に落ち着いている。 どのキャラもそれぞれ魅力があり、面白い。前半はややページを繰る手が進まなかったが、後半は通勤電車でも読みふけるまでになった。特にペリクール氏...

アレックス、悲しみの‥、に続く、作者3冊目を読破。全二作がミステリや残酷な描写による刺激的な味付けがあるのに比し、全体的に落ち着いている。 どのキャラもそれぞれ魅力があり、面白い。前半はややページを繰る手が進まなかったが、後半は通勤電車でも読みふけるまでになった。特にペリクール氏の心理描写がとても印象に残った。 引き続き、作者の作品を読み進めたい。

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2017/01/24

物語が始まるやいなや、キャラクターたちのやることなすこと全部が予想外の方向に転がっていって、「えーっ? この人たち、どうなっちゃうの?!」と最後の最後のギリギリまで結末が全く予測できずに夢中でページをめくり続けました。 こんなに悪玉と善玉の対立が分かりやすく配置されている物語って...

物語が始まるやいなや、キャラクターたちのやることなすこと全部が予想外の方向に転がっていって、「えーっ? この人たち、どうなっちゃうの?!」と最後の最後のギリギリまで結末が全く予測できずに夢中でページをめくり続けました。 こんなに悪玉と善玉の対立が分かりやすく配置されている物語って、普通は流れが分かりやすくて安定感のあることが売りなはずなのに、この振り回されっぷり! 登場人物は、善も悪も主役も脇役も、それはもうそろいもそろって欠点だらけで、でもそれぞれに愛すべきところがシッカリあって、どっちもしぶとくて、主人公にもどかしい思いをしながら、そして悪玉たちの動きにドキドキしながら読みました。 これぞ読書の楽しみ、というものを存分に味わうことができて、読んでいる間中、とても幸せでした。 神が人間を見る視点って、まさにこの本を読む感じなんじゃないだろうか。愚かで、慾に弱くて、時代の流れに翻弄されている様子にほんの少しハラハラして、そして、ときどき喝采を送りたくなるような気持ち。 私はこの著者の本は初めて読みましたが、かなりピリ辛のドライでブラックなユーモアがたまらんかったです。この人ったら、超まじめな顔しておもしろいこと言うんだから~!と思いながら読んでいました。 こういうタイプのユーモアって、なかなか日本人作家には見られないですよね。そして、女性じゃなくて男性作家ならではな感じです。 あと、これは単純に副産物ですが、戦争っていうのは、終戦を迎えたからと言って終わりじゃないんだ、あらゆる人の人生を最後までめちゃくちゃにするんだ、ということを改めて教えられました。勝手な国の政策に無力な人々が翻弄されることに対して、著者の静かな怒りと疑義を随所に感じました。エンターテイメントでありながら、核の部分にこうしたこともしっかりと入っていて、とてもキャパの大きい本でした。

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2016/07/06

第1次世界大戦で身体と心に傷を負った元兵士2人が企てた国家的詐欺のお話なのですが、とにかく助走部分が長すぎます。戦争の悲惨さを伝えたいという著者の思いは理解できますけど、必要以上にくどく感じました。加えて、主人公の一人アルベールに魅力がなさ過ぎ。俺には一気読みはほど遠くありました...

第1次世界大戦で身体と心に傷を負った元兵士2人が企てた国家的詐欺のお話なのですが、とにかく助走部分が長すぎます。戦争の悲惨さを伝えたいという著者の思いは理解できますけど、必要以上にくどく感じました。加えて、主人公の一人アルベールに魅力がなさ過ぎ。俺には一気読みはほど遠くありました。

Posted byブクログ

2016/05/31

戦争で人生を、その生き方を翻弄された若者たちの物語。 ヒューマンドラマと云うより、戦後が舞台でありながら戦争そのものが物語の主人公の様ですらある存在感。 目を見張るのは、当時は男性よりも弱い地位に居たと云う女性たちの強さよ。 文章がやたら読み難く、本来であれば途中で投げ出してしま...

戦争で人生を、その生き方を翻弄された若者たちの物語。 ヒューマンドラマと云うより、戦後が舞台でありながら戦争そのものが物語の主人公の様ですらある存在感。 目を見張るのは、当時は男性よりも弱い地位に居たと云う女性たちの強さよ。 文章がやたら読み難く、本来であれば途中で投げ出してしまいそうになりますが、そうさせない程ストーリーの巧みさがありました。

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2016/05/25

「その女アレックス」、「悲しみのイレーヌ」のような衝撃はない。2人の若者が戦争に翻弄され、数奇な運命に呑み込まれていく。若さの無知とひたむきさ。前述の二作と共通するのは、身体的故障(怪我)の細部の詳細な描写、それは目を背けたくなるほどだ。衝撃的なラストとその後の人生。ストーリーテ...

「その女アレックス」、「悲しみのイレーヌ」のような衝撃はない。2人の若者が戦争に翻弄され、数奇な運命に呑み込まれていく。若さの無知とひたむきさ。前述の二作と共通するのは、身体的故障(怪我)の細部の詳細な描写、それは目を背けたくなるほどだ。衝撃的なラストとその後の人生。ストーリーテラーの片鱗はあちこちに見られるが、大作ながら、今ひとつ作者の伝えたいものが見えてこないところに物足りなさは否めない。意欲作であることは、間違いないが。

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2016/05/01

文章はとても豊かなのに、世界に救いが感じられなくて、惨めな気持ちで読み終わった。でも、この惨めさが大事なのだ。戦争は、そういうものなのだ。争いの最中だけでなく、その後まで、だらだらと虚しいものなのだ。

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2016/03/19
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図書館で借りた本。 戦場で、命を救ってくれた男が、その後顔に大けがを負ってしまった。兵士のマイヤールは、恩人のエドゥアールと一緒に逃げている途中で戦争が終わった。エドゥアールは、家に帰ることができないと、身分を捨ててしまうが、実は裕福な家の出身で、姉のマドレーヌは元上官でマイヤールを殺そうとした張本人のプラデルと結婚してしまう。

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2016/02/03

面白い。でも辛い。 破滅的な若者の話。 主人公が決して清廉潔白でなく、大義がある訳でもない犯罪に手を染めるのが、感情移入出来ない。モヤモヤする。 でも嫌いじゃない。

Posted byブクログ

2016/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦場での上官の裏切りを知り、その上官に殺されかけた臆病者のアルベール。 計らずもアルベールを助けることとなったエドゥアール。エドゥアールはそのとき顔の大半を失ってしまう。家族不和から家に帰りたくないエドゥアール。アルベールはエドゥアールのために別人の戸籍を手に入れる。。 戦争が終わっても、顔の傷はぬらぬらとグロテスクなまま。顔の手術も拒み麻薬が手放せないエドゥアールと、健気に働くアルベールは支えあうようにして一緒に暮らすことになる。 エドゥアールは、アルベールを巻き込んで戦没者の慰霊碑建設に関わる大詐欺を企てる。 どこまでも頼りないアルベールが、最後に頼もしい伴侶を得ることができて安心した。どうか彼が捨てられないようにと願わずにはいられない。

Posted byブクログ

2016/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

グロテスクな表現が多かったけど、それを除けば面白かった。主人公アルベールはいつもおどおど。小心者ですぐに緊張し汗でベトベトになる。なのに薬中の友人エドゥアールのために人殺しをしようとしたり、銀行からお金を盗み出したり、キャパオーバーなことばっかりしていて応援のしがいがあった。どんな時でも恋人のことが最優先なアルベールがかわいい。ラストは予想外だった。

Posted byブクログ