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アルファベット・ハウス の商品レビュー

3.6

19件のお客様レビュー

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2021/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

特捜部Qの作者のデビュー作。第二次世界大戦中にイギリス空軍のパイロット2人が不時着したドイツで精神病院に偽患者として隠れて過ごし、一人だけが脱出に成功。そして二十数年が経った後の物語。 スリリングなアイデアと予想もつかない方向に展開するストーリーは素晴らしい。相変わらず名前を覚えるのが苦手なのが悪いのだが、登場人物たちが本名以外に偽名を持ってたりするので本当にややこしい。途中で人物を特定するのを放棄したので、やや面白さを味わうことができなかったかも。 七四式銃にまつわる話は、まさか東の果ての国で、文化教養溢るる自国の小説が読まれるとは思ってもいないからああいう描写になるんだろうな。少し悲しい。3.2

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2021/09/22

設定にちょっと無理を感じるけど 読むに堪えないほどの理不尽さ もちろん戦争中とはいえ これでもかと言う虐待 タイトルにも違和感 やっぱりQが・・・

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2021/04/21

特捜部Qシリーズの作者、オールスンのデビュー作。第二次世界大戦末期のドイツの病院を舞台にする前半と、それから30年近く経った70年代初めを描く後半の二部構成。第一部ではドイツ軍の機密施設を戦闘機で低空飛行して撮影するという危険な任務を負わされた若いイギリス兵二人が、任務に失敗し傷...

特捜部Qシリーズの作者、オールスンのデビュー作。第二次世界大戦末期のドイツの病院を舞台にする前半と、それから30年近く経った70年代初めを描く後半の二部構成。第一部ではドイツ軍の機密施設を戦闘機で低空飛行して撮影するという危険な任務を負わされた若いイギリス兵二人が、任務に失敗し傷病者を運ぶ列車に潜り込みドイツ兵になりすまして生き延びたものの、入院先は重度の精神障害を負ったナチ将校たちが収容される特殊な病院で、そこで身を偽りながら精神疾患のフリをし続けるという二重の偽装を重ねて死を免れようとするさまが描かれます。戦争は悲惨なだけでなく犯罪者にとっては通常の世より悪事を働きやすく邪魔者を始末しやすいという側面もあり、主人公の二人の他にも戦時の混乱を利用して私腹を肥やすサディストのグループが前線に送られるのを免れようとやはり偽患者として身を隠していて、目を点けられた若い二人はこの悪人たちに酷い虐待を受けるので、過激な電気療法と無計画な投薬で正気と精気を保とうとするだけでも最悪なのに、読んでいてすごく気が滅入りました。しんどい前半が終わると、後半は映画さながらの展開もあり読みやすいのですが、それでも著者がテーマとして扱った「人間関係の亀裂」が淡々と描かれ、映画のようなハッピーエンドやカタルシスは得られないのでした。それでも続きを読むのをやめる気になかなかなれないあたり、この作家のすごいところだと思いました。面白かった、と素直に言いにくいのですが、大変読みごたえがありました。へとへとになって読了。

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2019/11/05

ユッシ・エーズラ・オールスンのデビュー作。 ナチスの精神病棟を描く前半は、結構しんどかったかな。 第2部は1970年代になっての話だけど、 すこーし粗いように思う。 全体的に、も少し緻密に仕上げればよかったかな~と思う。

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2018/12/25

面白かった。二部構成の二部が想像していたより深かった。この作者の作品は、いずれも異なるテーマが突きつけられてくるように思う。それでマンネリ感が薄いのかな?11月の特捜部Qの新刊が出るのも楽しみ。

Posted byブクログ

2017/11/20

11月-7。3.0点。 第二次大戦、イギリス人兵士が、ドイツで撃墜され逃亡。 ドイツ兵になりすまし、精神病院へ。 ふたりは親友だが、ひとりは脱出、ひとりは置き去りに。 第一部は戦争から精神病院。非常に重苦しい。 第二部は戦後、脱走後。第二部から進みがはやく、一気読み。 重かっ...

11月-7。3.0点。 第二次大戦、イギリス人兵士が、ドイツで撃墜され逃亡。 ドイツ兵になりすまし、精神病院へ。 ふたりは親友だが、ひとりは脱出、ひとりは置き去りに。 第一部は戦争から精神病院。非常に重苦しい。 第二部は戦後、脱走後。第二部から進みがはやく、一気読み。 重かったな。

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2017/01/11

人気シリーズを抱える著者のデビュー作と云う事と、 面白そうなあらすじにまんまと乗せられてしまいました… そう、フィクションのエンタメ小説と云うのを 楽しめば良かったんですよね… ちょっと期待しすぎてしまいました。 自分の好みから云うと星2.5位なんですが…すみません。 読み進め...

人気シリーズを抱える著者のデビュー作と云う事と、 面白そうなあらすじにまんまと乗せられてしまいました… そう、フィクションのエンタメ小説と云うのを 楽しめば良かったんですよね… ちょっと期待しすぎてしまいました。 自分の好みから云うと星2.5位なんですが…すみません。 読み進めつつ「それちょっとどうなの」とか 冷めてしまう点多々ありまして。 後半も、女性の愛情&友情と云えば綺麗なのでしょうが… うーん(苦笑) 病院に偽患者として潜り込む辺りまでは すんなり楽しめました。 終わり方も印象的で良かったです。

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2016/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第2次大戦中、ドイツ国内で偵察活動中に、自軍領土内へ帰還することが叶わなくなった幼なじみのイギリス軍パイロット2人。彼らは、敵国ドイツで生き延びるために、狂人になった振りをしてナチ将校を収容する精神病院に潜り込む。 ところが、そこは仮病がバレると即銃殺、治療と称して、各種薬品の人体実験、電撃療法が日常的に行われる環境だった。しかも、彼らの他にも狂人を装って入院している者たちがいて、彼らとの陰湿な神経戦に、一時も心が休まる暇もない。 次第に嫌がらせがエスカレートして来る中、パイロットの片方(ブライアン)が、なんとか病院から脱出に成功。さらに、そのまま連合国軍に合流、無事に本国に帰還。一方で、取り残されたもう一人(ジェイムズ)の運命は...。 28年後、医者になっていたブライアンは、ミュンヘンオリンピックの付添ドクターとして、ドイツを訪れる機会を得る。その時、ずっと気にかかっていた友のことを調べ始め、オリンピックをほっぽり出してフライブルクを訪れる。そこで、調査中に偶然、かつての病院の看護師に出会い、友が既に亡くなっていることを聞かされる。失意のブライアン。 ところが、同時にかつて仮病を使って、入院していたSSの将校たちがフライブルクの名士となって生きていることを知る。そこに、一抹の胡散臭さを感じ、ブライアンは彼らと接触を図ることにする。その一方、ブライアンの妻は、夫が何か自分に隠し事をしているのではないかと、内緒でドイツに訪れ、夫の行動を追い始める。 ・・・ オールスン氏は、父親が精神科医だったために、子供の頃から精神病患者と接する機会があったそうです。その際、子供心に感じたのは、患者の何人かは、正常なのに狂人のフリをして入院しているのではないか、ということ。で、そのことを小説のテーマとして深く掘り下げ、もともとご自身の興味のあった第2次大戦の事柄と組み合わせて、構想から8年をかけて執筆した小説が本作品、ということだそうです。 北欧ミステリらしく、元SS将校の残虐性は容赦のない描写!それを耐え抜いた2人のイギリス人の友情の行方が見ものです。さらに、奥さんが途中から絡んできて、あぁ...余計なことしなきゃいいのに・・・っていうお約束の展開にもw 後半は、ハラハラしっぱなしで、読みたいのに続きを知るのが怖くて読めないというジレンマでした。

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2016/09/22

2016.09 拷問、監禁と相変わらず?のオールスンさん。途中は面白かったが最初と最後のパートはちと長かったかな。

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2023/02/01

「特捜部Q」シリーズが人気のデンマークの作家、オールスン。 じつはこれがデビュー作とは。 重厚でスリルあふれる作品です。 第二次大戦中。 英国軍パイロットのブライアンとジェイムズは、ドイツに不時着。 必死で逃げ延びて列車に飛び乗り、重症のナチス将校になりすますことに。 搬送先は...

「特捜部Q」シリーズが人気のデンマークの作家、オールスン。 じつはこれがデビュー作とは。 重厚でスリルあふれる作品です。 第二次大戦中。 英国軍パイロットのブライアンとジェイムズは、ドイツに不時着。 必死で逃げ延びて列車に飛び乗り、重症のナチス将校になりすますことに。 搬送先は「アルファベット・ハウス」と呼ばれる精神病院で、戦争神経症の患者が集まっていた。 そこに実は悪徳将校の4人組も病気のふりをして紛れ込んでいて、互いに見張り疑う息詰まるような生活が始まる。 やがてブライアンだけが命がけで脱走しましたが‥ ブライアンはジェイムズを捜しますが、行方は知れないまま。 医師として成功し、オリンピックでドイツに行くことになったブライアンは、かっての悪徳将校が町の名士になっていることを知って驚く。 病院の看護婦で献身的なペトラや、ブライアンの妻も、すれ違いつつ果敢に役割を果たします。 戦争物というよりは冒険物、それよりも特殊な状況下での友情物というべきか。 切ない幕切れ。 これほど長い間‥ と思うと胸が詰まるものがありますが、苦いようでも、先に希望はないでもない終わり方。 デンマークの作家だけど~ドイツでも大人気とか。 ルメートルの「天国でまた会おう」はやはりフランス的だったかな‥と。 戦後へと続く友情物という共通項がありつつ、何となくですが~お国振りの違いを思いました。

Posted byブクログ