チーム(Ⅱ) の商品レビュー
前作「チーム」の駅伝学生選抜のメンバーが社会人になって、駅伝に関わっていく。 山城、浦、門脇、吉池監督・・チームがキーワード。「俺たちはチームだ」ということ。 精密機械のような山城が人間に近づいた?
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学連選抜として参加した箱根駅伝から7年後。チームは今でも生きている。何らかの縁で結ばれた「チーム山城」。無愛想ながらも、次第に心を開く山城の葛藤が興味深い。 早く続編を読みたい。
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前作、『チーム』から7年後を描いた陸上小説です。 今作では、前作で圧倒的な個性を持った独善的エース、山城を中心として話が進んでいきます。 実業団に入ってから『駅伝には出ない』との固い意志を貫いてきた山城は、手術が必要な大怪我、更にその怪我が誘発した更なる故障に苦しめられ、所属チームが会社の経費削減を理由に解散になるという、自分だけではどうともできない状況に追い込まれます。 自分から「助けてくれ」「手伝ってくれ」と誰かに声をかけることは、プライドの高い彼はしない。 そしてその彼の性格をよく知る7年前の学連選抜のチームだった面々は、追い詰められた山城をサポートするべく『チーム山城』を作ることに。 これが、普通の青春小説であるなら、独善的で、傲慢で、自分勝手で、自分のことを話そうともしない山城が、仲間との絆や感情に触れて、最後には『チーム』として一つになっていく――という展開を想像するところなのですが、そうはならないところが興味深く、面白いところだと感じています。 山城は最後までやはり山城だし、浦はやはり浦でした。 前作『チーム』から考えると、今作は山城の視点が多かったこともあり、山城は山城なりに色々なことを考えて、感じて、自分のことがわからなくなったり迷ったりしながらも、敢えてその道を進んでいるのだとわかる人間らしい部分もあるのですが、如何せんそれを他者に伝えるということをしない。山城の周囲にいる人は、心情を漏らさない彼の心中を慮り、想像し、時には誘導しようとして失敗し、まるで孤高の獣を相手にするかのような接しぶり。 山城のようなキャラクターは、不興を買って、周囲から干されて、そのまま力を発揮しきれずに表舞台から消えてしまってもおかしくないのですが、これだけ不遜なまでの『強さ』で周囲を魅了してしまうのもすごいことです。頼まなくても、助けようとする手が勝手にあちこちから伸びてくる。彼にはそれをする価値があると、周りが認めて、その走りに魅せられている。 そんな描写に、読んでいるこちらまで今の山城はどんな走りをするんだろう、と期待させられて、最後まで一気に読んでしまいました。 まるで走っている姿をテレビ中継で見ているかのような、リアルなレース展開も楽しく、走っているランナーはこんなことを感じているのか、とわくわくしました。 今作の登場人物は、同作者様の他の作品でも取り上げられているキャラクターがいるとのこと、そちらもまた読んでみたいと思っています。 チームⅢも、読むのが楽しみです。
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前作チームより楽しめなかった 山城の傲慢な態度がしっくりこない チームの一体感と同時にチーム内での切磋琢磨必要 五輪記念マラソンの結果はどうなった?
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登場人物が年をとるのと呼応するように、話のドラマ性もグッと引き上がったように感じる。 引っ張りに引っ張って、これだっ!という名言が飛び出す幕の引き方には、お布団の中でゾクゾクした。 ── その差、約20メートル。荒井にすれば、手を伸ばせばユニホームが掴めるほどの距離に見えている...
登場人物が年をとるのと呼応するように、話のドラマ性もグッと引き上がったように感じる。 引っ張りに引っ張って、これだっ!という名言が飛び出す幕の引き方には、お布団の中でゾクゾクした。 ── その差、約20メートル。荒井にすれば、手を伸ばせばユニホームが掴めるほどの距離に見えていることだろう。あるいは、絶対に詰められないと早くも諦めているか。絶対的な距離は、主観によって様々に変化する。 陸上素人には淡々として見えてしまう長距離が、刻一刻と変化するF1レースのように見えてくるから不思議。作中でも、ランナーの身体は高度にチューンされた精密機械と言う。ただ、操縦するのは紛れもない人間の心。迷ったり勇んだり、時に逃げたりもする。 どんなにコントロールしていても天気のように変化する状況は避けられない。そこにフィットできるか。プラスに捉えられるか。自分の弱さや脆さとどこまでも付き合って整備しておかなければ、仲間をも巻き添えにしてしまいかねない。 かといって弱さをカバーするのがチームだと単純には言きれない気もする。この作品で使われるチームという言葉の方が、重みがずっしりしていて別物のように感じた。 およそ共感できない山城というロボコップ(古い)のような男をシリーズのど真ん中に置き続けているのは、作者の思いもその辺りにあるからではないか。自らを研ぎ澄ますことと、仲間と固い信頼を築くことの最終地点が、きっと同じ場所なんではないかしら。 本当に学びの多いシリーズ。 タイトルが別のスピンオフもあるみたいなので読んでみようと思う。
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ホントに山城のようなランナーはいるのだろうか?いや、ランナーではなく、傲慢な奴はいるのだろうか?浦の活躍が思ったより少ないような気が……
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山城~~~!!! 自分だけのために走るストイックな傲慢ランナーの元に集まるチーム山城。怪我、挫折、実業団の解散、これまでにない困難にぶつかり、表面的には孤独に、内面的には助けを求めながら、素直になれない山城の感情が面白い。なんでこんな性格のひん曲がった彼を気になるのか?なんだかん...
山城~~~!!! 自分だけのために走るストイックな傲慢ランナーの元に集まるチーム山城。怪我、挫折、実業団の解散、これまでにない困難にぶつかり、表面的には孤独に、内面的には助けを求めながら、素直になれない山城の感情が面白い。なんでこんな性格のひん曲がった彼を気になるのか?なんだかんだいって自分達の思いを勝手に背負わせ期待してしまっているのだろう。めんどくさいけど、ほっとけない奴 ランは孤独との戦いと思われがちだが、それぞれが様々な思いを背負い走るもの。市民ランナーも沢山背負ってます。さて早速チームⅢと思ったけどお腹いっぱい
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面倒くさい奴だが放っておけない。 友情、愛情ありで楽しく読めました。 学生連合でも同じ襷を繋ぐことでチームとして一体感ができ長い歳月が過ぎようが、関係は変わらないのだな。
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山城悟 東海道マラソンで日本最高記録を出したが、左膝に痛みが走った。タキタ所属。 甲本剛 山城悟の東海道マラソンのペースメーカー。マラソン日本歴代二位の記録を持つ。横浜市役所スポーツ振興課に勤めている。 ハリー・マグワイア 関節の手術では全米最高とも言われている老医師。 須田真二郎 山城が所属するチーム・タキタの監督。現役時代は怪我に泣かされ「ガラスのエース」と呼ばれていた。父親は一代でIT系ベンチャーを巨大企業に育てた。 浦大地 城南大学陸上競技部監督。学生連合で箱根駅伝の監督を務める。 荒井一樹 城南大学陸上競技部のキャプテン。 吉池幸三 元美浜大学監督。山城、浦が学連選抜で箱根駅伝に出場した時の監督。 古川 東体大の監督。就任十年目。 杉浦 美浜大監督。 三谷 山城の後輩。タキタ陸上部所属。 古田 タキタ陸上部のマネージャー。 永野 タキタ陸上部の主将。 門脇亮輔 浦の高校の同級生。大学四年の時に一緒に学連選抜で走った。大学卒業後は故郷の長野に戻り高校の教員になった。 朝倉功 学連選抜で一年生ながら三区を走った。卒業と同時に競技は引退した。総合スポーツメーカーのカジマに入社し、全国を営業で飛び回る。 秋庭 タキタ陸上部のトレーナー。以前はスポーツジムの治療院に勤務していた。 正木 タキタの選手たちの面倒を見ている正木クリニックの先生。 青木 かつての城南大学陸上部主務。当時、実質的に部を動かしていた男で、事務処理能力に長けている。卒業後は大手自動車メーカーに就職。 池上大輔 元横浜大の主務。広告代理店勤務。 富永 東体大。学生連合。 庵野 横浜大。学生連合。 今林 須田の大学の先輩。関西ビルメンテナンスの役員。 白山 城南大の主務。 門脇将太 門脇の三歳年下の弟。 藤井 浦、門脇の高校時代の同級生。夏合宿で逃げ出した。 浅井 学生連合。四区。 最上 横浜大の主務。 福本 横浜大二年生。学生連合。五区。 坂川 港学院。学生連合。八区。 夏目 浦和学園。学生連合。十区。山城が学連選抜で走った時の前の八区を走った夏目隆二の弟。 樋口 タキタ陸上部。全実で山城の前の四区を走る。 広瀬 中央大学OB。箱根駅伝の十区で浦とデッドヒートを繰り広げ、浦の失速で勝ちを拾った。卒業後は実業団の名門・横浜機械製作所に入社。全実五区。 立石大輝 相澤製鉄期待のルーキー。駒沢大学卒業。去年箱根の三区で区間新を出した。全実五区。
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山城の必要ないものを排他していく考え方、とても共感する。けど、彼は天才だから可能な生き方。でも逃げてみたり、自分でもよくわからない気持ちをもってみたり、人間的でおもしろかった。
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