終わらない歌 の商品レビュー
「よろこびの歌」に続く今作。 めちゃくちゃよかった。 宮下さんらしい情熱、静かな闘志が各所に散りばめられていて素晴らしかった。 最後の章の臨場感の「そうこれこれ!!心待ちにしていた!!」感が気持ちよかった。 「2Bで最後に歌ったとき、未来の自分に向けて歌うんだって決めたじゃな...
「よろこびの歌」に続く今作。 めちゃくちゃよかった。 宮下さんらしい情熱、静かな闘志が各所に散りばめられていて素晴らしかった。 最後の章の臨場感の「そうこれこれ!!心待ちにしていた!!」感が気持ちよかった。 「2Bで最後に歌ったとき、未来の自分に向けて歌うんだって決めたじゃない。覚えてる?今、あのときの未来だよ。あのときから、ちゃんと今につながってるんだ」 このフレーズに心打たれた。 いつの間にか 仕方ないを受け入れて 守りに入って なにかを諦めて 何かを手に入れたフリをして 勝手に自分を納得させて そう言うことにしておけば満足してた そんな自分にとても刺さった。
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『よろこびの歌』から3年後、音大生になった玲やミュージカル女優をめざす千夏たちの、二十歳ならではの「ぐるぐる」が描かれています。 前作のように淡々とじわじわと話が進んで行きますが、今作は前作よりもちょっとだけ盛り上がりを見せます! やっぱり歌っていいよね。読んでいて歌が聞こえ...
『よろこびの歌』から3年後、音大生になった玲やミュージカル女優をめざす千夏たちの、二十歳ならではの「ぐるぐる」が描かれています。 前作のように淡々とじわじわと話が進んで行きますが、今作は前作よりもちょっとだけ盛り上がりを見せます! やっぱり歌っていいよね。読んでいて歌が聞こえてくるようで、胸が熱くなりました。 前作も今作もザ・ブルーハーツやザ・ハイロウズの曲を知っていると、さらに楽しめます。私はYouTubeで検索して聴きました。 ただひとつだけ気になるのは…第一章に出てきた居酒屋のPさん…結局??? 私も「うどんのみみ」好きです。
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終わらない歌 宮下奈都 まさかの THE BLUE HEARTs の歌が織り込まれています。 “多感“と称される頃の仲間、 それぞれのS .ストーリィ。 いいことの全てから遮断されて、 黙々と 延々と 歩く、その “ 時 “ というものは、 全ての人に与えられるこ...
終わらない歌 宮下奈都 まさかの THE BLUE HEARTs の歌が織り込まれています。 “多感“と称される頃の仲間、 それぞれのS .ストーリィ。 いいことの全てから遮断されて、 黙々と 延々と 歩く、その “ 時 “ というものは、 全ての人に与えられることになってるんでしょうか、 このいくつかの、S.ストーリィには ちゃんとその残酷な場面に風穴をあけてくれる、 出会いもあたえられています。 よかった よかった 。 ちなみに私のNo. 1は「love letter」 No.18は「僕の右手」でございます。
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青春ストーリー。「コスモス」の舞台が自分の地元であり、中学時代に歌った曲でもあるので懐かしく感じました。
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『よろこびの歌』の続編。前作とストーリーラインに大差はないが、後半の盛り上がり方(ライブ感)は圧巻。しばらくはブルーハーツの曲が脳内再生を繰り返すことになりそうだ...。 「夢は遠い。希望は儚い。どんなに手を伸ばしてもつかめないかもしれない。夢も希望も、挫折や絶望のすぐそばにある...
『よろこびの歌』の続編。前作とストーリーラインに大差はないが、後半の盛り上がり方(ライブ感)は圧巻。しばらくはブルーハーツの曲が脳内再生を繰り返すことになりそうだ...。 「夢は遠い。希望は儚い。どんなに手を伸ばしてもつかめないかもしれない。夢も希望も、挫折や絶望のすぐそばにある。もしかしたら、欲しがらないほうがいいのではないか、希望など初めからないほうがよかったのではないかと疑いながら、それでも希望を持たないわけにはいかない。夢に向かわずにはいられない。」
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それぞれの登場人物が自分の状況に葛藤しながらも音楽から力をもらい、自分の人生を切り開いていく姿に心が揺さぶられました。 特に、音大ではクラスでも二番手だと嘆いていた玲さんが、オペラとミュージカルと分野は違えど、自分が光輝く場所で頑張る姿が印象的でした。
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「よろこびの歌」の数年後。彼女達の悩み、足掻きは続いている。各章、音楽が効いている。特にcosmosはgood! 世界にひとつだけの花に通じる願いを合唱曲が歌い上げていて、何度もYouTubeで聞いてしまった。 前作も込みで良い小説だった。
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「よろこびの歌」の彼女らが帰ってきた。よりパワフルに、より人生をしっかり踏みしめて。 大人(成人という意味で)になって帰ってきた。でも決して順風満帆とはいかず、彼女らはそれぞれ、彼女らの境遇に不安や鬱屈を感じて一所懸命生きている。 最初は「元気がなかったり、悩んでたりする彼女らをもう一度読み直すのはイヤだなぁ」と思って、ページも進まなかったのだが…1ページ1ページ進むごとに、違ってくる。エネルギーというか生きる活力というか、(これを言うとホンマジジイを認めてしまうのだが)若さゆえの回復力というか。 読んでるこっちまで元気が与えられる。実家帰ってうどん食ってしっかり寝たら、明日から何とかなりそうな気がしてくる。なんでこの子らこんなに元気なんだろう…。 そうか、歌を信じているから、信じることにした友人を徹底して信じぬくから、がんばれって言葉がお互いを責めたりしないから。だからこそ。 そその根底には、やっぱりヒロトとマーシーがいた。30年前の歌が色あせずに、心を震わせる。宮下奈都の筆によってさらに強力になって…。 外角は、それと隣り合わない内角の和に等しい…。この定理を歌って人の心を震わせることができるのは、ヒロト&マーシーと宮下奈都だけかもしれない。
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宮下奈都さん「よろこびの歌」(2009.10)で、有名なヴァイオリニスト御木本響を母に持つ御木本玲、母とは違って声楽を目指しながら音大付属高校に行けなくて私立の女子校に入学、孤立している玲、30人の仲間たち、2年B組の合唱コンクール、そしてマラソン大会での感動でした。今回、その続...
宮下奈都さん「よろこびの歌」(2009.10)で、有名なヴァイオリニスト御木本響を母に持つ御木本玲、母とは違って声楽を目指しながら音大付属高校に行けなくて私立の女子校に入学、孤立している玲、30人の仲間たち、2年B組の合唱コンクール、そしてマラソン大会での感動でした。今回、その続編「終わらない歌」(2012.11刊行、2015.10文庫化)、みんな20歳、高校を卒業してそれぞれの世界に。御木本玲は、原千夏は、中溝早希は、東条あやは、佐々木ひかりは、・・・、音楽の素養豊かな宮下奈都さんの青春音楽小説です!
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『よろこびの歌』から3年、主人公たちが20歳を迎えるその時を切り取った青春物語。宮下奈都が創り出す彼女たちの静かなあがきが、部分部分を紡ぎながらクライマックスに向かっていく流れは、全体が音楽そのものだ。 高校時代でそれぞれの想いに決着をつけた彼女たちは、次のステージでまたそれぞれ悩みを抱えながら生きていく。けれどもそこには区切りをつけたからの悩みや思いが渦巻く。あるメンバーは偶然出会った人物とのつながりに感銘を受け、あるメンバーは友達とのやりとりの中で新たな気付きを得ていく。 「こうじゃなきゃならない」あるいは「どうしてもあそこには行けない」という思い込みが、他人と触れ合ったり、論じたりすることで新たな思いを得て、また相手にも新しい思いを思い起こさせる。そしてそこにはいつも音楽が介在している.... もう一つ、本書を本書たらしめている、あるいは宮下奈都作品の真髄かもしれないのは、やっぱり相手を信用しているということだ。シーン上心ない言葉なども登場はする。しかし、友達同士、あるいは家族親族の間の会話では、冗談でも相手を刺すような会話にはならず、「でもこうなんじゃない?」「きっとこういうことなんじゃない?」といった方向を転換する会話になっていくのだ。だから、心配があってもまた救ってくれる、救ってくれたという安心感や気持ちの開放感を感じることができる。 中間の盛り上がり部分では、3年ぶりの同窓会でその思いがぶつかったりすれ違ったりしながら、彼女たちならではのつながりであらたな渦が生まれ、さらに一段昇華していく。 御木元玲や原千夏が歌うシーンはもう作者の想いが満ち溢れている、というか爆発している。それまでの思い悩んだ姿は一掃され、完全に彼女たちの世界に浸っている。そしてそれがその時々で周囲に評価されるのだ。 特に、玲がオーディションを受け、次々と曲を歌い上げるところ、個人的には一番の山場と思っているのだが、仁科の想像を次々と覆し思わず次の曲を歌ってしまう流れは、転調してもう一段盛がるjoy to the worldそのものの展開で、こちらも涙が止まらない。 そしてそして、やっぱり歌を歌おう!と決意するところで晴れやかに明るい光が差し込み、未来への道が開かれるのだ。 本書は、物語に挿入される楽曲をイメージするとさらに楽しめます。是非時々でYoutubeなどご覧ください。
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