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虚栄 の商品レビュー

4.1

33件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

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2024/10/24

486ページの分厚い本だが、参考文献や新聞・雑誌等の充実ぶりを見ると「フィクション」ですとの宣言があるもののかなり事実に近いと感じた.がんに対する4つの治療法(外科手術、抗がん剤、放射線治療、免疫療法)の優劣を決めるプロジェクトG4を舞台に、医師たちの内面が次々にあからさまになっ...

486ページの分厚い本だが、参考文献や新聞・雑誌等の充実ぶりを見ると「フィクション」ですとの宣言があるもののかなり事実に近いと感じた.がんに対する4つの治療法(外科手術、抗がん剤、放射線治療、免疫療法)の優劣を決めるプロジェクトG4を舞台に、医師たちの内面が次々にあからさまになっていく過程は非常に楽しめた.それぞれのリーダーは黒木潤、朱川泰司、青柳宏、白江真佐子でお互いに協調路線は全く念頭になく、隙あれば蹴散らすことを目論んでおり、次々に醜い駆け引きが蔓延る.報道機関として矢島塔子が全般的な状況をよく把握しており、ストーリー展開上重要な役割を演じていた.「電磁波がん凶悪説」を進める赤崎守、J-WHITEの白江、手術支援ロボットHALを推進する雪野光一、「真がん・偽がん説」の岸上律らの活動もそれぞれ面白かった.どの治療法も完璧ではなく、それぞれの方法の長所をうまく活用するのがベストだが、医師自体はそれをしたくない様子がよく分かった.

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2021/10/18

内容にやり過ぎ感があり、途中で投げ出すところを何とか読み終わった。 医学界の現状を赤裸々に表現し、読者に問いかけたかったと思う。 登場人物がことごとく癌に罹患するのも違和感があったし、骨髄移植により治癒した秋元医師を交通事故で死なす必要があったのだろうか? 本書の発行年を思わず見...

内容にやり過ぎ感があり、途中で投げ出すところを何とか読み終わった。 医学界の現状を赤裸々に表現し、読者に問いかけたかったと思う。 登場人物がことごとく癌に罹患するのも違和感があったし、骨髄移植により治癒した秋元医師を交通事故で死なす必要があったのだろうか? 本書の発行年を思わず見てしまった。 先程裁判で禁固刑になった交通事故で母子を轢き殺した高齢者の事件より発行が前であった。 作者は高齢者の交通事故を問題視していたのかもしれない。 まあ、病気に罹患しないのがベストだし、罹患しても簡単に治癒するような医学の発展があればと思う。 まだまだコロナ禍続きそうだか。

Posted byブクログ

2021/04/07

治療方法が異なるけど、ガンを治る病気にするために、G4なるプロジェクトができます。 治療方法別に分かれているのですが、別な治療方の医師同士で色々とあります。 そして、中にはガンになったりする医師もいるのですが、自分の所属するところでは治療しないという。いや、あなたがそこで...

治療方法が異なるけど、ガンを治る病気にするために、G4なるプロジェクトができます。 治療方法別に分かれているのですが、別な治療方の医師同士で色々とあります。 そして、中にはガンになったりする医師もいるのですが、自分の所属するところでは治療しないという。いや、あなたがそこで治療をするのは違うだろう。と、言いたくなります。(そこが1番面白かったりもします) 最後には、虚栄というこの本の題名の意味が分かります。

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2020/09/25

外科 、内科、放射線、免疫療法、で予算を確保したいが為に互いを貶めようとする話 協力したらいいじゃん、って思った 科どうしの貶し合いを実際見たことがあるから、あぁ、やっぱりそうなのかと思った 自分の名誉が1番な医師、患者ときちんと向き合う医師、医者にもいろいろいるなー 治る病...

外科 、内科、放射線、免疫療法、で予算を確保したいが為に互いを貶めようとする話 協力したらいいじゃん、って思った 科どうしの貶し合いを実際見たことがあるから、あぁ、やっぱりそうなのかと思った 自分の名誉が1番な医師、患者ときちんと向き合う医師、医者にもいろいろいるなー 治る病気、治らない病気 治すための薬、進行を遅らせるだけの薬、効くかもわからない運試しの薬、 いろいろ考えさせられた

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2019/02/06

虚栄とは?誰の、何のための虚栄なのか?読んでて苦しかったけど、素晴らしかった...。ある意味ノンフィクションのように捉え、医療情報をむやみにシェアしないようにしようと思いました。

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2019/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

総理大臣の肝いりで始まった国をあげてのがん撲滅を目指す『G4プロジェクト』。 手術チーム(外科)、抗がん剤チーム(内科)、放射線治療チーム、免疫療法チームの4チームが予算の分配をめぐり、 自チームの優位性をアピールするための争いを繰り広げる。 4つの治療方法がそれぞれの長所で他のチームの短所をうまく補いながらシナジー効果を狙うのが本来の狙いだと思うんだけど、そううまくはいかないのね。 国家プロジェクトが自分ががん家系だという首相の個人的な理由から始まったというのに驚きつつ、権力とはそういうものなのかな、と妙に納得してしまった。

Posted byブクログ

2018/10/13

凶悪化がん治療国家プロジェクトの、手術、抗がん剤、放射線治療、免疫療法の四グループそれぞれの考えや足の引っ張り合いや予算の取り合いが渦巻く。ロボット手術他治療方法は何が適しているのか、それとも放置が良いのか。マウス実験等の研究や治療の専門描写が多いものの難しくはなく、色々と勉強す...

凶悪化がん治療国家プロジェクトの、手術、抗がん剤、放射線治療、免疫療法の四グループそれぞれの考えや足の引っ張り合いや予算の取り合いが渦巻く。ロボット手術他治療方法は何が適しているのか、それとも放置が良いのか。マウス実験等の研究や治療の専門描写が多いものの難しくはなく、色々と勉強するように読めた。

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2018/04/07

虚栄。 久坂部羊さん。 凶悪がん治癒国家 プロジェクト・G4。 外科。内科。放射線科。免疫療法科。 4科で協力し合って がん治癒の方法を考えると思いきや、 しがらみと嫉妬と利己主義で、 我が科が1番だと。 研究費欲しさに 足の引っ張り合い。 プロジェクト自体の発足の謎。 最...

虚栄。 久坂部羊さん。 凶悪がん治癒国家 プロジェクト・G4。 外科。内科。放射線科。免疫療法科。 4科で協力し合って がん治癒の方法を考えると思いきや、 しがらみと嫉妬と利己主義で、 我が科が1番だと。 研究費欲しさに 足の引っ張り合い。 プロジェクト自体の発足の謎。 最初から最後まで、 イッキ読み。 本の中に入った気分。 とても、 考えさせられる内容でした。 患者にすれば、 がんに効くというのは、 がんを治してくれる薬の事。 医療界では、余命が1ヶ月延びたから効く薬。有効な薬剤だと言われる。 大きな意識の隔たり。 医学の虚栄。 重いテーマです。 面白かった。

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2017/12/11

ラストの「これは作り話じゃない、現実なんだから…」というセリフに、唸ってしまう。確かに、地位やお金に目がくらんだり、保身のために誰かを陥れたり、そういうこともあるのかもしれない。しかし、責任の重さ、ハードな任務に見合う十分な報酬や地位が与えられていたなら、こんな事にはならないので...

ラストの「これは作り話じゃない、現実なんだから…」というセリフに、唸ってしまう。確かに、地位やお金に目がくらんだり、保身のために誰かを陥れたり、そういうこともあるのかもしれない。しかし、責任の重さ、ハードな任務に見合う十分な報酬や地位が与えられていたなら、こんな事にはならないのではないかとも。 また、患者も医師任せ病院任せにせず、自分の病気や治療法に関してもっと勉強するべきだと思う。医師は神ではない。治せない病気もあるし、手術に失敗することもある。ドクターXは現実には存在しないのだ。 数年前から考えていたことだが、今後、自身がガンになったらどうするか、この本を読んで考えが決まった。大変面白く読めた。

Posted byブクログ

2017/11/27

いつものさすがの久坂部さん。 今回もすっかり引き込まれてしまった。 「がん」に立ち向かう志は一緒のはずなのに、足の引っ張り合いや駆け引き、群がるマスコミ…いろいろ絡まりもつれていく様はあまりにリアルで、ノンフィクションなんじゃないかとおそろしくなった。

Posted byブクログ