老後の資金がありません の商品レビュー

垣谷美雨(著者)

2016/05/13

５０代の夫婦が老後に備えてこつこつと貯蓄してきた１２００万が、娘の結婚式で５００万、義父の葬儀とお墓に４００万と恐ろしい勢いで消えていく様に、ドケチとして心の底から恐怖を感じた。まさに今、１円１０円をケチって生活しているのに、いつか何の役にも立たない葬儀の祭壇や戒名のために何十万何百万と支払わされる破目になるのではと思うといても立ってもいられず、私の葬儀には極力金をかけないでほしいと今から夫にお願いしてしまった。

それにしても、貯蓄が残り３００万を切りしかも夫婦そろってリストラされてしまったというのに、高級老人ホームに入入居している義母へ毎月９万の仕送りを続けろと言う最高に感じ悪い義理の妹や、全く頼りにならないむかつくだけのエネミーな夫、年金詐欺の片棒担ぐような義母と、この人の周りは何でこんなろくでなしが多いのだろうと哀れに思う。
友人のさつきさんはこの作品の中で唯一信頼のおけるステキな人だと思って彼女を見習わなくてはなんて思った途端、義母が行方不明なのに何の対処もせずに年金もらい続けてるとか役所の所在確認に他のばーさんになりすましを頼むとか、さらに他の人を紹介する時にこっそりマージン取るとか、なんだこれ･･･とかえってひどく幻滅してしまった。
DV被害にあっているのかと思わせぶりだった娘も、まぁたぶん違うんだろうなと思ってはいたけど、あまりにも性格が変わりすぎて不自然だし、なんだかなぁという感じ。

垣谷美雨作品を立て続けに読んできたけど、こんなに読後にもやもやする作品は初めてかもしれない。
そろそろ別の人の作品を読もうかな･･･。

2016/04/26

2016/4/26

娘の結婚費用で貯金は激減、そこに義父の葬儀費用まで...
こわいこわいこわい！前半が自分の未来のようで息が止まりそうなくらい怖かった。
後半明るく締めてくれるので、老後の資金が不安な方も読んで大丈夫です。
お金、節約するね...

2016/03/21

読みはじめてもう切実！もう自分の未来も重ねつつよんで、途中お姑さんが加わってからはどんな方向にいってしまうのかと、ハラハラしっぱなし。
終わりはなんとかうまくまとまったけど、お金のことよく考えさせられたよい機会だった。

2016/03/11

単なる小説とは違う。ちゃんと実用的な内容が書かれてありとても参考になる。私は読みながらついメモをしてしまった。冠婚葬祭、確かに出費がかさむ。それを慣習と言う言葉で簡単に片づけてはいけない。当事者の思いを反映させるものでなくてはいけないのだ。老後はすぐそこ。私も将来のプランをしっかり立てなきゃと考えさせられた。

2016/02/28

あまりにも身につまされる話と出てくる金額の大きさに目眩がして投げ出しそうになったけれど、後半の姑の意外な活躍で面白く読めた。
それにしても大変だよねえと思うけれど、1200万円貯められるようなおうちが羨ましすぎるわ。

2016/02/23

リタイヤ直前の夫婦を襲った経済的危機を描いた悲喜劇。
今日本では高齢者社会が問題になっているが、その高齢者を支える子供世代の経済状態はどうか問うと、高齢者以上に年金生活になったときの経済状態に不安を感じているのではないか。
どこにでもいる、ごく普通の50代後半の夫婦に訪れる経済的危機。そんなはずじゃなかったのにと思っても、このような状況はあり得そうだ。しかしその危機を何とか乗り越えていこうとする主人公の姿をユーモラスに描いている。
前半部分、主人公は回りの自己中心的人物たちに振り回され、このままいったら辛いままの展開になってしまうのではと思ったが、後半、少しご都合主義的なところもあるが、意外な人物が手助けをしたり、誤解が解けたりと明るい方向で話は完結する。
重たいテーマでありながら、明るいエンターテイメント作品に仕上がっている。

2015/12/19

お葬式がこんなにお金がかかるって
知らなかった！
前半は自分のことのように
鬱々しながら読んだ。

いろいろ厄介ごとが一気に起こり
後半どう主人公が立ち向かうのかと
思いきや、なんだか姑さんの方が
生き生きとしてきたり
小姑や旦那がすんなりいい人になったり
ちょっと都合よすぎるかな～。

2015/12/13

垣谷美雨さんの「老後の資金がありません」、２０１５．９発行です。老後の資金がなくなると大変ですね。老後は６０００万円必要との話も・・・。後藤篤子５３歳、夫章５７歳、さやか２８歳、勇人大学４年の後藤一家の物語。貯金は１２００万円。さやかの結婚式に５００万、夫の両親（老人施設）に月々９万円。舅が死んで葬式に４００万円・・・。貧して鈍して、今度は夫婦揃ってリストラに。三分の二ぐらいまでは、読んでて切なくなる内容。９万円の仕送りが無理で、「やけくそ」気味に姑と同居になってからが面白かったです！（笑）最初辛抱ですｗ

2015/11/23

1200万の蓄えが、娘の結婚と、舅の葬儀で消えていく。更にオットも自分もリストラされ、大ピンチ。

面白かったです。
あれよあれよという間に大金が出ていく前半のくだり、見ないようにしている現実として、自分にも置き換えられそうで、正直背筋が寒くなりました。
年金詐欺の展開は、？？？という感もありましたが、お姑さんとの良好な関係構築のサイドストーリーとして、社会問題と絡めたと考えれば、ありなのかな。

最後にあった『知恵を絞れば、まだまだ様々な可能性が残されてるらしい』という希望的観測は、私にも明るい未来を見せてくれているようで、ひとまずホットして、本を閉じること出来ました。

著者の本は、安心のエンタメ小説。
今回も期待を裏切らない良作でした。

2015/11/17

他人事とは思えないので期待して読んだんですが、特に役に立ちそうもない、普通のエンタメ小説でした。エンタメとしてはなかなかの出来。特に長女のキャラクタには大笑いさせられました。