死刑冤罪 の商品レビュー

里見繁(著者)

2023/02/04

もし見に覚えのない罪で逮捕されたら、恐怖でしかない。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則なんて、全く当てにならない。警察や検察の証拠の捏造に、それをわかってても見て見ぬふりの裁判官。これほど我が国の司法は本当に腐り切っているのか。冤罪で何十年も自由を奪われ、無罪確定となった後も世間の人からは白ではなくグレイという目で見られる。釈放されてよかったなんて簡単なものではなく、その後も厳しい日々を過ごさなくてはならない。またその影で真犯人はのうのうと生きている。

2022/06/11

無実の人が
信じていた　裁判所に裏切られ
死刑を宣告され
何十年もつらい目にあわされてきた。
本人だけではなく　家族も・・・・

あまりにもずさんな　流れはひどすぎますね。
更に　無実となったにもかかわらず
世間で　生きるのが　つらいという現実。

この本の中では
自分の裁判官人生を　捨ててまでも
無実を訴えた人を擁護した　裁判官もいれば
一人の人の人生、命を　本当に正しい判断をしなかった裁判官もいます。

この本では　残念ながら救われなかった命もありました。

もう二度と冤罪が　生じないように
心がけてもらいたいものです。

そして　凶悪犯罪が起こらない世の中になってもらいたいです。

2021/07/07

警察によって生きる意欲を底からくじくような酷い目に遭った市民は多い。いきなり崖から突き落とされるような目に遭うと、やはり頭を下げてばかりもいられなくなる。警察が市民を汚しても心まで汚すことはできない。

2020/06/19

取材運びには浅さがあるが、6事件の概略を知るには良い。雪冤した人たちの生活について、もう少し骨のある中身を期待していたので物足りなかったというのが本音。

2018/12/30

凶悪事件が発生
→警察の必死の捜査にもかかわらず犯人の見当が付かない
→適度に「怪しい」人物を犯人に仕立て上げる
→裁判で疑義が呈されてもそのまま押し通す

というのが冤罪が作られるおおよその流れ。

初期のDNA鑑定の杜撰さ加減は驚き。

2016/02/10

この国の司法の駄目さ加減がよくわかる。

あとがきにある「犯人だから逮捕ではなく逮捕したから犯人」、「捜査機関は確信犯」、「裁判所は不作為犯」、「冤罪は国家の犯罪」に尽きる。

国家、検察から独立できない裁判所など、国民からすれば百害あって一利もないアリバイ機関に過ぎない。
不運にも巻き込まれたら、人生は終わる。

2016/01/13

冤罪によって不当に身体を拘束された人がいるということは、自分の犯した罪を認めることなく償うことなく生活している犯罪者がいるということ。
裁判によって「冤罪」であると決着したあとでも世間は「逮捕されたのだから何かしらあるのでは」という目で見るという。
逮捕されていない真犯人の検挙へ目が向くべきと思うけれど、犯罪者が野放しであるという事実を認めたくないという意識の表れなのだろうか。