羊と鋼の森 の商品レビュー
調律師さんの成長を静かにそして穏やかに物語が進んでいきます。 見たり触れたり出来ない音を 感情豊かに文章にできるんですね。 柳さんの結婚披露宴の所は、本当にキラキラしたピアノの音と会場の優しい雰囲気を想像しました。 丁寧に作られた小説です。
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静謐、という言葉が本の形になったような感覚。 比喩表現というか作中に漂っている雰囲気の描写が多い本を久々に読んだ気がします。 あと読者の想像を掻き立てる表現も多い。鮮やかであって、とても澄んだ想像を。 山の中で光っている木という言葉がすごく好き。一人ひとりが未来への可能性を秘めているという意味だと感じた。 皮肉屋の秋野がスパイス。夢破れ挫折を経験しているから、真っ直ぐな外村に嫌な事を言ってしまう。過去の自分が重なるのかな。 板鳥さんは藤村俊二おヒョイさんのイメージ。 森・・・将来。外の世界(山以外の世界)、調律の世界。一度入ったらもう戻れない、でも先は鬱蒼としていて進む方向が分からない。ピアノそのもの。 森で遊んでいる時、実が落ちている音を聴くと安心した。自分がいてもいなくても実は落ち続ける。 主人公、自由、責任を避ける、羽ばたけるような軽さを持っている?空っぽの水差し
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図書館でおすすめ本に上がっていた。ぱらっと読んで、この本全体から立ち昇る静謐な空気を気に入って借りた。 この本に出てくる人は皆、今まで読んだことのあるどんな人とも雰囲気が違った。静かで物語があって職人らしい志がある。派手な動きがない物語の、澱みのない流れをただ、歩かせてもらって...
図書館でおすすめ本に上がっていた。ぱらっと読んで、この本全体から立ち昇る静謐な空気を気に入って借りた。 この本に出てくる人は皆、今まで読んだことのあるどんな人とも雰囲気が違った。静かで物語があって職人らしい志がある。派手な動きがない物語の、澱みのない流れをただ、歩かせてもらっているような読み心地。貶しているわけではない。小さな川のせせらぎを隣で歩むような。去年行った北海道の六花亭が管理している森を思い出した。実際主人公も北海道の育ちだ。だからかもしれない。今の私の心に合う物語であった。面白かった。
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とても穏やかで、表現が美しい。 ピアノと、生まれ育った森を掛け合わせた表現が素敵。 …けれど、外村のことがよく、というか全く分からなかった。 板鳥さんの調律のどこに惹かれて人生が変わったのか、何を目指しながら調律をしているのか、お客さんになぜ変更希望を出されるのか…。 熱心なの...
とても穏やかで、表現が美しい。 ピアノと、生まれ育った森を掛け合わせた表現が素敵。 …けれど、外村のことがよく、というか全く分からなかった。 板鳥さんの調律のどこに惹かれて人生が変わったのか、何を目指しながら調律をしているのか、お客さんになぜ変更希望を出されるのか…。 熱心なのは伝わるけれど、人物像、人柄があまり見えてこなかった。物語として大きな出来事がなく、終始穏やかだったからかもしれないけれど。 最後もふわっとぬるっと、これで終わるの…? 調律師としてのやりがいとか葛藤とかが、これからやっと見えそうなところだったのでは…? 由仁が弾けなくなったのも、調律師になりたい!って展開のためなの?と思ってしまった。 ずっと読みたかった本だから期待しすぎていたのかな。 私がピアノとか音楽に少しでも関心があれば違った感想だったのかも。
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コツコツとした努力を積み重ねること、見えないものをみようとする想像力、ひとつの事に紳士に向き合う姿勢。 ピアノの調律をテーマとしているだけあってそれらがとてもしなやかで美しく書かれていて読みやすかったです( ´͈ ᵕ `͈ )♡ 外村くんはあまり積極性や情熱とは遠い淡々としたタ...
コツコツとした努力を積み重ねること、見えないものをみようとする想像力、ひとつの事に紳士に向き合う姿勢。 ピアノの調律をテーマとしているだけあってそれらがとてもしなやかで美しく書かれていて読みやすかったです( ´͈ ᵕ `͈ )♡ 外村くんはあまり積極性や情熱とは遠い淡々としたタイプなのだと序盤は思っていましたが、お仕事に対する姿勢やこれだと思ったものを突き詰める姿勢がほんとにかっこよくて憧れました*ˊᵕˋ* 最初は上手く結果にならなくともこつこつ努力すること、どうしたらと苦悩すること、その道を極める人を感じて学んでいくこと、沢山勉強になりました✎
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調律師の世界。数値では表すことができない表現の中に生きる人々。何を求めていくのか。誰に合わせるのかとても難しい世界。
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先週末に『神さまたちの遊ぶ庭』を読んで、近いうちに絶対読もうと思ってた本! 早速図書館行って借りてきた (ちなみに年末年始を挟むから貸出期間3週間に延長、ということでたっぷり3週間分の幸せを借りてきた。計8冊) マハや糸を読んでも思ったけど、作者の経験って小説に色濃く影響が出るんだなあ とはいえこの本は北海道要素は申し訳程度 でもトムラウシで経験したり感動した自然やその風景が出てきたから、あぁあの事だなと思いながら読んだ この本はピアノの調律師のお仕事小説でした ピアノが好きだったり音楽が好きな人はより楽しめたんだろうなあ タイトルも素敵だったよね 読む前からなんかいいなあと思ったし、意味も良かった 羊(ピアノのハンマー)と 鋼(ピアノの弦)の 森(ピアノの中にずらりと広がるハンマーと弦の織りなす森のような光景、またその音色) 後からじわじわと『何かを身につけるのに必要な時間は1万時間』というのが尾を引いてる 1万時間か…10,000… 仕事だとして、1日8時間を年間240日なら5年弱 趣味だとして、1日2時間を毎日なら14年 うん…うん。
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ピアノの調律って奥が深いんだなぁと思った。 ピアノの音色って、ピアノ本体だけでなく、調律の仕方とかピアニストによって変わるんだということを知った。 クラシックとかあまり興味がなかったけど、色々なピアニストの曲を聞き比べしてみたくなった。 なかなか言葉では表現が難しい「音」を、音楽...
ピアノの調律って奥が深いんだなぁと思った。 ピアノの音色って、ピアノ本体だけでなく、調律の仕方とかピアニストによって変わるんだということを知った。 クラシックとかあまり興味がなかったけど、色々なピアニストの曲を聞き比べしてみたくなった。 なかなか言葉では表現が難しい「音」を、音楽に疎い私にも想像できるように美しく例えていて、読んでいてその美しい情景が浮かび、「こんな音色かな?」と想像できた。 私の知らなかったピアノの調律の世界を主人公を通して垣間見れて、読んでいてとても楽しかった。 主人公の周りの人も個性があって良かった。 些細な音の変化で曲を表現する。 音楽をプロとしてやってる人って本当にすごい。 調律師もピアニストもすごいんだなぁ。
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大きな出来事や事件は起こらない。 ただ日常をコツコツと積み重ねて、ひとつのことにむかっていくと、色んな発見がある。 それを自分のものにしていく。
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