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図書室のキリギリス の商品レビュー

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68件のお客様レビュー

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2024/04/22

学校の図書館が好きだった身からすると、当時を思い出させてくれて、わくわくを感じられた。 こんなに本好きが集まって、図書イベントにも協力的な学校ってそうそうないだろうけど、現実世界でも、図書館や本屋さんがずっときらきらした場所で在り続けてほしいなと思う。 本の残留意思を読み取る力は...

学校の図書館が好きだった身からすると、当時を思い出させてくれて、わくわくを感じられた。 こんなに本好きが集まって、図書イベントにも協力的な学校ってそうそうないだろうけど、現実世界でも、図書館や本屋さんがずっときらきらした場所で在り続けてほしいなと思う。 本の残留意思を読み取る力はわたしには無いけれど、昔読んだ本を手に取ると、ぼんやりとその頃を思い出したり、なつかしい匂いを感じたりする。そういうのって、紙の、触れることのできる本ならではの魅力だなあと、しみじみした気持ちで本棚へ並べた1冊。

Posted byブクログ

2024/01/08

あまり行儀はよろしくないが小説をはしご読みしていると、思いがけずあっちで読んだ時に出てきた言葉がこの本にも出ている、という謎の再会を果たすことがある。 「日常の謎」つい先日、乾くるみ著の「蒼林堂古書店へようこそ」でも似たような話を目にした。 特に意図してはいなくても、本を読んでい...

あまり行儀はよろしくないが小説をはしご読みしていると、思いがけずあっちで読んだ時に出てきた言葉がこの本にも出ている、という謎の再会を果たすことがある。 「日常の謎」つい先日、乾くるみ著の「蒼林堂古書店へようこそ」でも似たような話を目にした。 特に意図してはいなくても、本を読んでいるとこういうことがあるので面白い。 本書は学校図書館に学校司書として勤務することになった主人公、高良詩織のお話。 そして、本を手にすると、それまで読んだ人の感情が残留思念として流れ込んでくることがあるという不思議体質の持ち主でもある。 本を中心に起こる何でもないような、でもなんだか気になる日常の謎を解こうと詩織や図書委員が一緒に、時には詩織1人で奔走する。 司書と生徒は実際あまり深く関わる機会はない。 けれど、図書委員になると話は別だ。 こういうところでしか密に関わらない関係性というものがある。 同じ経験をしたはずなのに、やはり読んでいると羨ましいなとどこかで感じてしまう。 図書室のお話だけに、色々な本も登場するし実際に勧められているような気分になって手に取りたいと思うような素敵な紹介が多い。 特に星野道夫の本が出てきた時は大きくうなずきながら読んでしまった。 私は小学校の教科書で読んだ「森へ」という話が好きだった。 図書司書というと、憧れを抱くと同時に、偏屈でプライドが高く、自己のやり方を曲げない頭の固い人間というイメージがどうしてもある。 恐らく高校の頃の、平和とは言い難かったが自分なりに戦った2年半ほどの図書局時代を思い出すからだろう。 あの頃の自分がこの本を読んで司書の気持ちを汲めていればまた何か違ったのだろうか。 それともそれはそれで、やっぱりこの人のやり方にはついていけないと頭を抱えたのだろうか。 学校の図書館という場所が、生徒にとって寛げて、またいろんな本との出会いがある場所として開けているこの直原高校は理想であり夢だなぁと思う。

Posted byブクログ

2023/12/14

本を触ると人の思念を感じる事が出来る詩織。 夫が失踪して3年、離婚が成立したのをきっかけに、学校司書として働きだします。 生徒達と本を通して生まれていく交流に心温まり、日常の謎解き要素がたっぷりあるので、一緒にワクワク考えたり、一気に読み進められました。 何より本の楽しみ方の...

本を触ると人の思念を感じる事が出来る詩織。 夫が失踪して3年、離婚が成立したのをきっかけに、学校司書として働きだします。 生徒達と本を通して生まれていく交流に心温まり、日常の謎解き要素がたっぷりあるので、一緒にワクワク考えたり、一気に読み進められました。 何より本の楽しみ方の幅広さを改めて知れた事が、 ☆5つの理由です。 作者がそのタイトルをつけた理由を考えたり、 関連する本を読んで世界観をより深く理解したり、 1冊の本をじっくり楽しむ方法がたくさん出てきて、 速読気味の私には目から鱗!! 特に、一つの本を色んな役割分担で検証して、深く理解する「リテラチャーサークル」とってもやりたくなりました!! お話の中に、実在の本が何冊も登場するので、 読みたい本が増えるのもお勧めの理由です。

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2023/08/26

先に2巻である図書室のピーナッツを読んじゃったので、1巻であるこちらを読んでみてる。 そういえば、小学生になると途端に何年生?だわ。 西暦と学年が他人の基準だなんて考えたこともなかった。 かつてはこの道を進むことができたのだ。そして今は来た道を振り返ることができた。それを丸ごと...

先に2巻である図書室のピーナッツを読んじゃったので、1巻であるこちらを読んでみてる。 そういえば、小学生になると途端に何年生?だわ。 西暦と学年が他人の基準だなんて考えたこともなかった。 かつてはこの道を進むことができたのだ。そして今は来た道を振り返ることができた。それを丸ごと受け入れて、この先へと進んでいきたい。 なぜか分からないが響いた言葉。 ピーナッツを読んだ時も思ったけど、よく分からないなというのが正直な感想。やっぱり読みにくい。

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2023/06/28

学校司書のお仕事良いなー!と素直に思った作品。 ここまで図書委員会に力を入れている学校ばかりでは決してないことは分かっているが、是非この直原高校の図書室で働いてみたい、もしくは生徒として図書委員会に入りたかったなと思いました。 出てくる作品のほとんど知らないけれど、興味が湧いてく...

学校司書のお仕事良いなー!と素直に思った作品。 ここまで図書委員会に力を入れている学校ばかりでは決してないことは分かっているが、是非この直原高校の図書室で働いてみたい、もしくは生徒として図書委員会に入りたかったなと思いました。 出てくる作品のほとんど知らないけれど、興味が湧いてくるし、知らなくてもその世界に少し触れられるので問題なし!

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2023/02/25

「なんちゃって司書」になった主人公が高校の図書室(館)で働くお話。生徒たちの若さやキラキラしたものが感じられる内容でした。このキラキラ青春感、小説だからこそ純粋に楽しめるものの1つだなと思います。 残留思念を読み取れる不思議パワーの設定はなくても大丈夫な気もしますが、本を読んで語...

「なんちゃって司書」になった主人公が高校の図書室(館)で働くお話。生徒たちの若さやキラキラしたものが感じられる内容でした。このキラキラ青春感、小説だからこそ純粋に楽しめるものの1つだなと思います。 残留思念を読み取れる不思議パワーの設定はなくても大丈夫な気もしますが、本を読んで語る楽しさがぎゅっと詰まっている内容でした。

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2022/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

友人の紹介で高校図書室の司書になった詩織。 自然体に前向きに仕事に取り組む姿が好感をもてる。読書を通して世界を広げていく高校生たち。いくつかのものとものに残された想いをもとに「ナゾ」をひもといてゆく。詩織をおいていった元夫との決別も。

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2022/05/08

離婚した高良詩織(たからしおり)は学生時代の友人である音楽教師、井本つぐみから、自分の働く高校で学校司書を募集している話を聞き、応募し、そこで学校司書として働くことになります。 詩織には不思議な力があり、ものを手に取ると、そのものに刻まれた思いを感じ取ることができます。 詩織や...

離婚した高良詩織(たからしおり)は学生時代の友人である音楽教師、井本つぐみから、自分の働く高校で学校司書を募集している話を聞き、応募し、そこで学校司書として働くことになります。 詩織には不思議な力があり、ものを手に取ると、そのものに刻まれた思いを感じ取ることができます。 詩織や司書の前任者の永田さんの学校図書館に対する熱い思いが良く伝わってきます。 本好きは読み終わったら、あたたかな気持ちになるのでは。 本が本を呼ぶというか、色んなつながりをもって人と人をつなげたり、視野が広がったり。 本好きに読んでほしい。 学生時代、こんな司書さんに出会いたかったです。 司書という仕事にも俄然興味がわいてきました。 ※ この本には実際に出版されている本がたくさん出てきます。それを読んでみたいと思うのも、本から本へのつながりになるのかな。

Posted byブクログ

2022/04/10

学生の頃、図書室や図書カード、司書の先生の存在は自分にとって大きかったから、話がスラスラ入ってきた。 主人公のもつ、物から人の残留思念がわかる不思議な力は、普段ひとり対本で静かに交わされる思いをわかりやすく表現するためかな、と思った。

Posted byブクログ

2022/04/03

図書館があったのは隣の学区だった。 大人にとってはなんてことない距離だけれど、 子どもにとってはちょっとした距離だ。 自転車に乗って20分くらい。 いつの頃からか忘れたけれど、 週末になると僕は図書館に通うようになった。 はっきりと覚えているのは小学校の高学年、 たぶん2~3年生...

図書館があったのは隣の学区だった。 大人にとってはなんてことない距離だけれど、 子どもにとってはちょっとした距離だ。 自転車に乗って20分くらい。 いつの頃からか忘れたけれど、 週末になると僕は図書館に通うようになった。 はっきりと覚えているのは小学校の高学年、 たぶん2~3年生くらいから通っていたのではないか。 ちょっとした距離が気にならないくらい、 図書館は喜びにあふれた場所だった。 寝っ転がれるスペースで漫画や本を眺めたり、 時には上映される映画や音読会に参加したり。 そして何といっても、たくさんの物語と出会った。 お気に入りの作家さん、 お気に入りのシリーズの棚を回った後も、 面白い本を探して書棚の周りをぐるぐると巡る。 どこにどんな本が置いてあるか、 ほとんど記憶していたから、 本の大きさがデコボコの違う以上に、 僕にとって各書棚は立体的に見えた。 作家さんが描く物語の世界が、 本から吹き出ているような印象。 どこにどんな本があって、 このコーナーはこんな物語たちで、 こっちにはちょっと毛色が違うこんな物語があって、 なんて今でも鮮明に思い出すことができる。 マガーク探偵団シリーズ! だから作中でそのタイトルが出てきたとき、 僕の頭には子どもの頃通った図書館の姿が蘇った。 黄色を基調とした本の感じ、あの特徴的なイラスト。 作者は1970年代生まれ、なるほど同世代。 江戸川乱歩の少年探偵団シリーズは、 はらはらドキドキさせられた。 アルセーヌ・ルパンシリーズは、 ちょっと大人になった感じを味わった。 マガーク探偵団シリーズは、 同じくらいの子どもたちが、 日常のちょっとした事件を解決していくんだよな。 小林少年のような完璧さでなくて、 欠点も弱点もある個性的なメンバーが集まり、 それぞれの長所を活かすところもよかった。 他にも本好きにはたまらない逸話が溢れる。 図書館の物語は、やっぱり面白い。

Posted byブクログ