死を忘れるな の商品レビュー
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【きっかけ】 猫町倶楽部8月駒井会の課題図書。 【感想】 老人のもとに「死の運命を忘れるな」という謎の電話がかかってくる。このつかみはおもしろい。ただ結局犯人は誰なのか、この謎の電話の真相は明らかにならずに話は終わった。この小説は、謎解きミステリー、サスペンスとして読むのではなく、老人たちの会話ややりとりを楽しむものみたいだ。 ゴドフリーが、オリーブのもとに行くところが印象的だった。年老いても男はそんなものなのかと感じた。 【読書会を終えての感想】 私のグループは6人。男性3人、女性3人。 話題になったこと ・登場人物の中で誰が好きか→アレック、チャーミアン、ペディグルーなど。 ・印象的な場面 ・謎の電話の犯人は?→老人たちの幻聴説 ・読み進めるのがつらかった……。(特に前半) 全体会での質問 ・最後に「(ジーン・テイラーは)最後まで忘れてはならない4つのことの第1―死―の思いにひたっている」とあるが、残りの3つは? なぜ最初が死? →『徒然草』155段の「死ぬことは前や後ろから迫っている」という内容を連想した。
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全員が70代以上の老人小説。 イギリスミドルアッパークラスの人々(老人達)のばたばたし、ちっとも達観した様子がなく、嫉妬や疑念や過去の不倫暴露などに怯える、とても人間臭い小説。 ミュリエルパークは執筆時四十代。なぜ老人小説を?と思う。59年に出版された本作だが、50年代イギリスは...
全員が70代以上の老人小説。 イギリスミドルアッパークラスの人々(老人達)のばたばたし、ちっとも達観した様子がなく、嫉妬や疑念や過去の不倫暴露などに怯える、とても人間臭い小説。 ミュリエルパークは執筆時四十代。なぜ老人小説を?と思う。59年に出版された本作だが、50年代イギリスは既に高齢化社会が始まっており、これにどう向き合っていくかが、社会問題でもあったらしい。 死を忘れるな(メメント・モリ)について、西洋思想ではより死について身近に、若い時から徹底的に考えるし、私達東洋よりも、身近な思考の材料であるという。 だから、この意味不明な連絡について、単純な脅し以外のもっと意味を持ったものとして、腑に落ちるのだろうが、私自身はこの文章に、この意味以上を受け止めることが難しかった。
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見事にジジババばかりが元気〜(≧∇≦) 笙野頼子でこんな話、なかったっけか。 歳を取れば、こーんなに、なりふり構わずやりたい放題に好きなだけ底意地悪くなれるんだったら、長生きするのも良いもんかも。 ん⁇ 今と変わってないか⁈ バーステッド婦長、「カッコー…」のラチェッド婦長くらい頑張ってくれるかと期待してたら、あえなく敗退だし。
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79歳になるレティ・コルストンの家に、近ごろたびたび掛かってくる電話がある。その電話はいつも『死の運命を忘れるな(リメンバー・ユー・マスト・ダイ)』とだけ言い残して切れる。不気味に思った彼女は、兄や古い友人たちへと相談するのだが、今度は彼らにも次々に同様の電話がかかってきて……...
79歳になるレティ・コルストンの家に、近ごろたびたび掛かってくる電話がある。その電話はいつも『死の運命を忘れるな(リメンバー・ユー・マスト・ダイ)』とだけ言い残して切れる。不気味に思った彼女は、兄や古い友人たちへと相談するのだが、今度は彼らにも次々に同様の電話がかかってきて……。 登場人物はあらかた70歳以上だ。レティの兄ゴドフリー・コルストンは87歳。才能豊かな妻に対する根強いコンプレックスを隠し持っている。その妻チャーミアン・コルストンは85歳。かつては機知と美貌に恵まれた小説家として有名だったが、現在は論理や記憶にあやしいところが出始めている。彼らとは旧知の仲である79歳のアレック・ウォーナーは、現在「老年」をテーマにした研究に没頭していて、コルストン夫妻をはじめとしてあらゆる老人たちが彼の観察対象になっている。のちに物語のカギを握っていることが明らかになるジーン・テイラーは82歳。長年チャーミアンの話し相手兼メイドをつとめていた彼女は、現在、公立老人ホームでユニークで騒がしい仲間たちに囲まれている。体は弱っているが頭はしっかりしていて、ときどきレティやアレックが相談に訪れる。 物語が動き始めるのは、ミセス・ペティグルー(73歳だが60歳くらいに見える)がチャーミアンの世話係としてコルストン家にやってきてから。長年勤めた女主人から遺産を相続するはずだったのに当てが外れ、代わりにコルストン家の財産を狙って何かをかぎ回っている気配だ。いったい、誰に、どんな弱みが? 怪電話事件の広がりとともに、一癖も二癖もある老人たちの謎多き過去(その多くは恋愛事件)が掘り起こされていくところが、本書の読みどころである。 結局、怪電話の主とはいったい誰なのか?「死神そのものだと思えてなりませんの」と、登場人物中一番の切れ者であるジーン・テイラーは考えている。「死を忘れるな(メメント・モリ)」とは、キリスト教において、現世の栄華のむなしさを思い、今ここで何を大切にすべきかを考えよという意味で使われる。スパークは個性豊かな老人たちに、死神からの共通のメッセージをぶつけることで、さまざまに興味深い反応を引き出した。
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