仁義なき宅配 の商品レビュー
雑誌SAPIOに連載された記事をまとめた本。実際にアルバイトとして企業内に潜入して働いた経験と書籍等からの資料、インタビューなど多角的な取材を通じての実態の描写には説得力がある。宅配等の運送業者の実態と問題点がよくわかった。力作でした。 「欧米企業の場合、往々にして、本社での経...
雑誌SAPIOに連載された記事をまとめた本。実際にアルバイトとして企業内に潜入して働いた経験と書籍等からの資料、インタビューなど多角的な取材を通じての実態の描写には説得力がある。宅配等の運送業者の実態と問題点がよくわかった。力作でした。 「欧米企業の場合、往々にして、本社での経営トップによるプレゼンテーションでは、その物流全体を包括した斬新な戦略に目の覚めるような思いがするのだが、その後で現場を見せてもらうと、プレゼンテーションとの落差に驚くこともしばしばあった」p9 「日本での百貨店からお中元やお歳暮の宅配業務となると、その誤配率は一万件のうち一件あるかないか、というきわめて低い数字に収まる。全体の0.01%前後という比率だ。それと比べるとアメリカの物流センターに保管してある荷物の破損率が1%前後というのは、日本では考えられないほどの高い数値なのだ」p9 「国土交通省の数字から2015年3月期の宅配市場を俯瞰してみると、宅配便の個数は36億個強で、メール便は54億個強となった。宅配便とメール便を合わせると、90億個強の荷物がそのネットワークで運ばれていることになる。日本の人口で割れば、国民一人当たり年間90個弱の荷物を受け取っていることになる」p30 「佐川急便の正規の運賃表と比べてみる。関東発関東着の一番安い荷物の料金が750円台である。関東発北海道着の荷物なら1100円台からとなる。運賃表と比べると、アマゾンの全国一律250円超という運賃が、どれほど格安であるかは一目瞭然だ(250円はアマゾンとの契約金額)」p38 「重たくかさ張る飲料水や米、コピー用紙などは、宅配セールス・ドライバーが最も敬遠したい荷物群である。不在のときは、宅配ボックスがあっても、入れることもできない。こんな重たいものを、宅配ボックスから運ばせるつもりか、というクレームが入るからだ」p57 「ヤマトホールディングスの従業員数ランキングは、1位のトヨタ自動車の34万人から数えて8番目となり、その数20万人となる。一方、売上高ランキングでは、ファーストリテイリングに次いで108位となる。ファーストリテイリングの従業員数が3万人強であるのと比べると、ヤマトの従業員数の多さが明確になる」p62 「仕事はきついが佐川で3年働けば家が建つ」p121 「(ヤマトが宅急便を始めること)それまで工場などから出荷される大型荷物を運んでいたドライバーたちにとっては、家庭を回って1個ずつ小型の荷物を集めて回り、それを翌日配達するという考えは、天動説から地動説に宗旨替えするほどの大きな変革だった」p143 「(粟飯原社長)私は、組合の宴席ではいつも水前寺清子の「365歩のマーチ」を歌うことにしていました。大切なのは「3歩進んで2歩下がる」という精神ですよ。1歩も下がらないために、会社自体がつぶれてしまっては元も子もないでしょう」p147 「ヤマト運輸が取り扱う16億個の宅急便のうち、個人発の荷物は1割前後にすぎない。残りの約9割は企業発の荷物である」p162
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私事ですが今から8年前、社内事情で門外漢の物流担当を拝命し、自らの手足で物流会社の内情や実情を学んで知識を積み上げました。時間も労力も使いながら自分なりの財産を得たと思っていました・・・が、今回この本を読んで「この1冊で足りる!」と悔しくも思いました。長年かけて培った物流知識が1...
私事ですが今から8年前、社内事情で門外漢の物流担当を拝命し、自らの手足で物流会社の内情や実情を学んで知識を積み上げました。時間も労力も使いながら自分なりの財産を得たと思っていました・・・が、今回この本を読んで「この1冊で足りる!」と悔しくも思いました。長年かけて培った物流知識が1冊に負けるとは・・・。表面的でない、真髄を付いた宅配事情のバイブルといえます。物流を根底から理解したい方には、ぜひおススメ。
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宅配ドライバーは単なる運転手ではなくセールスマンであるべき!宅配便がの成否は荷物の密度!と小倉昌男は下請けを使ってはいけないと述べている。作者は自らヤマト、佐川、日本郵便の現場人間と同行やアルバイト体感の突撃ルポを実施。以前はワタミの渡邉美樹が佐川で三年働けば家が建つと一年間でた...
宅配ドライバーは単なる運転手ではなくセールスマンであるべき!宅配便がの成否は荷物の密度!と小倉昌男は下請けを使ってはいけないと述べている。作者は自らヤマト、佐川、日本郵便の現場人間と同行やアルバイト体感の突撃ルポを実施。以前はワタミの渡邉美樹が佐川で三年働けば家が建つと一年間でためた300万円で起業したが、それは絶対的忠誠心と荷主から声がかかればすぐに駆けつけ労働基準法とは相容れない考え方の今は昔。作者提言の時間指定を受け取れなければ課金 、アマゾンのドローンやロボットの活用で人を減らすことに同感である。
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数か月前くらいに読み終わった。 実地体験しての著作というのは説得力があるが、内容をあまり覚えていないので、自分としてはあまり真新しいものはなかったのではないかと思う。 払ってもいい金額:500円
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ユニクロ帝国光と影の著者だが、こちらの方が圧倒的におもしろかった。 ヤマト、佐川、日本郵便の三強がこの業界の構図なのだが、ユニクロと比べて歴史もあるし、闇も深いし、潜入による取材もあって読み応えがあった。 今のところの問題点としては、ユニクロと同じように現場の疲弊。 それはサー...
ユニクロ帝国光と影の著者だが、こちらの方が圧倒的におもしろかった。 ヤマト、佐川、日本郵便の三強がこの業界の構図なのだが、ユニクロと比べて歴史もあるし、闇も深いし、潜入による取材もあって読み応えがあった。 今のところの問題点としては、ユニクロと同じように現場の疲弊。 それはサービス残業、ハードワークの割に賃金はそれほどといった勤務体制に起因するのだが、根源は我々消費者の、送料無料に慣れすぎた意識による。 我々ももうちょい、送料に関しては金を出してあげた方が良いのだろうなと思った。 それ以前の各社の歴史もおもしろく、特に佐川は政治家への献金とか昔は同業他社より3倍しんどくて2倍稼げるだとか、闇も光もキャラ立ち過ぎだった。 ヤマトはもうちょい優等生キャラ、というよりはお上の痛いとこを世論を使ってつついていくちょい嫌なヤツキャラ。 今は2社とも代替わりして、均されてしまったけど、特色があったのだなあと感心した。
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この本のあたりから物流の話が動き出したと感じている。夜勤をやって書いている迫力はこの手の本の中で一つ抜けている。同世代にこれだけの人がいるのは背筋が伸びる思いがする。
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佐川がアマゾンとの契約を打ち切っていたことを初めて知った。 私の荷物も昔誤配されたもんなぁ… 筆者のバイト潜入レポは面白い。
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文字通り、ヤマトと佐川急便と日本郵便の流通業の宅配戦争を扱った一冊。 潜入ルポは前回のアマゾンほどの迫力はないものの、それぞれの企業の歴史を知ることができて面白かった。
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今最もホットなルポライター横田氏の本職である物流宅配便の現状のルポルタージュ。 通販全盛の現代社会を支える物流の現場が如何に疲弊しながらも、安価にシステムを支えているか。送料無料がいつまで続くかは分かりませんが、日本のサービス低生産性はサービスレベルが低いのではなく、サービスに対...
今最もホットなルポライター横田氏の本職である物流宅配便の現状のルポルタージュ。 通販全盛の現代社会を支える物流の現場が如何に疲弊しながらも、安価にシステムを支えているか。送料無料がいつまで続くかは分かりませんが、日本のサービス低生産性はサービスレベルが低いのではなく、サービスに対価を支払われないことで起こってるのだというのがよく分かります。
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ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3大宅配業者の仁義なき戦いを取材したルポ。宅配業者の実態を探るため、取材だけでなく、短期アルバイトとして仕分センターへ極秘潜入する著者にジャーナリスト根性を見た。 ネット販売により、企業発個人向け荷物が急増した時代にあって、その荷物を届ける宅配業...
ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3大宅配業者の仁義なき戦いを取材したルポ。宅配業者の実態を探るため、取材だけでなく、短期アルバイトとして仕分センターへ極秘潜入する著者にジャーナリスト根性を見た。 ネット販売により、企業発個人向け荷物が急増した時代にあって、その荷物を届ける宅配業は成長分野だ。しかし、アマゾンをはじめとする大手ネット販売業者がウリにするサービスは「送料無料」。顧客にすれば、宅配業者とは料金を払うことのない、目に見えない存在だ。それに加えて、業者間の熾烈な競争。営業努力に見合う料金を徴収することができない。 それでも荷物を時間通り日本全国へ届けなければいけないし、その設備投資も必要だ。その結果、宅配業者は従業員へ無償で壮絶な努力を強いている。 客がお金を払いたくないサービス業になってしまい、従業員へ適正な賃金を払うことができない。そんなドツボにはまっている3大宅配業者に将来の光明はあるのか。
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