ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス の商品レビュー
死んでいない者、よりさらに何も目指さず、落とさず、震災も挟んでいるがテーマに絡まず、記憶も曖昧になっていく。 青春時代の思い出はクッキリとしていて、それなりに恥ずかしくて、そこから地続きの今があるんだけど、今の方がもやっとした感じ。むしろそのもやっとした感じを大事に確認してるかの...
死んでいない者、よりさらに何も目指さず、落とさず、震災も挟んでいるがテーマに絡まず、記憶も曖昧になっていく。 青春時代の思い出はクッキリとしていて、それなりに恥ずかしくて、そこから地続きの今があるんだけど、今の方がもやっとした感じ。むしろそのもやっとした感じを大事に確認してるかのような主人公の思考。 成し遂げる、とか歯を食いしばって汗をかくとか、そういった方法じゃなくて、自分がそこにいることを丸ごと肯定しているよう。 読了感も、やっぱりもやっとしてるのに、悪くない。 不思議な小説。
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ジミヘンの新しい本が出たのかな、何が書いてあるんだろうって本屋でパラパラめくったら、なんか青年が東北をバイクで旅してる話で、なんでジミヘン?と思って読み進めてそのまま完読。 時間と記憶について、現在30越えた主人公の他愛ない人生を、いろんな時期の視点を思い出しながら時間が流れな...
ジミヘンの新しい本が出たのかな、何が書いてあるんだろうって本屋でパラパラめくったら、なんか青年が東北をバイクで旅してる話で、なんでジミヘン?と思って読み進めてそのまま完読。 時間と記憶について、現在30越えた主人公の他愛ない人生を、いろんな時期の視点を思い出しながら時間が流れながら記憶がうつろうというちょっと不思議な小説。 時間や記憶について思うことある最近だからこそ、こんな風に小説によってまた改めて考えさせられておもしろいなと思った。 なんか青くさい感じもあるけど、それも含めて嫌いじゃない
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記憶を述べることとは,過去の経験を,現時点で原初的に経験されることだというのは,大森さんの本で読んだばかり。この作品も,そんな過去の出来事を思いのままに吐き出したような作品で,ストーリーはあってないようなものです。結局,思い出なんてものはその時々によって変わるもので,ぼんやりした...
記憶を述べることとは,過去の経験を,現時点で原初的に経験されることだというのは,大森さんの本で読んだばかり。この作品も,そんな過去の出来事を思いのままに吐き出したような作品で,ストーリーはあってないようなものです。結局,思い出なんてものはその時々によって変わるもので,ぼんやりしたものもあれば,はっきりしたものもあり,それも真実かどうかわからない。 昔の出来事を思い出したくなるような,そんな一冊。
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気になっていたものの手を伸ばせずにいたところを芥川賞受賞と同時に読了。受賞作よりこちらの方が好きだった。ふわふわとつかみどころのないような不思議な文章で、時間の感覚が綺麗にほぐされていき、むき出しの感覚があらわになるような印象を受ける。最後まで読み切った時の爽やかな読後感が印象的...
気になっていたものの手を伸ばせずにいたところを芥川賞受賞と同時に読了。受賞作よりこちらの方が好きだった。ふわふわとつかみどころのないような不思議な文章で、時間の感覚が綺麗にほぐされていき、むき出しの感覚があらわになるような印象を受ける。最後まで読み切った時の爽やかな読後感が印象的だった。
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なんか不思議な話。 だけど、一気に読んじゃった。 読みやすかったのかな。 結局何が言いたかったんだろう。 こういう話が賞にむいているのかしら。 生きてるって事なのかしら。
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高校時代に影響された美術教師の房子の思い出を原付で旅しながらふりかえる。 秋の東北は野宿できないとかとくに感想もない。 エレキギターを壊しまくってるやついるけど、なんなのかな。気分悪いしやめてほしい。 ジミヘンが好きな人なら理解できるのかな?
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この小説は基本的に主人公の回想なのだが、過去の様々な場面が時間軸に関係なく思い出され、そこに主人公のあらゆる思考が絡まっていく。今自分が読んでいるのはどこなのか、今どこで何をしているのか、主人公が今いるのはどこなのか、あっという間に分からなくなってしまう。すごく実験的で、かなり人...
この小説は基本的に主人公の回想なのだが、過去の様々な場面が時間軸に関係なく思い出され、そこに主人公のあらゆる思考が絡まっていく。今自分が読んでいるのはどこなのか、今どこで何をしているのか、主人公が今いるのはどこなのか、あっという間に分からなくなってしまう。すごく実験的で、かなり人を選ぶ小説だなという気がした。 私はそれなりに面白がって読んではいたが、読み終えた今でも、なんだかよく分からないままである。なんだかよく分からないけど、過去を振り返るというときに、この本を読んだ体験を思い出すかもしれないと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昨年発売された「寝相」はちょっとした話題となり、ぜひとも読みたいと思っていた作家の一人。本作は芥川賞候補になった作品。 高校生の時に出会った美術教師房子との恋愛めいた希薄な関係を回想していく手法で、心のうちの変化を描いている。 タイトルであるジミ・ヘンドリクスのパフォーマンスを有効に用い、激しい炎となって灰になっていく様は見事。 全体的にも軽すぎず重すぎずでちょうどよく、文体もリズム感があって読みやすい作品でした。 「寝相」に加え、「愛と人生」も読みたくなりました。
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高校から大学時代あたりを曖昧に思い出していく。 何が面白いのかよく解らないが、つまらないわけではなく、面白いのであった。 ドキドキ、ワクワクするような話ではない。 昔を思い出してあの時こうだったよなぁと思うのである。 それは後悔でも、過去の栄光を懐かしむでもない。 一人称で書かれ...
高校から大学時代あたりを曖昧に思い出していく。 何が面白いのかよく解らないが、つまらないわけではなく、面白いのであった。 ドキドキ、ワクワクするような話ではない。 昔を思い出してあの時こうだったよなぁと思うのである。 それは後悔でも、過去の栄光を懐かしむでもない。 一人称で書かれており、主人公と同化しつつゆくのである。
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曖昧な過去は、自分の記憶で歪められ、時間軸も前後し、退屈な日常を蝕む。更に、空想も入り…認知の不確かさが、面白かった。若い頃の記憶、その情熱のどうしようもない感じを、良く表していた。ゆらゆらとたゆたう…文体。
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