太った男を殺しますか? の商品レビュー
夏の読書会の課題図書。訳書だからか読むのに時間がかかりました。キャッチーな内容とは裏腹に、本書のテーマは有名な「トロッコ問題」。 暴走する列車の行き先の片方には5人の人間、もう片方には太った男が縛られていて、分岐スイッチのそばにはあなたしかいない。どうする? 暴走する列車の先に...
夏の読書会の課題図書。訳書だからか読むのに時間がかかりました。キャッチーな内容とは裏腹に、本書のテーマは有名な「トロッコ問題」。 暴走する列車の行き先の片方には5人の人間、もう片方には太った男が縛られていて、分岐スイッチのそばにはあなたしかいない。どうする? 暴走する列車の先には5人の人間が縛られていて、高架橋の上には太った男とあなた。太った男を落とせば列車は止まる。どうする? それぞれの答えを出すに至った思考とは何なのか、それぞれの問いにはどんな違いがあるのか。 こんな問題はほぼ100%起こりえないけど、同じジレンマが世界で日々起きていると思うととても面白かったです。 ちなみに、本書でちらっと出てた別の思考実験で思い出したのがどこでもドアの話。 入ってきた人間を分子レベルまで一度分解して行き先で再構築するのがどこでもドアの仕組みです。入った時も出た時もどちらも100%同じ人間ですが、あなたは使いますか?
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トロリー問題(トリオロジー)にまつわる、あらゆる哲学者が行った思考実験を紹介する一冊。「悪い選択肢」と「もっと悪い選択肢」を前に、人々はどのように判断をくだすべきか。 「目的として意図されていた結果」と「予見はされていたが意図されていない結果」とを区別し、後者の結果を引き起こした場合、ときには許されるのが二重結果論。自己防衛が結果として殺人に至った場合などが二重結果論である。じゃあ功利主義は許されるのだろうか。 なかなかに書いてある内容は難しい。簡単にまとめられないので、再読したいと思う。
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哲学の有名なトロリー問題が、哲学者たちにどう考えられてきたか、どんな反論があるのか、わかりやすく俯瞰できる。 哲学者たち考えは、どれもそれなりに説得力もあって面白い
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トロッコ爆破しよう 片方のレールには1人が、もう片方には3兆円があるという設定ならどうなるだろう。3兆円を使えば1人以上の命が救えるため功利主義者なら3兆円を助けなければならないが、そうする人はどれだけいるのか? 私はたとえ5人対1人でも、夢見が悪くなりそうだからレール切り替えし...
トロッコ爆破しよう 片方のレールには1人が、もう片方には3兆円があるという設定ならどうなるだろう。3兆円を使えば1人以上の命が救えるため功利主義者なら3兆円を助けなければならないが、そうする人はどれだけいるのか? 私はたとえ5人対1人でも、夢見が悪くなりそうだからレール切り替えしないだろうなと思うので、レール切り替えする人が多数なのは面白い驚き。 あと、母親が娘の首を絞めなければナチスに全員が殺される話で女性の多くは首を絞めないとしたのは、単に主人公が自分と重ね合わせやすい人物だったからでは?ホラー映画の冒頭で自分と重ね合わせずらいバカップルが惨殺されても心が痛まない原理の逆で。
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面白い。 トロリー問題についてだけでなく、有名な思想家の簡単な紹介もついているので、おさらいにもなる。
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トロリー問題。確かに、バリエーションは図で説明するのがわかりやすいけど、登場する思想家達もいちいち似顔絵付きなのがご愛嬌。 フィリップ・パッドとアンスコムとアイリス・マードックの三つ巴は想像するだけで怖すぎる。 思考実験は、展開が少な過ぎるとマニアックな抽象論になって退屈だし、多過ぎるとお腹一杯になっちゃう。これは絶妙なバランス〜(≧∇≦)よりやや満腹気味。接着双生児の分離手術やソフィーの選択は兎も角だけど、正義論のロールズやらチョムスキーまで出てくるんだもん。。。
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太っていると、線路に突き落とされるかもしれないよ。 いわゆる「トローリー問題」を通じて、現代の哲学・思想史について解説した一冊。 さまざまなアプローチから「現代における善とはなにか」についてスポットを当てられている。 ますます複雑化する現代社会において、善や正義の共通認識を得...
太っていると、線路に突き落とされるかもしれないよ。 いわゆる「トローリー問題」を通じて、現代の哲学・思想史について解説した一冊。 さまざまなアプローチから「現代における善とはなにか」についてスポットを当てられている。 ますます複雑化する現代社会において、善や正義の共通認識を得ることはなかなか困難を極める。 なにをもって正しい行為とするかが、文化・思想・背景によって大きく異なるからだ。 また、善が不定であるということは、いっぽうで悪の定義も定まらない。 そんな中で、トローリー問題では「突き落とされても仕方がない人」の役割を「太った人」にあてがっている。 現代においては、大食らいで、運動不足で、自己管理のできない「太った人」は、多くの一般人の命を救う代わりに犠牲にされても仕方がない人、として、共通認識を得られている、という現れだ。 多くの哲学書に見られるように、この本はトロリー問題の答えを与えてくれる本ではない(そもそも、答えなど見つかっていない)。 ただし、デブは殺されても仕方がない、と世間に思われてることを暗に思い知らせてくれる。 個人主義の進んだ現代では、自己責任の象徴たる太った人は、諸悪の根元と見なされる。 思考実験もいいけど、まずはダイエットにはげもう。
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正直、よくわからなかったです。 トロリー問題に関する考察や解説というよりは、古今トロリー問題にどのようなアプローチがなされてきたかを羅列していく形で、ひとつひとつのエピソードや反論もどこか独立的で、つながりがよくわかりませんでした。 とはいえ中心はトロリー問題なので、それぞれの...
正直、よくわからなかったです。 トロリー問題に関する考察や解説というよりは、古今トロリー問題にどのようなアプローチがなされてきたかを羅列していく形で、ひとつひとつのエピソードや反論もどこか独立的で、つながりがよくわかりませんでした。 とはいえ中心はトロリー問題なので、それぞれのアプローチの論拠となっている考え方についての解説や考察も薄く、どこか消化不良… 哲学的下地がないからよくわからなかったのでしょうか…。
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哲学…。 「5人の命を救うために、1人の犠牲を払うのは○か×か」。ちょっと考え込んでしまう。 哲学、倫理学、心理学、脳科学、と様々な智慧を動員して考える。
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