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等伯(下) の商品レビュー

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2015/09/23

さて物語は下巻に入り、信長が没して不安から解き放たれた信春(等伯)は、聚楽第の襖絵をかけた狩野永徳との勝負を経て、大徳寺三門の壁画の仕事を成し遂げ、漸くその名を世に轟かし、しかしそれも束の間、利休事件に関係し、再び窮地に立たされる。 絵に執着したばかりに何人もの身内を不幸にしてき...

さて物語は下巻に入り、信長が没して不安から解き放たれた信春(等伯)は、聚楽第の襖絵をかけた狩野永徳との勝負を経て、大徳寺三門の壁画の仕事を成し遂げ、漸くその名を世に轟かし、しかしそれも束の間、利休事件に関係し、再び窮地に立たされる。 絵に執着したばかりに何人もの身内を不幸にしてきたと自覚しながら、それもこれも絵に向かおうと自ら招き寄せた運命として、亡き者たちを背負って己れの画境に向かっていく。 ほんとに浮き沈みの激しい人生。真の天才の生き様ちゃあ、こういう感じなのだろうか。 私なら七尾の絵仏師として信頼を得て家族との平安な暮らしを選ぶだろう。と言いつつ、自分の今度の転籍も、私にとっては安穏な仕事を捨ててのチャレンジとも言えるかも。スケールの大小はあるけれど、人はそれぞれ自分で何かを背負いながら進んでいくものなんだろうと思い直した。 だけど、この本の周りの人はそれで良しとしていたけれど、身内まで巻き込んでいくのは感心しないな。私は家族とともに幸せになりたいよ。

Posted byブクログ