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彼女のいない飛行機 の商品レビュー

3.5

24件のお客様レビュー

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2023/08/26

フランスの作家ミシェル・ビュッシの長篇ミステリ作品『彼女のいない飛行機(原題:Un avion sans elle)』を読みました。 ここのところフランスの作家の作品が続いています。 -----story------------- 飛行機事故で唯一生き残った少女は誰の子なのか。...

フランスの作家ミシェル・ビュッシの長篇ミステリ作品『彼女のいない飛行機(原題:Un avion sans elle)』を読みました。 ここのところフランスの作家の作品が続いています。 -----story------------- 飛行機事故で唯一生き残った少女は誰の子なのか。 少女を取り合う二つの家族、そして真相を追う私立探偵を巡って事件は錯綜をきわめていく…。 フランス・ミステリ界の新たな金字塔が登場! ----------------------- 2012年(平成24年)に刊行された作品… フランスで最も権威のあるミステリ賞であるフランス推理小説大賞で最終選考に残った作品で、世界各国でも翻訳されているとのことだったので期待して読みました。 1980年12月23日の深夜、イスタンブール発パリ行きのエール・フランスのエアバス5403便がフランス/スイス国境の恐山(モン・テリブル)に墜落… 乗客乗員169名の正存が絶望視される中、唯一、生後間もない女の子が生存しており、マスコミは「奇跡の子」として大々的に取り上げる、、、 しかし、同機には身体的特徴が著しく似た2人の生後間もない女児… エミリー・ヴィトラルとリズ=ローズ・カルヴィルが乗っており、どちらの両親も事故死しており、残された女児がどちらなのか見分けられる者は誰もいなかった。 DNA鑑定のない時代、ヴィトラル家とカルヴィル家の2組の家族が女の子は自分たちのものだと主張する… そして謎を追うべく雇われた私立探偵クレデュル・グラン=デュックが、18年の時を経て最後に見つけた手がかりとは―? 仏ミステリ界の金字塔! 650ページ近い大作でしたが、、、 探偵グラン=デュックは事故から18年も経て当時の新聞を読み返して真実が分かったのか? 何度も読み返した新聞なのに、どうして今まで気付かなかったのか? そして、飛行機事故で生き残った女児は誰なのか? このシンプルな謎解きに焦らされて最後まで引っ張られたことと、真実を探ろうとするエミリーの兄マルクに感情移入したこと、リズ=ローズの姉マルヴィナの独特なキャラが印象的だったこと等から、なんとか集中力を切らさず読み終えることができました。 できれば、1/2か2/3くらいのボリュームに抑えてもらえると、もっと読みやすかったかと思いますね… ハッピーエンドだと思うし、納得できる結末だったので良かったかな、、、 意外?な真相は、タイトルから類推できちゃいましたけどねー 翻訳時に、もう少し考えて欲しいな。

Posted byブクログ

2021/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

※以下はっきりネタバレしてるつもりはないけど、念のため…! 正統派フレンチ・ミステリ。ほぼ全ての謎の原点となる探偵の記述がまわりくどくて、分かりにくくて…、血縁、家族愛、近親相姦、時間による風化、一人の赤ん坊の出生をめぐる複雑で重層的な物語。話題や視点が何度も変わる中、すべてが明らかになる結末と最後の場面には痺れるものがあった。 読む前と後でタイトルのもつ意味が変わってくる。 確かに真実は18年経たないと分からないな。当時の裁判では絶対に分からない。後半、特にDNA検査結果の封筒が云々以降の展開はしてやられたな〜という感じ。なるほどな〜。もっと率直に言えば、こんなのってありかよ〜って感じ。

Posted byブクログ

2021/04/05

ストーリーはいたって単純です。 18年前の飛行機事故。生存者は1人の生後間もない女の子のみ。同機には身体的特徴が著しく似た2人の赤ん坊が乗っていて、どちらの両親も事故死してしまいます。2組の家族が女の子は自分たちのものだと主張。家族の一方は資産家、もう一方は経済的に厳しそうな家...

ストーリーはいたって単純です。 18年前の飛行機事故。生存者は1人の生後間もない女の子のみ。同機には身体的特徴が著しく似た2人の赤ん坊が乗っていて、どちらの両親も事故死してしまいます。2組の家族が女の子は自分たちのものだと主張。家族の一方は資産家、もう一方は経済的に厳しそうな家族。裁判所の判決は女の子の家族を後者に特定。しかし、資産家家族に雇われた私立探偵は18年目に驚くべき事実を発見します。 本書の特徴は、とにかく長いこと。東野圭吾さんあたりだと、半分の300ページくらいでやっつけられそうな設定と思います。ただし、600ページという長さが冗長かというとそんなことはなく、睡眠妨害の一因にはなります。ストーリーは18年間の私立探偵の報告書を主人公が読み進めるという形で展開します。この報告書が、なかなか核心を語らず、まぁ、焦らすこと焦らすこと(笑)。「結論を先に言いたまえ」と机のひとつでも叩きたくなる心境ですが、結論を先に言っちゃうとミステリーじゃなくなっちゃいますもんね。 結論を言えば、面白い小説。結末も焦らされただけに、納得のいく結末でした。作家はフランスのミシェル・ビュッシ。「黒い睡蓮」という面白そうな作品もありますが、また焦らされるのでしょうか?

Posted byブクログ

2019/02/09

途中、焦らされている感がすごくあったけど面白かった。思いもよらない展開。 探偵には少しがっかりさせられたが、終わり方も良かったのでよしとするか。マルヴィナも救われた気がするし。 表紙の女の子、青い目の子を載せたほうがイメージに合うと思うんですが…。

Posted byブクログ

2018/10/25

二家族や探偵はもちろん,世間の人も注目していた赤ちゃんが,18年後新聞を見さへすれば分かるという単純なミステリー.もちろん私も本当はどちらの家の赤ちゃんかとヒントを手掛かりに考えながら読み進めた.最後の最後,そりゃわからないよ! 過激な姉のマルヴィナの健気さ優しさに乾杯!

Posted byブクログ

2018/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

飛行機墜落事故で唯一生き残った乳児。該当する家族が2つ。一体どっちの子供なのか?を巡るミステリー、なのだが… とにかくジラしが強い。どんだけジラすつもりかという感じでジリジリさせる。このジラじを楽しめるかどうかで、この作品の評価は変わってくると思う。 そもそも私立探偵の調査報告がジラしすぎ、こんなレポートではビジネス文書として失格である。結論から書け!と声を大にして言いたい(それでは小説にならないことは承知の上であってもだ)。 更に言えば、ドンデン返しのラストトリックが、卑怯スレスレだと思う。こんなんあり?小説は丸く収まっても読者の心理はおいてきぼりになってるやん! とかいいつつの星×4は…、ジラしが気持ち良かったんだろうなぁ、俺。読んでる間はかなりのペースでグイグイ読めてしまいました。読了5日を想定していたけど、予定の空いた休日を挟んだこともあって3日で読了。 でもなぁ、これってやっぱり卑怯なミステリーだと思うわぁ。

Posted byブクログ

2018/03/19

飛行機事故で生き残った少女は、誰なのか? 思いつめて失踪した彼女を、兄が探し続けます。 1980年12月、飛行機の墜落事故が起きた。 乗客全員が絶望と思われたが、たった一人生後3ヶ月の赤ちゃんが生き残り、奇跡の子と呼ばれる。 ところが、この飛行機には月齢も特徴もほぼ同じ赤ちゃん...

飛行機事故で生き残った少女は、誰なのか? 思いつめて失踪した彼女を、兄が探し続けます。 1980年12月、飛行機の墜落事故が起きた。 乗客全員が絶望と思われたが、たった一人生後3ヶ月の赤ちゃんが生き残り、奇跡の子と呼ばれる。 ところが、この飛行機には月齢も特徴もほぼ同じ赤ちゃんが二人、乗っていたのだ‥ 両親とともに写真すら失われ、どちらの一家もトルコから引き上げてきたので他に証拠もないという。 富豪と庶民という全く違うタイプの2つの家族が、どちらの子供なのか、裁判をして争うことに。 その結果、赤ちゃんのリリーは庶民の家にひきとられ、兄のマルクとともに育ちます。 お金持ち一家の祖母は諦めきれず、リリーのための資金を提供し、一方では私立探偵に身元を突き止める調査をリリーが18歳になるまで続けるように依頼します。 そして、18年後。 私立探偵が自殺を考えるような状況だったのが、初めてある事実に気づいて、思いとどまることに。えっ、それは何故? リリーをひたすら愛する兄のマルクは、妹の行方を追って、探偵グラン=デュックの手記を手に入れます。 富豪一家の姉マルヴィナもまた、妹を諦めきれず、事件に絡んできます。 美しく優秀なリリーは、出来過ぎのようですが、これが意外と実在感があり、若さがはちきれるよう。 何といっても純情なマルクが一途で初々しく、二人を応援したくなるので、心地よく読めました。 偏屈というかトラウマで歪んでしまったマルヴィナも、ある意味では一途? 「その女アレックス」のピエール・ルメートルと同時代作家とわかる感じで、ルメートルほど強烈じゃないので、読みやすくて売れているのかも。 ほとばしる感情の流れを描くのに疾走感があり、フランス人はこういうところが文化的に上手なんじゃないかと感じますね。 最後のプレゼントにほろっとしました。 読後感は良かったです☆

Posted byブクログ

2017/05/10

記憶に新しいフランスのミステリーといえば、やはり『その女アレックス』。これはその著者ピエール・ルメートルよりも売れた作家ミシェル・ビュッシの作品なのだそうです。 1980年12月、イスタンブールからパリへと向かっていたエアバスが墜落。約170名の乗員乗客は全員死亡したと思われて...

記憶に新しいフランスのミステリーといえば、やはり『その女アレックス』。これはその著者ピエール・ルメートルよりも売れた作家ミシェル・ビュッシの作品なのだそうです。 1980年12月、イスタンブールからパリへと向かっていたエアバスが墜落。約170名の乗員乗客は全員死亡したと思われていたが、ただ1人、生後数カ月の女児が生存していた。ところが、乗客名簿によれば、同機には生年月日があまりに近い女児が2人乗っていたことが判明。どちらも両親とともに搭乗しており、もちろんどちらの両親も死亡。双方の祖父母が女児は自分たちの孫にちがいないと主張。片方は超金持ち、もう片方は極貧。しかし孫を手放したくない気持ちは同じ。DNA鑑定などない時代のこと、世間が注目するなか争われた結果、女児は後者の孫と認められる。女児が18歳になるまでとの契約で前者から雇われた私立探偵。その期限が切れる直前、私立探偵は真相に気づき……。 650頁超のボリュームながら、私立探偵の調査記録ノートを読み進める形を取った細かい章仕立てになっているので、とても読みやすい。 この事故、いや事件によって人生が大きく変わったのは、祖父母よりもむしろ双方の姉と兄。金持ち家庭で可愛い妹と過ごすことを夢見ていた姉は、妹が死んだと言われて納得できず、容貌にも人格にも異常を来します。極貧家庭の兄は、妹のことをいつしか女性として見てしまうようになり、近親相姦的な思いを抱く自分を嫌悪。生存者だった彼女はいったい何者なのかが気になって、どんどん頁が進みます。面白いことは確かですが、個人的に「それはないやろ」とツッコミたくなる部分があります。あまりに込み入り過ぎ。かといってわかりにくいわけではなく、読後に爽快感もあるので、まず良しとしておくかなというところ。

Posted byブクログ

2017/04/10

つかみは謎でぐいぐい引っ張られていくけれど、途中からやや失速、進むにつれもどかしさが勝ってしまった。長さが冗漫に感じられてきてしまって、もったいない。後半でもスピードを保ってほしかった。 手記でストーリーが進んでいく場合、その割合やスピード感が難しいように思う。 目立った齟齬は...

つかみは謎でぐいぐい引っ張られていくけれど、途中からやや失速、進むにつれもどかしさが勝ってしまった。長さが冗漫に感じられてきてしまって、もったいない。後半でもスピードを保ってほしかった。 手記でストーリーが進んでいく場合、その割合やスピード感が難しいように思う。 目立った齟齬はないし、面白いキャラもいるが、着地が無難すぎのような。。。 陰影のようなものはちょっと見当たらなかったかな。

Posted byブクログ

2017/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わったというのは半分以上嘘。 作者の「じらしますよー先が気になるでしょーほーらじらしますよー」と言う作戦が見え見えでうんざりしたから。 前半3分の1はちゃんと読み残りは飛ばし読み、最後20ページまたちゃんと読み終了。 私はこのすり替えトリック、どこかで別の話で読んだ記憶がある。勘違いかもしれないがデジャヴ感が拭えない。

Posted byブクログ