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はじめての文学講義 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2021/04/05

フォロワーさんが読まれてて気になったので読みました。中高生を対象に読むコツ、書くコツ、味わうコツを具体的に指南した講演録。小説を書く上でもかなり参考になる本でした。ロダーリが物語作りの一番基本的な方法として実践した「ファンタジーの二項式」は文章や物語を書く時に意識すればもっと幅が...

フォロワーさんが読まれてて気になったので読みました。中高生を対象に読むコツ、書くコツ、味わうコツを具体的に指南した講演録。小説を書く上でもかなり参考になる本でした。ロダーリが物語作りの一番基本的な方法として実践した「ファンタジーの二項式」は文章や物語を書く時に意識すればもっと幅が広がるように思えました。「ナボコフの文学講義」エーコの「小説の森散策」は読んでみたいです。登場人物の作り方、近くに別の比喩を詰め込まない、日常生活からディテールを集める、文学リアリティは一回性にあることなど、勉強になることが沢山ありました。ディテール集めは面白そうなので実践したいです。

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2021/06/17

文学の楽しみ方を教えてくれる本。もちろんこの本に書いてある通りに楽しむ必要もない。 文学を読むことに迷ったときの助け舟として読むのにちょうどよい。 紹介されている本がとても気になるので次はそこから本を読んで見ようと思う。

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2021/02/23

2021.2.23 読了 作家視点の文学論を生徒のように体感できる貴重な本であった。ダブル・ビジョンの視点は朧げながら意識していたものの言語化されていなかった部分が明瞭になった感覚を受けた。記述の面からも文学の深みを追求したいと思えた。

Posted byブクログ

2019/06/27

小説のテクニックを味わうことに、やや偏っている印象がある。しかしながら時間の限られた講演の中で、小説の展開やプロセスについて語るのはほぼ不可能だと思われるので、著者は可能な限りのことをしたのだろう。けして悪い本ではない。

Posted byブクログ

2018/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まず、ダブルビジョン、二項式という技法について語られます。太宰治の富士山と月見草を例にとり、まるで繋がらないような二者をつなぐことで、文学性が生まれる、というようなことでした。そして、細部にこだわりなさい、ということ。また、小説の縦糸と横糸の解説。横糸つまりストーリーだけを追いかけるだけでは小説は面白くない。文章を読んでいてそのセンテンスで立ち上がるものがあり、その縦糸の部分を楽しんだりする。書くときにもそこは考えるところ、だと。読書の時には、深く読むほどに中断が起こる、と。本が閉じられている間にも、その内容が頭に渦巻いていて、それがまだ読書でもある、ということでした。これは経験がありますよね。最後に、文学的リアリティについてですが、必然性と一回性という捉え方で見事にそれを教えてくれます。必然性とは、それをするにはこうなる、こう動くと、つまりは当たり前の行為や流れのことをいいます。一回性は、そのときにしかない独特だったり特徴的だったりする行為です。たとえば、散歩をしている途中で、家庭菜園の手入れをする人たちをみかけて挨拶をしたり、電線に止まるカラスをみたり、往来する車をよけたり、というのは必然性ですが、そのカラスが威嚇する鳴き声を出し、そのカラスに挑戦するように石を投げる小学生がいて、カラスが小学生を襲いだすところを救おうと一歩踏み出すと、ちょうどパトカーが止まってお巡りさんが警棒でカラスを追い払うところにでくわす、などは一回性なんだと思います、ちょっと下手くそな例ですけどね。もっと独特で個人的でいいでしょう、一回性については。そして、それによって小説に深みが出るようです。本書は高校生への講義録です。読みやすいうえに文章に滋味があり、よみごたえと楽しさを感じる読書になるでしょう。150ページあまりですが、推薦している本が多数あり、本書から繋げてそれらに食指を伸ばすのもいいかもしれないです。『ハックルベリー・フィンの冒険』がものすごく面白いらしいのと、ロダーリの『ファンタジーの技法』はためになるらしいのとはメモしておきました。

Posted byブクログ

2015/12/01

中高生に向けた文学講義の本です. 読書を味わうのが苦手なのと,小説創作のヒントが転がってないかしらと手に取ってみました. 創作のヒント的なものはいくつか散見できたのでワークアウトがてら習作でもしようかなと思いましたが,読書の楽しみ的な観点からは特に目新しい発見はありませんでした....

中高生に向けた文学講義の本です. 読書を味わうのが苦手なのと,小説創作のヒントが転がってないかしらと手に取ってみました. 創作のヒント的なものはいくつか散見できたのでワークアウトがてら習作でもしようかなと思いましたが,読書の楽しみ的な観点からは特に目新しい発見はありませんでした. まぁ本なんて好きなように読むに限るって事なんだろうなとは思うのだけれど. でも懲りずに次は本書でも紹介されてて買ったまま放置されてる『ナボコフの文学講義』を読みますけどね. あ,中高生にはいい内容だと思います. 最近読書(というか言葉)に対して猜疑的にもなってるけれど,やっぱり本を読むのはいいことだと思うので,少しでも間口が広がるなら読んでおいて損はないかと.

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2015/11/01

はじめて読書を文学として考える中高生に向かって語られています。 いろいろ示唆に富んだ体験談や作品解説を読むことができます。たとえば名作とは、夢中で読み耽るものというより、何度も中断を生じさせるものとのこと。 こころの琴線に触れる場面や台詞に遭遇すると、たしかに読むのを止め、ど...

はじめて読書を文学として考える中高生に向かって語られています。 いろいろ示唆に富んだ体験談や作品解説を読むことができます。たとえば名作とは、夢中で読み耽るものというより、何度も中断を生じさせるものとのこと。 こころの琴線に触れる場面や台詞に遭遇すると、たしかに読むのを止め、どこかボーっとしてしまうことがあります。 単なる自己陶酔かもしれませんが・・・。

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2015/10/04

著者の文学愛が伝わってくる本。それにしてもこんな話を黙って聞ける中高生がすごい。さすが日本有数の進学校である。

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2015/08/05

この本に書かれているテクニックは「そう言えば…」と思えるものがいくつもある。中高生に向けた文学講義だけれど、私が次に読む小説はまた、前回とは、ひとあじ違ったものになるのは間違いなさそう…。やっぱり、これからも、キホン岩波ジュニア新書!先入観なく素直によめた。

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