ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか の商品レビュー
・仕事は人につくのではなく、企業についている(28P) ・誰もが有給休暇を取れる会社を築くための第一歩は、書類を整理して、担当者以外の人が、必要な書類をすぐに見つけられる体制をとることだ。 ・何もしない時間は、新しいアイデアを生むには非常に重要である(88P) ・新しいアイデアが...
・仕事は人につくのではなく、企業についている(28P) ・誰もが有給休暇を取れる会社を築くための第一歩は、書類を整理して、担当者以外の人が、必要な書類をすぐに見つけられる体制をとることだ。 ・何もしない時間は、新しいアイデアを生むには非常に重要である(88P) ・新しいアイデアが生まれるのは、土曜日・日曜日に公園でジョギングをしている時、風呂に入っている時、または早朝に目覚めてベッドの中で考え事をしているときである。週末と休暇の際は必ず1時間程度ジョギングすることにしている。自然の中で身体を動かし、酸素を吸い込むと、ふとしたはずみに新しいアイデアが浮かぶ事がある。 ・新しい発想を生むには、時間に追われる慌しい生活は適していない。ゆったりした時間が必要(90P) ・本当にリッチな人とは、お金だけをたくさん持っている人ではなく、自分の時間をたくさん持っている人 ・頑張っているというだけでは全く評価しない。がんばっているのに成果がでない社員よりも、あまりがんばらなくても、短い時間で成果をあげる社員の方が評価される。(120P)またドイツの企業は、労働者が手抜きをしたり、勤務態度が悪かったりした場合には、厳しく処罰する。ルールを違反した社員に情け容赦がない。個人は自分に課せられた責任を果たさなくてはならない。 ・残業が多い社員は、会社への忠誠心があるという過去のメンタリティを完全に無くす必要がある(171P) ・ドイツ流報われる働き方(172P) ①自分に与えられている権限で決められることは自分の責任で判断する。 ②打ち合わせや会議はどんなに長くても1時間以内に。 ③出張報告書や議事録は最も重要なことを簡潔に記載し1枚以内にまとめる。 ④メールの送り先の数は最小限に。 ⑤退社するときには、次の日に達成するべき課題を箇条書きにして自分の机の上においておく。 ⑥課題リストには優先順位をつける ⑦まず顧客への問合せを最優先で処理する。理想的には24時間以内で回答する。社内からの問合せへの回答が遅い事を上司や同僚から批判されてもお客様からの問合せを優先していたと言えば理解を得られる。 ⑧重要で複雑な課題は、集中度が高い午前中に処理する。 ⑨メールの処理には意外と時間がかかる。口頭で済む連絡は口頭で済ます。 ⑩労働時間が10時間を超えそうになったら退社する。 ⑪繁忙期でも週に1度早い時間に退社して、仕事とはまったく別の活動を行い気分転換を図る。 ⑫会社から与えられた有給を思い切って全部消化してみる。 ⑬長期休暇は課の全員が交代で取る事ができるようにする。社内の不公平感が生まれないように配慮する。 ⑭長期休暇中には会社のメールは読まない。 ⑮誰が見てもすぐに業務を担当できるようにする。 ⑯フォルダー内を整理し、誰でもすぐに見つけられるようにする。 ⑰誰かが長期休暇を取っても大丈夫な体制をつくる。 ⑱生活リズムを朝方に変更し、1日を有効に使う。 ⑲早く退社できるように昼休みは45分以内にする。 ⑳9-17時は極力余分なことを減らし、仕事に集中する。 21.特定の仕事を仕上げなくてはいけない時には、電話がかかってきても出ない。 22.最優先で仕上げる仕事がある時には、終日ビジーとマークする。 23.自分で入れる打ち合わせの予定は、1日あたり1回に限る。 24.社内の打ち合わせがない週を、月に1回設ける。 25.仕事の効率を引き上げるには、スポーツによる健康管理が重要。週に一度は必ずジョギングをしたり、フィットネスクラブに行ったりするようにしたい。 26.ここに書いていることを自分一人だけなく、チーム全体で行う。 27.自分が会社で仕事をできる陰には、家族の協力もある。したがって、退社時間を早めて、家族を大切にすることも重要だ。
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再読 日本でも祭日とか入れれば、130位は休んでるんだから、そんなに変わらないような気がする 仕事は人ではなく企業につける →そのために、資料を誰でも探せるように整理しておく、はまさにその通りだと思う
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日本の国内総生産が中国に抜かれて3位となった時、国民一人あたりの生産性は日本のほうが中国より上だから、という負け惜しみをよく聞いた。まあそりゃそうなんだけれど、あらためて国民一人あたりの国民総生産を調べてみると、日本は世界18位で大したことない(http://www.jpc-ne...
日本の国内総生産が中国に抜かれて3位となった時、国民一人あたりの生産性は日本のほうが中国より上だから、という負け惜しみをよく聞いた。まあそりゃそうなんだけれど、あらためて国民一人あたりの国民総生産を調べてみると、日本は世界18位で大したことない(http://www.jpc-net.jp/annual_trend/annual_trend2015_3.pdf)。しかも働いている時間がむやみに長いから、単位時間あたりの国民総生産を比べたらさらに順位が下がるだろう。なーんだ。 というわけで、日本に次ぐ国内総生産4位のドイツの働き方を取り上げる本書。「人生で一番大切なのは休暇」と断言するドイツの働き手ってまじで羨ましいな。でも、それは効率を上げることと裏表で、今の日本人の働き方、効率のまま、ドイツ並みの休暇制度を導入したら普通に破綻してしまいそうだ。でもまあ、ちゃんと休暇をとるために、一生懸命効率を上げて働くというのは、たいへんまっとうなことのような気がする。 ただ、新書らしい薄っぺらさも感じる。資料をファイルして誰でも取り出せるようにしておけば、それでドイツなみの生産性が実現できるわけでもないだろう。ドイツ人が150日休み、残業もあまりしない理由はよくわかった(法律と働き手の共通認識のため)が、それでなんとかなる生産性の高さを実現する方法がよくわからない。肝心なのはそこなのになあ。 ちなみに、国民一人あたりの生産性はドイツが世界一、というわけでもない。前述の資料では世界9位で日本よりはずっと上だが、世界一はルクセンブルク、ついでノルウェー、スイス、アメリカと続く。ルクセンブルクは特別な事情がありそうだが、ほかの国は? ちょっともやもや。
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ドイツは文房具の規格化が世界で一番進んだ国。 ドイツ人は行方不明の書類を見つけるために時間を無断するのを嫌う ドイツ語のごちゃごちゃという意味のchaosは劣悪という意味が含まれている ドイツには監査役会という労働者や株主の代表が取締役会を監査するための組織がある ドイツの勤労者...
ドイツは文房具の規格化が世界で一番進んだ国。 ドイツ人は行方不明の書類を見つけるために時間を無断するのを嫌う ドイツ語のごちゃごちゃという意味のchaosは劣悪という意味が含まれている ドイツには監査役会という労働者や株主の代表が取締役会を監査するための組織がある ドイツの勤労者は様々な法律や社会保障制度などの多重防護システムによって守られている ドイツの社会的市場経済は政府が大きな役割を果たす経済体制である。 ドイツの企業は日本以上に成果主義を重視する。がんばっているということでは評価しない。 国民負担(=社会保障負担率と租税負担率)はドイツ47.4%、日本39.9%、アメリカ37.5%と格差緩和傾向が強い ドイツのサービスが悪いのは当たり前 ドイツではサービスは無料ではない 残業が多い社員は会社への忠誠心があるという過去のメンタリティの残滓を完全になくす ★生産性を上げるための工夫 メールの処理には時間がかかるので口頭で済む連絡は口頭で済ます 退社するときには次の日にするべき課題を箇条書きにして自分の机の上においておく 会議は長くても1時間以内 全ての社員がアクセス出来る共有サーバーを作り誰がみてもすぐに業務を担当できるようにする
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有休消化率100%、夏休みは2週間以上…なのに、仕事の成果は日本の1.5倍!ドイツ流「効率のいい」働き方の秘密。
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著者は元NHK記者でドイツに25年住んでいるジャーナリストである。 タイトルの「1年に150日休む」というフレーズがインパクトが強いのだが、中身はもっときめ細かい。 ドイツでは、休暇は神聖で、企業が侵してはならないものだそうである。 休暇中は(管理職でなければ)音信不通が普通...
著者は元NHK記者でドイツに25年住んでいるジャーナリストである。 タイトルの「1年に150日休む」というフレーズがインパクトが強いのだが、中身はもっときめ細かい。 ドイツでは、休暇は神聖で、企業が侵してはならないものだそうである。 休暇中は(管理職でなければ)音信不通が普通で、休暇中に他の人が対処できるような状態がとられているれているという。 有給休暇については、日本の法定最低有給休暇はアメリカの0日に次いで10日であり、OECD加盟国ではカナダと並んで下から2番目である。 また有給休暇の取得率は本書の資料によれば50%で韓国に次いで低い。 ドイツはさらに、病気による欠勤にも有給休暇とは別に最低6週間は企業が給与を払う義務があるという。 ※なお本書とは無関係だが、多くの問題を抱えている韓国の労働状況も本書から読み取れるので、随時触れていく。筆者は嫌韓の立場ではなく、むしろ韓国の状況を心配している。 育児休暇については、ドイツ企業は3年間は復帰のためのポストを空けておかなければならない(欠員補充の採用をしてはならない)。そのため安心して仕事に復帰することができる。 実はドイツは第二次世界大戦中も休暇がとれたほどだったという。 しかし東西ドイツの統合により、生産性の低い東ドイツの労働コストが高まるなどの問題が起こった。 そこで、シュレーダー首相(在任1998~2005)が行った「アゲンダ2010」という社会保障改革により、労働コストを下げ、経済力を強化した。 その結果、後任のメルケル首相の任期中に起こったリーマンショックやユーロ危機でもいち早く回復できたという。 またOECDの2013年の調査では、ドイツの労働生産性は1時間あたり61.4ドルと、40.9ドルの日本より1.5倍高い(韓国は31.9ドル)。 1人あたりGDPでは、ドイツが43,108ドル、日本が36,069ドルとなっている(韓国は33,062ドル)。 同じくOECD調査の2012年の1人あたり労働時間は、ドイツ1393時間に対し、日本は1745時間である(韓国は2163時間)。これは非正規雇用も含まれているが、サービス残業は含まれていない。 労働時間については、ドイツでは1日の労働は10時間までと厳しく制限されており、かつ前日の終業から翌日の労働開始まで11時間を空けなければならない。 ちなみに、終業から翌日の勤務まで11時間の間隔を空けることを終業規則に盛り込んだ企業に助成金を支給する方針というニュースは最近の日本でも報道されたが、ドイツでは違反した場合には上司に100万円単位の罰金が科せられたり、禁固刑が下されたりするという。 このように日本とドイツでは労働環境に差があるが、さらにその差を広げる可能性として著者が指摘するのがドイツが国を挙げて取り組むインダストリー4.0である。IOT(Internet of Things)を利用したスマートファクトリーにより、機械や部品に製造に必要な情報が与えられ、人間による単純作業が削減されるという。 また、ドイツではシュレーダー改革以降も他国と比べると社会保障は手厚く、10万人当たりの自殺者数は10.8人。日本は20.9人なので半分である(韓国は33.3人) このような労働者にやさしいドイツの状況だが、その反面、日本のような手厚い消費者サービスは期待できそうにない。 また、残業をしていると「仕事ができない人」と評価されるため、長時間労働とは異なった労働ストレスもあるという。 また、日本とは文化的背景が全く異なるため、単純に同じように取り入れてもうまく機能はしなさそうである。 なお、筆者の韓国についての心配は、以下の書評でも触れている。 『憂鬱の先進国 韓国』 http://booklog.jp/users/hirokimitsuda/archives/1/4532261899 『韓国のグローバル人材育成力 超競争社会の真実』 http://booklog.jp/users/hirokimitsuda/archives/1/4062881942
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休暇が人生で一番大切。 1月に1年間の休暇の計画を立てる。 有休休暇は100%消化。どんなに不況になっても減らさない。 有休休暇中の病気は、病気休暇をもらえ休暇を増やせる。 仕事は個人ではなく組織で受ける。 つまり、制度として仕事時間が短く休みが長いが、 仕事への高い集中度と具体...
休暇が人生で一番大切。 1月に1年間の休暇の計画を立てる。 有休休暇は100%消化。どんなに不況になっても減らさない。 有休休暇中の病気は、病気休暇をもらえ休暇を増やせる。 仕事は個人ではなく組織で受ける。 つまり、制度として仕事時間が短く休みが長いが、 仕事への高い集中度と具体的成果の要求が高いことで、労働生産性が高い。 一方で、ドイツのサービスは悪い。無料ではない。 めったに謝らない。
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組織内での合意をいかにして形成するかがポイント。 ドイツでは法律で明確に規定されてるし、人々の国民性や気質の面でも、より効率的に仕事をしてプライベートな時間を確保しようと志向している。 そういうのを、日本の組織でもどのように実現していくか。
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ドイツのいろんな制度や歴史を知るという意味では興味深かったのだけど、実は他の近隣諸国と大きくは変わらないのではと推測。 結局タイトルの命題に対しての明瞭な解答がなかったのが残念。
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ドイツに対する新らしい「社会的市場経済」が勉強になった。社会的な利益を重視した市場経済。政府の失業者支援政策、労働者保護政策が日本人からみたら不思議なほど機能している。 最近日本でも有給5日必須取得とか、女性の社会参画とか話題になっているので、少しずつ労働環境は改善されはじめて...
ドイツに対する新らしい「社会的市場経済」が勉強になった。社会的な利益を重視した市場経済。政府の失業者支援政策、労働者保護政策が日本人からみたら不思議なほど機能している。 最近日本でも有給5日必須取得とか、女性の社会参画とか話題になっているので、少しずつ労働環境は改善されはじめているのかと思う。実感するのはまだまだ先のような気がするけど。 権利の主張、法律の厳守より義理人情の世界観が古き良き日本なのかなぁ。そうはいっても家族間の繋がりはドイツの方が厚いし公私の重要度の感覚なのだろうな。
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