東京零年 の商品レビュー
見せかけの平和、秩序を守るために小さな犠牲は仕方がないと考える強大な権力。私たちは見えない力に支配されて生きているのだろうか。
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統制されていくちょっと先のお話。 でもそれは先の話ではない。今、私たちの言葉は監視されているのだから…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初めて赤川次郎の本を読んだ。もちろん三毛猫時代から知ってはいるが、お手軽ミステリ(今で言えば謎解きは~みたいな)と思い手は出さなかった。この作品は近未来の日本における、超国家監視社会を描いたもので、面白そうなので読んでみた。 元反体制活動家の父を持つ娘亜紀が、この国家管理社会を作り上げた主要人物の一人である、元トップ検事生田目の息子健司と出会う。父がつぶされた原因である死んだはずの男がTVに偶然写りこんだことをしった亜紀らは、独自の調査を開始し真相に迫るのだが、当然体制側もその事実をつかんでおり、抹殺しようと目論む。その過程はなかなか面白い。ラストはまぁ誰もが納得するような結末ではあるが、体制側にこの程度のダメージを与えたとて、タイトルにある零年という何かが再生され始まるという感じにはならないと思うので残念。 2年位前から連載しているようで、現政権になってから、この手のテーマでの小説が結構多い。 あとページ数はあるのだが、短い会話の改行が頻発し、実質はさほどでもない。
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すでに日本はこうなっているのではないか? あるいは、少し先の日本ではないだろうか? 脳出血で倒れ介護施設に入所している永沢浩介が、TV番組に一瞬だけ映った男を見て発作を起こした。呼び出された娘の亜紀は、たどたどしく喋る父の口から衝撃の一言を聞く。「ゆあさ」―それは昔殺されたは...
すでに日本はこうなっているのではないか? あるいは、少し先の日本ではないだろうか? 脳出血で倒れ介護施設に入所している永沢浩介が、TV番組に一瞬だけ映った男を見て発作を起こした。呼び出された娘の亜紀は、たどたどしく喋る父の口から衝撃の一言を聞く。「ゆあさ」―それは昔殺されたはずの男・湯浅道男のことだった。元検察官の父・重治が湯浅の死に関与していた事を知った健司は、真相を解明すべく亜紀とともに動き出す。時は遡り数年前、エリート検察官の重治、反権力ジャーナリストの浩介、その補佐を務める湯浅。圧倒的な権力を武器に時代から人を消した男と消された男がいた―。
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いつもの赤川さんの本と違う感じ。でも相変わらず読みやすい。 登場人物が多く出てきてごっちゃになるけど相互関係が面白い。 日本の政治がこうなっていないことを祈りたいけどなりつつあるんだろうな。 いつかドラマになりそうなストーリー。
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公権力がやたらと力を持っている社会での事件を描くサスペンス。一見現代の日本と同じように思えたのだけれど……こんな社会になってたら嫌だなあ。でも似通ったところもあるので油断はできないぞ、という心境。 スリリングな展開でぐいぐい読めます。テーマは堅いけど、さすが赤川さんなので読みやす...
公権力がやたらと力を持っている社会での事件を描くサスペンス。一見現代の日本と同じように思えたのだけれど……こんな社会になってたら嫌だなあ。でも似通ったところもあるので油断はできないぞ、という心境。 スリリングな展開でぐいぐい読めます。テーマは堅いけど、さすが赤川さんなので読みやすいなあ。
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