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ネオ・チャイナ の商品レビュー

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2018/12/20

NEWYORKER のライターとして八年、中国に駐在した著者による、同時代中国のレポート。 取材先の人物が圧倒的に多く、立場も様々。劉暁波・艾未未ら国際的にも著名な反体制派から、市井の路上清掃員まで。それぞれの立場から語られる「中国の夢」の実像、その洪水のようなエピソードの数々...

NEWYORKER のライターとして八年、中国に駐在した著者による、同時代中国のレポート。 取材先の人物が圧倒的に多く、立場も様々。劉暁波・艾未未ら国際的にも著名な反体制派から、市井の路上清掃員まで。それぞれの立場から語られる「中国の夢」の実像、その洪水のようなエピソードの数々が、マジックリアリズムの小説を読んでいるのではないか、という錯覚をもたらす。 根本に、一党独裁社会に対する不審があるのは見えるが、本書の視点は、著者自身が専制社会をどう思うのかではなく、中国人たちがどう感じているのか、どう将来を展望しているか、にある。非常に良質なドキュメンタリーとして、記憶にとどめたい。

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2017/06/02

アメリカ人のジャーナリストによる中国レポートであり、「情熱」と「独裁主義」という二つの勢力が衝突するさま(16ページ)が三部構成で描かれている。 本書の内容は、著者が特派員として過ごした8年間の取材からなるものだ。インタビューの相手は様々で、立場や信条なども違うけれど、一党独裁...

アメリカ人のジャーナリストによる中国レポートであり、「情熱」と「独裁主義」という二つの勢力が衝突するさま(16ページ)が三部構成で描かれている。 本書の内容は、著者が特派員として過ごした8年間の取材からなるものだ。インタビューの相手は様々で、立場や信条なども違うけれど、一党独裁の国ならではの困難に翻弄されている様子が見てとれる。その一方で、どのエピソードからも中国に対する著者の愛情が伝わってくる。 外国の生活を描いた本を読むと、その国に行ってみたいという気持ちが湧き上がることが多い。でも本書を読んでもその気持ちにはならなかった。それはやはり、思ったことを口に出せない国は怖いな、という感想による。さすがに住めないな、という気持ちだ。にもかかわらず、その国が世界でもっとも多くの国民を擁していることに、改めて驚いた。

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2016/06/04

著者は北京駐在時代に『The New Yorker』誌で「Letter from China」というコラムを連載していたエヴァン・オズノス。 著者が中国で暮らし、取材し、接触した多くの人たちの言葉・行動を元に、今の中国社会事情を描き出している。描かれるのは超有名人から彼の住む近...

著者は北京駐在時代に『The New Yorker』誌で「Letter from China」というコラムを連載していたエヴァン・オズノス。 著者が中国で暮らし、取材し、接触した多くの人たちの言葉・行動を元に、今の中国社会事情を描き出している。描かれるのは超有名人から彼の住む近所の人までさまざま。 第2部真実では中国共産党がまさにオーウェル「1984年」のオセアニア政府を地で行く情報操作ぶりに恐怖する。

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2015/12/18

[個欲へ]鄧小平が号令をかけた改革開放後の中国を、「野望の時代」と捉えたノンフィクション作品。富、真実、そして心のよりどころを求めるようになった数々の個人に焦点を当て、中国社会の歩みと今後の行く末を検証しています。著者は、『ニューヨーカー』誌などで中国特派員を務めたエヴァン・オズ...

[個欲へ]鄧小平が号令をかけた改革開放後の中国を、「野望の時代」と捉えたノンフィクション作品。富、真実、そして心のよりどころを求めるようになった数々の個人に焦点を当て、中国社会の歩みと今後の行く末を検証しています。著者は、『ニューヨーカー』誌などで中国特派員を務めたエヴァン・オズノス。訳者は、在中国日本大使館で専門調査員を歴任した経験を有する笠井亮平。原題は、『Age of Ambition: Chasing Fortune, Truth, and Faith in the New China』。 国家レベルの政治やマクロ経済といった俯瞰的な視点で中国を考える作品が一方にあるとすれば、本書は逆に個人というミクロな存在に光を当てることにより中国の「肝」をあぶり出そうとした作品だと思います。著者の幅広いネットワークと透徹した観察眼もあり、その試みが見事な成功を収めているように感じられました。現代中国を考える上でぜひオススメしたい一冊です。 本書から強く伝わってくるのは、過去とは異った意味で「個人」という単位が中国において立ち昇ってきている(というより一部では既に立ち昇っていたというべきかもしれませんが)という点。人々が「私自身」を気にかけ、「人生の意味」を問い始めるというのは、それだけで社会の方向性を決定づける可能性を有する変化なのではないかと強く感じました。 〜鄧小平は号令をかけた壮大な民族の徒競走は、かなりの部分、公平な条件ではなかった。労働者にとってグラウンドは平らではなく、傾いていた。つまるところ、彼らがやらされていたのは同じ種目の競技ではなかったのである。〜 中国モノの良作に多く巡り合えている気がする☆5つ

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2015/10/12

2005年からの8年間、ニューヨーカーの特派員として中国に在住した著者による、市井の人からアイ・ウェイウェイまで、様々な中国の人を描いたルポ。特定の誰か、ではなくたくさんの個人を描くことによって、中国を今を浮かび上がらせる。 後半になるにつれて、政治的な話も増えてくるが、例えば...

2005年からの8年間、ニューヨーカーの特派員として中国に在住した著者による、市井の人からアイ・ウェイウェイまで、様々な中国の人を描いたルポ。特定の誰か、ではなくたくさんの個人を描くことによって、中国を今を浮かび上がらせる。 後半になるにつれて、政治的な話も増えてくるが、例えば中国人向けの海外ツアーの話や、キャリアに迷う若者、マッチングサイトの話など、幅広い話が交差するのが最大の面白さ。

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