兵士は起つ の商品レビュー
日本に甚大な被害をもたらした『3・11』東日本大震災。「その時」に自衛隊員はいかに行動したのか? 長年自衛隊を追い続けている筆者による迫真のルポルタージュです。彼らの姿に改めて感動をおぼえました。 筆者による自衛隊を追ったルポルタージュ『兵士』シリーズを初めて読んだのは自...
日本に甚大な被害をもたらした『3・11』東日本大震災。「その時」に自衛隊員はいかに行動したのか? 長年自衛隊を追い続けている筆者による迫真のルポルタージュです。彼らの姿に改めて感動をおぼえました。 筆者による自衛隊を追ったルポルタージュ『兵士』シリーズを初めて読んだのは自衛隊を志願していた頃のことで、結果的には視力の関係で入隊は出来なかったものの、彼らのことを理解するためにはかなり役に立ったことをここに記しておきます。 ここでは『自衛隊史上最大の作戦』と称して、あの甚大な被害をもたらした『3.11』東日本大震災の際、彼らがどのように行動したかということが、詳細な筆致で描かれております。皮肉なことに『日陰者』として日本および日本人の中で認知されていた彼らの存在が『千年に一度』の大災害の中で文字通り大活躍を見せ、『自己完結の出来る組織』としての能力が遺憾なく発揮される中で、国民の彼らに対する『認知』が180度変わっていくさまも本当によく分かりました。 震災が発生しての72時間を必死になって救助活動を展開する彼らや、福島の第一原子力発電所が破局的な展開を迎える中で、特殊な訓練をつんだ部隊がいかに召集され、活躍したという場面もとても印象に残っております。このシリーズは僕にとって『人格形成』の一部を担ったものであるということを、読みながら再確認いたしました。 ※追記 本書は2015年7月29日、新潮社より『兵士は起つ: 自衛隊史上最大の作戦 (新潮文庫 す 10-5)』として文庫化されました。
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父は自衛官でした。私は今”フクシマ”に住んでいます。大きな災害の時は、たとえ自宅が被災していようと父は家にいませんでした。 この本はかなりきれい事としてかっこよく書いてはいますが、おそらく事実として当時はこのとおりだったのだろうと思います。本来の任務は戦争での人殺しのはずの軍隊で...
父は自衛官でした。私は今”フクシマ”に住んでいます。大きな災害の時は、たとえ自宅が被災していようと父は家にいませんでした。 この本はかなりきれい事としてかっこよく書いてはいますが、おそらく事実として当時はこのとおりだったのだろうと思います。本来の任務は戦争での人殺しのはずの軍隊ですが、災害派遣とは「これ以上揺るぎなく正々堂々としていて誰からもうしろ指をさされることのない目的」であり「現場に立ったとき隊員たちは自衛官としての日頃の慎みと寡黙を打ち捨てるかのようにここぞとばかり人命救助という任務遂行に邁進」したのでしょう。 ですが宮城や岩手はそのとおりでも、原発が爆発し放射能がばらまかれた福島の原発立地自治体の町々には軍隊である自衛隊ですら入り込めず、核専門部隊が原発対応を行うだけで、通常の自衛隊員による地域住民の救助活動は一切行われませんでした。原発のリスクを放置した東京電力と政府、経済産業省によって数多くの被災者全員が見殺しにされました。生きていた人たちも、福島県選出の議員が国会で言っていたように東電職員の家族だけはいち早く逃げ出しましたが、東電職員の家族以外の地域住民も自らの家族の救助はできませんでした。 地震と津波は天災ですが原発の爆発は人災です。東日本大震災以降、戦後、自民党や官僚がついてきた嘘や悪事が次々と暴かれ、この国を全く信じられなくなりました。 能登半島地震では東日本大震災などの教訓は全く生かされず、被災直後の72時間は陸路がだめなら海からでも空からでも大規模に人員を投入し救助を行うべきところを、新年会に浮かれたバカな自民党政府に邪魔され、犠牲者、被害者は増えたのではないでしょうか。 国に対する不信感はこの13年間、今でもどんどん募るばかりです。
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何度も涙が出て来そうになった。 自衛隊員の方々の『覚悟』には本当に頭が下がります。 皆様のお陰で今もなんとか平穏に過ごせている日常に感謝致します。本当にありがとうございます!
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ほんまに、こんな風な気持ちで活動してくれとるんかと思うと、頭が上がらへん。しかも、それやのに感謝されることにそれでも葛藤しとるってのは、なんて報われへんことなんやろう。ほんまに。
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東日本大震災の時に実際に被災しつつも救助活動等にあたった隊員への取材結果をまとめた本。 その他、普通に隊員に取材した結果をまとめた本もシリーズ化されている。 彼らの「普段の生活」を知るには良いかも。 「軍隊またはその他の実力組織」というのは何十万人、何百万人で構成される「自己...
東日本大震災の時に実際に被災しつつも救助活動等にあたった隊員への取材結果をまとめた本。 その他、普通に隊員に取材した結果をまとめた本もシリーズ化されている。 彼らの「普段の生活」を知るには良いかも。 「軍隊またはその他の実力組織」というのは何十万人、何百万人で構成される「自己完結型組織」だから、ある意味「運用要領がマニュアル化されている社会そのもの」なところがあって、それについての知識を得るというのは、ミリタリー関係なしに面白い。
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その存在の是非を常に問われてきた組織の中で、最前線に立って「戦う」人たちのノンフィクション。 彼らの戦いは奪うことでなく救うことで、であればこそ未曾有の大災害の中、危険を省みず救命にあたった自衛隊の皆さんには本当に頭が下がる。 彼らの仕事が「奪う」ことに変わらないよう願うばかりで...
その存在の是非を常に問われてきた組織の中で、最前線に立って「戦う」人たちのノンフィクション。 彼らの戦いは奪うことでなく救うことで、であればこそ未曾有の大災害の中、危険を省みず救命にあたった自衛隊の皆さんには本当に頭が下がる。 彼らの仕事が「奪う」ことに変わらないよう願うばかりです。
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抑制された筆致が余計に津波の凄絶さを物語る。あまりにも凄惨すぎて何度か本を閉じた。果敢に救助活動に立ち向かうも、そこに存在するのは遺体累々。過酷過ぎる現場で幾度も嗚咽しながらも、これ以上傷まぬよう、細心に遺体を運ぶ自衛隊員。 ひとりの自衛隊員が呟く。 ◉「来るか来ないかわからな...
抑制された筆致が余計に津波の凄絶さを物語る。あまりにも凄惨すぎて何度か本を閉じた。果敢に救助活動に立ち向かうも、そこに存在するのは遺体累々。過酷過ぎる現場で幾度も嗚咽しながらも、これ以上傷まぬよう、細心に遺体を運ぶ自衛隊員。 ひとりの自衛隊員が呟く。 ◉「来るか来ないかわからない<いつか>のために備えている。その<いつか>が今日遭っても明日遭ってもいいように」 ◉「自衛官は活躍しないまま退官することが一番いいんです」 震災から5年。あの衝撃や記憶が薄れていく中、今日も明日も「有事」に備え、激しい訓練に励む自衛隊員がいる。どうか、その訓練が徒労に終わることを祈るのみ。
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自衛隊員に地道な取材活動している著者ならではの、自衛隊員が新聞報道されていない個々の活躍を描いたノンフィクション作品。 安易な自衛隊批判の反証材料や大規模震災の描写資料としても価値がある作品。 圧巻なのは、通勤途上の自衛隊員達が津波に罹災しながら、生命の危機にある救助を要する人...
自衛隊員に地道な取材活動している著者ならではの、自衛隊員が新聞報道されていない個々の活躍を描いたノンフィクション作品。 安易な自衛隊批判の反証材料や大規模震災の描写資料としても価値がある作品。 圧巻なのは、通勤途上の自衛隊員達が津波に罹災しながら、生命の危機にある救助を要する人達へのリミットである72時間を意識し、出せうる限りの救助活動をする描写は、感動させる。 また、福島原発へ決死の冷却作業を冷静沈着な陸上自衛隊員の姿には、日頃の鍛錬や準備の重要性に気づかせてくれる。 この作品を読んで思ったのは、 将来、政治判断ミスで、国益がない国際紛争に巻き込まれ、自衛隊員を殉死させるのは、国家の重大な損失になるだろう。 彼らは、最期の切り札として温存すべきであり、国民として愛すべき公務員であると断言しても言い過ぎではないと思います。 時系列が分かりづらかったぐらいが難点で、何も言うことなしのノンフィクション。 過去に、自衛隊批判した大作家殿って誰?と思わず調べたくなります。
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東日本大震災の際の自衛隊の働きは目覚しかったが、ニュースになったものばかりでなく、その陰にあった夥しい数の隊員の活躍やドラマが本書には汲み上げられている。家族の安否を気にしながら、その無事を確かめることもせず任務を遂行した隊員たちには頭が下がる。そういうことを本書は改めて思い起こ...
東日本大震災の際の自衛隊の働きは目覚しかったが、ニュースになったものばかりでなく、その陰にあった夥しい数の隊員の活躍やドラマが本書には汲み上げられている。家族の安否を気にしながら、その無事を確かめることもせず任務を遂行した隊員たちには頭が下がる。そういうことを本書は改めて思い起こさせてくれた。 本書のテーマとは関係ないのかもしれないが、震災時に世界中から賞賛された住民の秩序ある行動に裏で、火事場泥棒のような行為があったり、助け合いの精神を発揮した住民がいた一方で我が身第一の人もいたことが印象に残った。また、著者の大江健三郎に対する厳しい批判も印象的であった。
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自衛隊は災害救助に徹するよう、役割を明確にできないのだろうか。寡黙で任務に忠実な組織。がしかし、同時に軍隊であるという現実…
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