養老孟司の幸福論 の商品レビュー
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自然と人がどう生きてきて、これからどうした方がいいのか、豊かさやエネルギーについて書かれている。 養老先生の恩師の言葉「教養とは人の心がわかる心」が印象に残った。
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たまたま本屋で見つけた。10年以上前の本だ。幸福論に興味があった。単行本のタイトルは「庭は手入れをするもんだ」。ということで、幸福について語りつくしているわけではない。それでも、養老先生の考える幸せとはどういうものかが、あちこちで語られている。貧しければ、庭の手入れなどしている場...
たまたま本屋で見つけた。10年以上前の本だ。幸福論に興味があった。単行本のタイトルは「庭は手入れをするもんだ」。ということで、幸福について語りつくしているわけではない。それでも、養老先生の考える幸せとはどういうものかが、あちこちで語られている。貧しければ、庭の手入れなどしている場合ではないが、いまの日本は豊かになった。ならば、庭を手入れする余裕もあるのではないか。庭とは、街に対する里山の比喩である。ずいぶん前から参勤交代をお勧めされている。1年のうち1ヶ月くらいでいいので、田舎で過ごしてみてはどうかと。自然の中で暮らすのだ。ストレス解消にもなるし、大災害などいざというときのための、自給自足をする練習にもなる。僕の妻の実家は島根県大田市、石見銀山の近くだ。しかし、農家ではない。田舎のふつうの町である。ローソンもイオンもある。盆正月と年2回は帰省している。義父母ともに80歳を超えるし、義父は認知症が進み出している。この10年ほどの間で、いろいろと考えなければいけないことが出て来るだろう。まあこれが我が家にとっては参勤交代なわけだけれど、自給自足ができるようになるとはいっこうに思えない。何もできない。有るものを買って消費するだけだ。プチトマト1つ育てたことがない。義母は、シソやミョウガを育てたり、梅ジャムを作ったりしている。少しは伝授しておいてもらったらよいのだが。いま住んでいる場所でも十分に自然と接することはできる。というか、家の前は雑草だらけの自然状態である。少し涼しくなったので、今日少しだけ手入れをした。気持ちよく自然と接する生き方ができればいいなと思う。ところで養老先生はやたらと森に詳しい。昆虫から入っていかれたのだろうが、それにしても詳しすぎる。と思っていたら、「日本に健全な森をつくり直す委員会」の委員長をなさっている。またまた、こんなものにまで担ぎ出されているのだ。というか、良くいろいろと首を突っ込まれている。まあ、早めに大学を辞められているから、昆虫中心の第二の人生に、いろいろとアクセントを付けられているのかもしれない。著者紹介の写真がずっと若いときのものを使われているので、ちょっと気になるが、実際にはもう80代半ばを過ぎるわけで、無理なされないようにしていただきたい。でも、活発に動いていた方が長く元気でいられるのかな。
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高質で密度の濃いエッセイだと思います。「養老孟司の幸福論」、2015.7発行。①人は、自分の死を体験できない。自分の死は、自分には意味をもたない。赤の他人、三人称の死も意味を持っていない。死というのは、親しい人、二人称の死だけが意味をもちうる。生きることも同じ。人生は親しい二人称のためにある。自殺してはいけない。②人間関係の世界と花鳥風月の世界。田舎に行けば、花鳥風月の世界が取り戻せる。③日本は67%が森林。川の透明度。森、里、海はつながっている。土と水に恵まれている国。美しい森は虫がいる森。
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仕事ばかりしていて休日も休めないような人にお勧めしたい本です。 2012年に発行された本(出版当時の題名から改題)ですが、読み進めていくとまるで予言のようだと思いました。 この本の中の参勤交代は、今、テレワーク等で自然豊かな場所に移住している人等が当てはまると思います。 エネ...
仕事ばかりしていて休日も休めないような人にお勧めしたい本です。 2012年に発行された本(出版当時の題名から改題)ですが、読み進めていくとまるで予言のようだと思いました。 この本の中の参勤交代は、今、テレワーク等で自然豊かな場所に移住している人等が当てはまると思います。 エネルギーの話も、出版当初は東日本大震災後のため、原発事故後のエネルギーの不安定な状況を見据えての事だと思いますが、現在の天然ガス不足や電力不足等にも重ねて考える事ができます。 森については知らない事ばかりでした。黒い森も自然林だと思っていました。 私自身、森林浴が好きで森林の持つ効果を実感しています。 また、日本人にはバカンスが必要だと私も思います。養老先生の仰るように長期間、身を置いて地元に携わってみたり、心身ともにリラックスするべきです。 休む事に気が引ける民族には必要だと思います。 そういう世の中になって欲しいと思います。 また、いわゆる自然豊かな場所もいつまであるか解りません。 今こそ、森でも海や川でも、時間を作って出かけるべきです。今です。
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たくさんの人に読んで欲しいと願ってやまない。 大学生のときに読んでからずっと自分の思想を支えられている、一冊です。 お母さんたちの世代が食べ物のこと、オーガニック食材を気にすることが未来に繋がるなど、希望のある言葉。 日本は四季があって美しい。 こんなに美しい国に住んでいる...
たくさんの人に読んで欲しいと願ってやまない。 大学生のときに読んでからずっと自分の思想を支えられている、一冊です。 お母さんたちの世代が食べ物のこと、オーガニック食材を気にすることが未来に繋がるなど、希望のある言葉。 日本は四季があって美しい。 こんなに美しい国に住んでいる、という言葉に涙しました。
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養老先生の本はいつもさらりとしているが示唆に富んだ言葉がある。この言葉も共感した。 会社や学校などが原因で自殺する人は、その1つの世界で追い込まれてしまう。しかし、会社や学校などというのは世界の一部でしかない。が、追い込まれるとそれが世界のすべてであるかのように見えてきてしまう。...
養老先生の本はいつもさらりとしているが示唆に富んだ言葉がある。この言葉も共感した。 会社や学校などが原因で自殺する人は、その1つの世界で追い込まれてしまう。しかし、会社や学校などというのは世界の一部でしかない。が、追い込まれるとそれが世界のすべてであるかのように見えてきてしまう。が、人間は生物であり、本来は養老先生のいう「花鳥風月の世界」のほうが重要だろう。こうした自然と切り離されることでねじ曲がった人事の世界で追い込まれてしまうんだろう、と思いました。
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養老先生は、賢者の一人だろう。 その先生が書いていることに新たな驚きはなく、いつも私だって考えている、まっとうなことが書かれている。ってことは私も賢者か。いやいや、年齢を重ね、自分と同じような考え方の本しか読まなくなってきているのだ。老化現の一つ、石頭だ。 内容は辛口の文明...
養老先生は、賢者の一人だろう。 その先生が書いていることに新たな驚きはなく、いつも私だって考えている、まっとうなことが書かれている。ってことは私も賢者か。いやいや、年齢を重ね、自分と同じような考え方の本しか読まなくなってきているのだ。老化現の一つ、石頭だ。 内容は辛口の文明論だ。本来コントロール外にある物事まで、観念の中でコントロールできるとして回る社会に対して、持論を展開されている。しごくまっとう、その通り。 やっぱり賢者、いや、石頭・・・。
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山は、手入れをするもんだ そろそろ健全な森を育てよう モンべルでの養老孟司さんの「 森に還ろ。 」 という講演でこの本を知りました。養老さんやモンべルさんが行っている日本に健全な森を作り直す委員会があって その地方創生の活動のひとつとなっている島根県の津和野町での I・U...
山は、手入れをするもんだ そろそろ健全な森を育てよう モンべルでの養老孟司さんの「 森に還ろ。 」 という講演でこの本を知りました。養老さんやモンべルさんが行っている日本に健全な森を作り直す委員会があって その地方創生の活動のひとつとなっている島根県の津和野町での I・Uターンして森仕事をやろう!森林・林業再生プロジェクトで 津和野にかかわる人たちのお話でした、この本はその活動にも触れている。 島根県の津和野町の総面積のほとんどが森林で他には何もないというところを活かすために 地元の行政の人自ら林業にかかわり、地域おこし協力隊の人も居て 森林学など専門の人などとともに里山資本主義を取り入れながら間伐、林業を開始しました。人口減少過疎化の歯止めに繋がるように 山の手入れをしていかないとどんどん森林が増える 植林した杉ヒノキの人工林の密度管理を適正に行うことが必要だということ、 その適正に行うには 養老さんは 「 山は、手入れするもんだ 」 とおっしゃった。どういうことか例えておられるのは 人間ありのまま自然体のままあるがままに生きていくのがいいといっても やはり 自分の心のケアや体のメンテナンスは絶えず必要であり行っているから長生きする。女性もスッピンのままがいいと言われても 肌のお手入れをするしずっとすっぴん素っ裸のままでいられないでしょう、 日ごろ使う道具もきちんと手入れしているからこそ長く使えるでしょ、それと同じ、森林も手入れすることが大事だということ。 日本中どこ行っても杉ヒノキの植林だらけ植え過ぎて余剰になっている 花粉症の原因にもなっているこれらを輸入品の木材で使い捨て割り箸や数年単位で使い捨てになりそうな新築住宅みたいなことでなく そろそろきちんと地産地消でいいものを作りだしていく、活用していく時が来たわけであり。 ただ 杉ヒノキを 植林すればいいというのではなくてそこに合った植生やきちんと間伐をする 自然保護・環境保護のためにただ植えるのはもうやめたほうがいいのでは・・というところまできたということ。 健全な森を作り直すところまで進み始めたこと。 山の手入れに行きたくなりました。移住してとかいうのはなかなか生活環境で慣れないから難しいけど参覲交代と言われるように町と田舎を時々通う、森へ通うことから始めよう。 始めているので養老さんの話していることが気持ち良く理解できる。
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まぁ、内容としてはちょいちょいおもしろいところはあってんけど、過去に出た単行本の焼き直しをタイトル変えて出すのって、どうなのよ。読んだことある本やったから、ちょっと残念。
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自然への回帰とその理由および方法について論ずる.何故それが幸福につながるのか,はすんなりと来る.それは,幼少時代の育ち方にあると思う.そうでなければ,自然回帰という選択肢自体知らないまま過ごすことになる.そのような生活を営むことができない日本は,果たして先進国と呼べるのだろうか?
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