1,800円以上の注文で送料無料

十号室 の商品レビュー

3.6

11件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/07/21

あの人情派作家の加藤元がミステリを書いたとな!とまずは驚く。 今までになくたくさんの登場人物が出て来て思わず人間相関図を書きつつ読む。 一人暮らしの70代女性の死。部屋を受け継いだ姪が解き明かしていく伯母の人生と、その秘密 同じアパートに住む人、それぞれの人生と家族との愛憎。誰も...

あの人情派作家の加藤元がミステリを書いたとな!とまずは驚く。 今までになくたくさんの登場人物が出て来て思わず人間相関図を書きつつ読む。 一人暮らしの70代女性の死。部屋を受け継いだ姪が解き明かしていく伯母の人生と、その秘密 同じアパートに住む人、それぞれの人生と家族との愛憎。誰もが自分にとって大切な人を持っている。あぁそうか。誰かを一番大切だと思うということは、他の誰かは大切じゃない、ということなのか。誰かを守るということは、他の誰かは守れないということか。 人は神じゃない。誰もが自分の一番だけを必死に守っている。人って悲しい。悲しくて寂しい。 でも、もし、自分にとって大切な人がいるように、他の誰かにも大切な人がいるのだと、そう気付けたら。きっと世界は少しだけ温かくなるのだろう。 悲しくて寂しい世界にも、きっと光が見えるのだろう

Posted byブクログ