トンネルの森 1945 の商品レビュー
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角野さんの子供時代をベースに描いたおはなし。さらりと読めてしまうけれど、イコの毎日は、底知れぬ孤独とのたたかいだった。それを乗り越えていくイコの姿はまさに角野さんに重なる。 イコはあたらしいお母さんと一緒の疎開なので、そこにまた葛藤があるのだけれど、それでも集団疎開のこどもより恵まれていたように見える。けれど、イコの感じた孤独は、戦争の時であっても、今であっても在り続ける。ひとりの少女が体験した戦争の日々は、きっと今の子たちのこころに届くと思う。
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トンネルも脱走兵も象徴みたいなものだったんだろう。子どもにとってこんなに理不尽な話はないよなあ。戦争で疎開、独りぼっちになるかもしれない不安、継母との関係がなかなか良かった。一緒に疎開生活を送る中で同志のような気持ちが芽生えたと思うし、べたべたではないけれど、一緒に生きて行く思いが感じられた。
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角野さんの戦時中の実体験をかいたもの。本郷のおばあちゃんは深川で焼け死ぬ。お父さんは何とか生き残り。トンネルの中に潜む兵士が心なしか応援してくれている。
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ラジオで角野栄子さんが『魔女の宅急便』を含めた自分の作品についてお話ししているのを聞き、図書館で借りてみた。この時代の子供は皆そうだったのか主人公イコちゃんは大人びていて社会に対して一種のあきらめみたいなものがある。だから、「このご時世だから」という便利なワードで何もかも済まそうとする大人たちを冷静に見つめている。イコちゃんはきっと作者の栄子さんを投影した姿なのだろう。継母の光子さんとの関係もよくあるような意地悪なものではない、ただであって間もなくて信頼関係を築く前に命を脅かされる極限状態におかれお互いを支えあわなきゃいけない(しかもセイゾウさんはいない!)なんてどれほどのストレスだろう。イコちゃんが振袖を羽織って光子さんと笑いあうシーンが一番好き。小学校の読書感想文課題図書になりそうな良い本だった。
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戦時中の少女が主人公。 彼女から見る戦争。 こういった疎開生活がいろんな地域であったんだろうな、と思った。
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少女の目から見た戦争とあの時代を、著者自身の体験をもとに描く。母を早くに亡くし、東京で祖母と暮らしていたイコは、継母と弟と共に千葉に疎開する。何かと不便な田舎暮らし。継母とのギクシャクした関係。なじめぬ級友たち。そして、恐ろしげな「闇森」。まるで森の中の暗いトンネルを歩んでいるかのような、先の見えない苦しい日々。森の中でハーモニカを吹く兵隊さんは、そんな辛い日々を送る彼女が生み出した幻想だったのだろうか。しかしその兵隊さんに彼女は心を救われ、強さを身に付け、やがてトンネルを抜けていくのだ。
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