あしながおじさん の商品レビュー
構造的に、読者は「あしながおじさん」の目線でジュディの手紙を読むことになるのだが、全てが愛しい。しかも、手紙に手書きの絵が挿入されていることでジュディの無垢さがより一層際立っているのも良い。 そもそも文学、小説というジャンルは、どちらかといえば男性よりも女性に人気がある傾向にあ...
構造的に、読者は「あしながおじさん」の目線でジュディの手紙を読むことになるのだが、全てが愛しい。しかも、手紙に手書きの絵が挿入されていることでジュディの無垢さがより一層際立っているのも良い。 そもそも文学、小説というジャンルは、どちらかといえば男性よりも女性に人気がある傾向にあり、本書『あしながおじさん』も女性人気が高いイメージはあるのだが、「男どもは何をしてるんだ!」と言いたくなる。女の子であるジュディからあれほど純粋で素敵な手紙を貰うというのは、同じ男である我々視点から見ると、余計に尊いものに感じられるだろうに。 フランス語を勉強しているからフランス語を使って手紙を書いてみたり、知らなかった有名な詩人や作家の作品について語ったりするジュディ。自分もそんな時期があったなぁと、微笑ましくなる。オペラとクラシックが好きだからイタリア語、フランス語を勉強してみたり、ワーズワスやキーツをはじめとする詩人の詩を読み漁った学生時代が思い出される。 女生徒にも、男子たちと変わらず、経済学、生物学、数学などといった学問を勉強する機会が与えられるようになり、ジュディが幅広いジャンルの授業をとっていたり、社会主義者になってフェビアン協会に入会したエピソードも含まれているのは、そういった時代の過渡期にいる女性の象徴のようだ。 『あしながおじさん』を図書館に借りに行ったときに、『続あしながおじさん』を偶然同じ棚に見つけ、「続編があるの!?」となった。この衝撃は「鏡の国のアリス」や「続若草物語」を見つけた時の喜びに近いものだった。私と同じく、『続あしながおじさん』の存在を知らなかった人は、是非一緒に読み始めましょう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルと孤児院と奨学金の印象しか無い状態で初読。読んで、真面目で教育的なお話かなと想像してたのがひっくり返りました。ロマンスなんだ!? 軽快な読み応えで、こんな楽しくて可愛いお手紙ならいくらでも読みたいよね、わかるよおじさん〜となりました。二週目以降だと尚更、おじさんのニヤニヤポイントが想像できて楽しかったです。小切手のくだり、浮かれてたんでしょ、おじさん? 図書館で借りて読みました。初読を終えた際、あの人のシーンを読み返したい気持ちに駆られて小口を撫でると、まさに目当てのページにピタリ。開き癖が付いていて、読み返した人が多いのかもしれないなと想像してニコリ、わかるよ〜。
Posted by
土屋京子さん訳。実はこれも子供の頃にちゃんと読んだ事はなく、ブレッド・アステアの映画を観ただけだったので、あしながおじさんとはこんなお爺さんだったのか!(失礼!)なぜ?!と思った記憶がw。原作を読み長年の謎も解け、映画よりも何倍も素敵な物語だと分かった。女子はその日に会ったことを...
土屋京子さん訳。実はこれも子供の頃にちゃんと読んだ事はなく、ブレッド・アステアの映画を観ただけだったので、あしながおじさんとはこんなお爺さんだったのか!(失礼!)なぜ?!と思った記憶がw。原作を読み長年の謎も解け、映画よりも何倍も素敵な物語だと分かった。女子はその日に会ったことを語るのが大好き!今日こんな事があったの、あんな事があったのと話したい。家族のいないジュディには、その相手こそジョン・スミス氏=あしながおじさんなのだ。家族であり恋人であり友人。お金の支援より、この心の支援こそ、彼女の救いなのだな。
Posted by
『罪と罰』を読もうと思ったら貸出し中でした 生意気な!(どの口が言うか!) しょうがないのでみんみん繋がりでこっちを 遥か昔に読んたことあるはずなんですが… あれ?こんなに面白かったっけ? 新訳だからでしょうか? 読んだ当時は男の子だったからでしょうか? (今女性という意味で...
『罪と罰』を読もうと思ったら貸出し中でした 生意気な!(どの口が言うか!) しょうがないのでみんみん繋がりでこっちを 遥か昔に読んたことあるはずなんですが… あれ?こんなに面白かったっけ? 新訳だからでしょうか? 読んだ当時は男の子だったからでしょうか? (今女性という意味ではない) まぁ、いいです とんでもなく面白かったです これは今の子たちも絶対読むべきだわ 孤児のジュディからあしながおじさんへ宛てた手紙で構成される本書ですが、この手紙が素晴らしいんですよね フリとオチがちゃんと分かってるんです!! (ここは強く言いたいので「!」を2個使いました) 丁寧に丁寧に振ってすとんと落とす、素晴らしい 世が世ならジュディは素晴らしい放送作家になっていたことでしょう R-1チャンピオンもありうる そしてジュディの手紙には毎日を明るく前向きに過ごすための言葉がたくさん込められていました 心が沈んだときに読めばどんな特効薬より効きそうです そしてまあもちろん気付いていないのはジュディだけという最高のハッピーエンド! 言うことなし!!!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
名作を読んでおこうと、手に取りました。 結末は有名なため「なるほどなるほど」と思いながら読みましたが、それを差し引いても面白く、どんどん読み進めました。 これが戦前に書かれていたことが驚きです。 アニメ版はジュディが若すぎるため、あしながおじさんが気持ち悪いと言われても仕方ない…と思いますが、原作は割と自然に受け入れられました。
Posted by
メールでのやり取りじゃなくて 誰かと手紙で文通したくなる本だった。 手書きの文章を郵送して時間をかけて届けることで想いや温かさがより伝わって来る気がした。
Posted by
1910年の作品とは思えない、現代に通じるアイロニー。所々で反語的な言い回しがあり、痛烈な欺瞞への批判と感じられるか、感じ悪いと一蹴するかのギリギリを攻めていると思う。 最終章にておっと思うのも言わずもがなであるが、途中途中で『おじさん』サイドに感情を感じる不思議。 懸命に書いた...
1910年の作品とは思えない、現代に通じるアイロニー。所々で反語的な言い回しがあり、痛烈な欺瞞への批判と感じられるか、感じ悪いと一蹴するかのギリギリを攻めていると思う。 最終章にておっと思うのも言わずもがなであるが、途中途中で『おじさん』サイドに感情を感じる不思議。 懸命に書いたプロットを批判され、落ち込み燃やすも、次の日は気を切り替えた台詞が、『夫と子が沈んだとしても、次の日には夫と子供を作るだろう』この喩えがとても印象的でした。
Posted by
100年も前に書かれた話しなのに、現代の小説かと思えるほど、色褪せない素敵なストーリーでした。少女の生き生きとした毎日が、映像として目に浮かぶような描写に感心させられました。
Posted by
序章を除き、全てがあしながおじさん宛ての手紙という形式で書かれていて、初めのうちはこういう書き方で楽しめるかなと思ったりもしましたが、全く飽きることなく最後まで読み終えました。ジュディの大学生活が生き生きと書かれていて、読んでいるこっちまで楽しい気分になります。活発でおちゃめなジ...
序章を除き、全てがあしながおじさん宛ての手紙という形式で書かれていて、初めのうちはこういう書き方で楽しめるかなと思ったりもしましたが、全く飽きることなく最後まで読み終えました。ジュディの大学生活が生き生きと書かれていて、読んでいるこっちまで楽しい気分になります。活発でおちゃめなジュディが体験するあれこれに感動すら覚えました。木陰にクッション、ブランケットを持ち込んで詩集を読むとかの光景を想像すると、胸が踊ります。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読んだ気になっていたけど、そもそも小さい頃に読んで無かったのかもしれない。ジェルーシャが最初17歳なことに驚いた。 そしてあしながおじさんとあだ名をつけるセンス。よすぎ。 読んでいて絶対ジャーヴィスのこと好きになるし、ジャーヴィスも絶対ジュディのことが好きだと思ってわくわくしながら読んでいたから最後びっくりした。絶対おじさまは手紙読んでて、ジュディのことがかわいくてかわいくて仕方がないよね。 ジャーヴィス死んじゃってないといいなあ。 小さな頃に読んでいたらどう思ったのだろうか。それが気になる。 古典もよいな。
Posted by
- 1
- 2