とにかく散歩いたしましょう の商品レビュー
小川さんが、毎日新聞に月に1回連載していたエッセイ。小川さんの読書の好みが私はとても好きだ。そして、小説も好きだけれどエッセイも大好きだ。なので、読んていてとても気持ちよかった。
Posted by
作者のように、何気ない日常も、豊かな感性を持って大切に生きることで、日々幸せで溢れるんだと感じていきたいと強く思った。
Posted by
表題作の『とにかく散歩いたしましょう』の小川洋子さんと愛犬ラブの関係がとても素敵だった。 最初のエッセイ、『「る」と「を」』で、文字ひとつひとつから、こんなに広げて文章を書けるのはすごいなと思った。小川さんにとっては、小説の種は無限なのだなと思った。多くの本の文章も取り入れての...
表題作の『とにかく散歩いたしましょう』の小川洋子さんと愛犬ラブの関係がとても素敵だった。 最初のエッセイ、『「る」と「を」』で、文字ひとつひとつから、こんなに広げて文章を書けるのはすごいなと思った。小川さんにとっては、小説の種は無限なのだなと思った。多くの本の文章も取り入れてのエッセイは、読みごたえもあり、面白さもありと、楽しい時間が持てた。小説ではどこか凛とした感じや静謐感など個性を感じる作品に今まで出会ってきた。エッセイはまた違った感じで、小川さんが好きになる要素がたっぷりだった。知的でおもしろみがある素敵な人だと思った。小説もエッセイも未読のものがたくさんあるので、これからもどんどん読んでいきたい。
Posted by
久しぶりに「できるだけゆっくり読みたい」と思う本に出会った。著者の小川さんは日常の一つひとつの出来事を丁寧に受け止めて、繋がりを見つけて、その思い出を大切にする方なんだと伝わってきた。私もそんなふうに生活したいと思えて、心が穏やかになった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
先月小川氏の作品を久方ぶりに読み、改めてその「静けさ」を堪能しました。その後Kindleでお勧めされたのが本書。 作品の印象とはまた違った、作家さんの素?が見え隠れして実に面白かったです。小川さんの日々の生活(作家の日常、取材、家族やペットの話、本の話)が描かれています。 ・・・ で、まず感じてしまったのは親近感。 小川さん、岡山出身なんですね。しかも関西は西宮近辺にお住まいなご様子。 かなり勝手な親近感ですが、私も人生で5年くらい関西に住んでおり、その半分強が西宮近辺でした(私は尼崎でしたが)。小川さんは取材で訪れた関西学院大学のグラウンドの広さに驚いたそうです。私は引っ越してきた当時、未だに残る自然の豊かさみたいなのに驚きました。梅田から20分程度で、駅から15分も歩くと田んぼや畑が広がり、カエルや蛇が時に出現し、農業水路にはナマズや鯉が体をくねらせる。幼稚園児だった子どもたちとパンくずをナマズにあげたり、田んぼのあぜ道を歩き小枝を田んぼに差し込み蛇を探しに行ったりしたことを思い出しました。 ああ、あの近くを小川さんも歩いたのかもしれない、と勝手に夢想した次第。 で、ちょうど大阪在住時、岡山へは月に一回は出張していたんです。 これまた岡山というのが何というかパンチのない明るい都会(ごめんなさい)で、地味な印象なのです。確かに良く晴れているけど。 名が売れる前の高橋大輔さんへの取材の様子が書かれていましたが、岡山の朗らかな土地で小川さんの才能が育まれたのかと勝手に感動。ちなみに岡山市の中心街はえらく一方通行が多かったことを思い出します。 ・・・ さてさて。本の内容で言うとですとね、作家さんですし当然ですが、連想力が半端ないです。 タイトルにもありますが、散歩の話が結構多い。散歩といえば、といって、散歩シーンの出てくる小説タイトルがポンポンと出てくる。「ノルウェイの森」とか「檸檬」とか。 散歩中に近所の中学の吹奏楽部が「ふるさと」を演奏しており自然に涙ぐんできてしまい、「ふるさと」といえば、「二十四の瞳」云々、とか。 作家さんですし、エッセーだからかもしれませんが、現実世界の驚きから、それを書籍の一シーンや場面に結び付ける連想力がすごい。 普段の生活ではきっと、話のオチとか流れとかとは全く離れた、ふと思って気づいてそれを喋っちゃう人なのかな、とか感じました。で、周りの人は??みたいな顔をしてしまう、みたいな笑 知らんけど。 旦那さんは、そういう性格の小川さんを暖かく見守るタイプなのかな、とか、かなり妄想じみた想像をしてしまいましたよ。 ・・・ そのほか、ハダカデバネズミに執着したり(その社会システムに驚き、気持ちを夢想したり)、過去読んだ本の思い違いに驚いたり、ペットのラブラドールのラブの話とか、ほっこりするストーリー多めです。 ・・・ ということで作家小川洋子さんのエッセイでありました。 作品の書き口とは一味もふた味もちがった作家本人のエッセイでした。 天然な方?なのかもしれませんね。逆に、この書きぶりを意図して書かれたとしたらかなりな悪女さんかもしれません。こういうちょっと抜けているかも?という女性のことは男性はけっこう好きなんじゃないかなあ。 改めてですが、小川さんの作品が好きな方にはお勧めできると思います。作品を読むのとは違った驚きが味わえると思います。
Posted by
ひとつひとつの話が短く、テーマも異なるのでちょっとした隙間時間で読むのにピッタリ。 ハダカデバネズミの女王社会や肉布団の話は面白く、ロバのイーヨーは一緒にため息をついて傍にいてくれるというのにはとても共感した。一緒にいて疲れない友達が1番だ。 ちらほら、チェスや、槍投げ、アンネの...
ひとつひとつの話が短く、テーマも異なるのでちょっとした隙間時間で読むのにピッタリ。 ハダカデバネズミの女王社会や肉布団の話は面白く、ロバのイーヨーは一緒にため息をついて傍にいてくれるというのにはとても共感した。一緒にいて疲れない友達が1番だ。 ちらほら、チェスや、槍投げ、アンネの日記に縁の人、など、過去の著作を彷彿とさせるところもあった。 「題名同士の思わぬ出会いを演出するためには、本棚は系統立てて整頓しない方が、かえっていいのではないかと思ってしまう。」p103 という、"背表紙たちの物語"が印象的だった。
Posted by
小川洋子先生ほどになると、毎日新聞でエッセイも連載するんだな… だからかもしれないけど、一般大衆向け小川洋子の顔って感じがした…気がする
Posted by
昔に猫を抱いて像と泳ぐを読んだ事があったけど、途中で挫折。きっとこの作家さんの作品は私には高尚過ぎるんだと思いそれから手に取る事はなかったのですが、フォローしている方が高評価だったのと、表紙とタイトルに惹かれてしかもエッセイなら…と読んでみました。エッセイだと作家さんが身近に感じ...
昔に猫を抱いて像と泳ぐを読んだ事があったけど、途中で挫折。きっとこの作家さんの作品は私には高尚過ぎるんだと思いそれから手に取る事はなかったのですが、フォローしている方が高評価だったのと、表紙とタイトルに惹かれてしかもエッセイなら…と読んでみました。エッセイだと作家さんが身近に感じて、自分と同じこと考えたり、悩んだりするんだなぁって改めて思えた作品でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小説を読んで勝手に想像していた小川洋子さんのイメージと少し違っていた。不器用で方向音痴で英語が話せないことにコンプレックスがあって…なんでもこなせそうな人物像を密かに作り上げていたので意外だった。ユーモアのある文章に何度か声を上げて笑ってしまった。小説だけでなく、エッセイの文章も好きだなぁ。 小説の中で登場人物たちが生きていると感じていたので、一生懸命に書くのではなく「一生懸命に聞く」と表現されているのはなんだか嬉しかった。 それと、本の話が非常に多いこと。読み込んでいらっしゃるのが伝わってきて、こちらも幸福な気持ちになった。
Posted by
本の中を散歩した 小川さんのエッセイはクスッとくることが多くて、文字を読む気にならない時も読めてしまう ラブちゃんが隙間に落ちたペットフードを食べようと舌を伸ばしていたからまだ大丈夫と思ったという感覚 よくわかる気がします。 小さいことに執着できるうちはまだ大丈夫な気がする 相変...
本の中を散歩した 小川さんのエッセイはクスッとくることが多くて、文字を読む気にならない時も読めてしまう ラブちゃんが隙間に落ちたペットフードを食べようと舌を伸ばしていたからまだ大丈夫と思ったという感覚 よくわかる気がします。 小さいことに執着できるうちはまだ大丈夫な気がする 相変わらずほっこりするエッセイでした
Posted by