星が原あおまんじゅうの森(5) の商品レビュー
野分の寂しさを分かち合えた時、きっと全てのものが救われたんだと思う。素敵な物語でした、本当にありがとう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
何度読み返してもボロボロ泣いてしまいます。 二人が帰ってきた森に待っててくれたのは精霊たちで、ボタンくんがここにいるのはきっとカラスくんはもういないからなんだろうな…とか、そんなことも考えてしまったりして。 でも大好きなお母さんより森を選んで待ち続けたキイくんと会えてよかった。(めっちゃ長生き…)もう話は出来ないのかもしれないけど…
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森を守る一族の一人に生まれた男の子(蒼一)と、風(科子)の物語である。そもそも存在する次元が異なる二人。蒼一は科子が訪ねてくれるのを待つ、と言う事で人間界からはみ出してしまう。科子も蒼一に会いたいと思ってしまった為に同族である野分の孤独に気付かなかった。 岩岡ヒサエ作品は絵柄のタ...
森を守る一族の一人に生まれた男の子(蒼一)と、風(科子)の物語である。そもそも存在する次元が異なる二人。蒼一は科子が訪ねてくれるのを待つ、と言う事で人間界からはみ出してしまう。科子も蒼一に会いたいと思ってしまった為に同族である野分の孤独に気付かなかった。 岩岡ヒサエ作品は絵柄のタッチの印象が強く、ほんわかしたファンタジー色だけで語られている様に見えるが、反対に絵のシンプルな丁寧さに呼応し、エゴがむき出しのまま描かれている。独善的な想いが「在り」、それが誰かと関わる事、原色(他に冒されてないそのまんまの姿)に「白)が混じってパステルカラーになる、その時に優しさや癒しやほんわかしたものが生まれるが、それまでは原色に原色を塗り固めたり、原色に黒が混じってひたすら黒に近付いて行く…そう言う怖さも描かれている。 一口に言ってしまうと、ファンタジーおとぎ話だ。想いが全て尊い訳ではなく、時に悪いものを呼び寄せてしまう事もある。蒼一と科子が互いを離れがたいモノと思い続けた為に言霊のように何かが宿り、森に凝縮させてしまったとも取れる。しかし最後に蒼一はその自分の想いよりも自分と同じ様に孤独を抱えて凝り固まっていたモノに寄り添う事を選んだ。だからこそ、何の効力もなかったスタンプカードにも想いが宿っていたのだ。 想う事は怖さもはらんでいる。だが、想い続ける事で叶う事もある…
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