神々と戦士たち(Ⅰ) の商品レビュー
3,500年前の古代ギリシアを背景とした壮大な歴史冒険ファンタジー。「よそ者」とさげすまれながら暮らす12歳の少年ヒュラスが、「よそ者狩り」を行うカラス族の戦士たちから逃亡していく。 神々の存在を信じる人々の振る舞いや、当時の暮らしの様子、険しくも自然豊かな野山や洞窟、海辺で知...
3,500年前の古代ギリシアを背景とした壮大な歴史冒険ファンタジー。「よそ者」とさげすまれながら暮らす12歳の少年ヒュラスが、「よそ者狩り」を行うカラス族の戦士たちから逃亡していく。 神々の存在を信じる人々の振る舞いや、当時の暮らしの様子、険しくも自然豊かな野山や洞窟、海辺で知恵を尽くして生き抜いていくヒュラスたちの姿が鮮やかに思い描けるように書かれている。 現代の子が読めばファンタジーのように感じられるかもしれないけど、当時生きていた人にとってはとてもリアルな世界だったんだろうな。大昔の人の目と心で世界を捉えている感覚になれる。 最初から最後まで、不思議とスリルで読み手を惹きつける。加えて、立場や生育環境の違う3人の子どもたちが、信頼の芽生え、揺らぎ、深まりを感じていく心の機微を描いていて、友情の物語としてもすばらしい。言葉を介さずとも分かり合えるようなイルカとの心の交流も魅力的。 オオカミ族の少年を勧めた5年生の女の子が完読後、次にこのシリーズを読み始め、「先生、これも絶対読んで」と勧めてきたので読んでみた。とても読み応えのある作品だった。 現代の子どもたちの生活とはかけ離れた信仰、暮らしの様子や、少年と少女の絆の深まり、動物との不思議な交流と、オオカミ族の少年とも共通点が多く、オオカミ族が好きな子はこのシリーズもきっと好きになりそう。 ただ、石器時代と青銅器時代を背景にしているところも違うし、キャラクターも全然違う。2つのシリーズの違いを見つけながら読んでいくと楽しそう。
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今から3500年くらい前の青銅器時代のギリシアを舞台にしたファンタジー。 よそ者として集落の外でヤギを飼っていた少年ヒュラスは、ある日青銅の鎧を見にまとい灰を顔に塗った男たちに襲われる。命からがら逃げたヒュラスはひょんなことから青銅の短剣を手にすることになるのだった。その短剣に秘...
今から3500年くらい前の青銅器時代のギリシアを舞台にしたファンタジー。 よそ者として集落の外でヤギを飼っていた少年ヒュラスは、ある日青銅の鎧を見にまとい灰を顔に塗った男たちに襲われる。命からがら逃げたヒュラスはひょんなことから青銅の短剣を手にすることになるのだった。その短剣に秘められた運命も知らずに。 作者ミシェル・ペイヴァーの前作『クロニクル千古の闇』でもそうでしたが、ファンタジーとしての要素はあるものの、その時代に生きる人たちが見ている世界そのものなのではないかと思わされるのです。 その時代の人々が持つ自然に対する畏怖、それを元にした神への敬虔な想い。それらが現代の我々から見るとファンタジーとして映るのではないか。そのように思わされるのです。生きる人々の衣食住や宗教心や自然に対する気持ちが克明に描写されているからこそ、ごく自然とファンタジー要素もそのようなものだと読むことができるのです。 何故追われるのかもわからず逃げるヒュラス。辿り着いた島で出会う大巫女の娘ピラとの奇妙な関係。助けてくれて心を通じ合わせるイルカのスピリット。追いかけて来た灰色の男たちの中にいた親友。様々な想いに巻き込まれながら、ヒュラスは生きるために前に進む。
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よそ者として蔑まれながら、ヤギ飼いをし山に住む少年・ヒュラス。 ある日、妹のイシとヤギ飼いの仕事をしていると、カラス族という黒ずくめの戦士たちに襲われる。 ヒュラスは傷を負いながらも逃げおおせたが
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正直、絵に惹かれて読んだ。 神々とは言うけど、実際には人の話。 みに見えないもの、人間の力の及ばないものを神として崇めて生きている人々。 少年が、カラス族に追われながら、様々な人と出会う。 青銅の短剣は取られてしまった。今後、それを取り戻すことと、妹探しに出るのかな。 勇気を出してここぞと言う時のフュラスのかっこよさ。弱さの中のかっこよさに心惹かれた。 イルカもかわいい。文明が開かれていない時代。開かれてないけど、人はみな日々考え悩んで苦しんで生きていたんだな。世界観もナイス!次も読もう。
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3500年前の青銅期の古代ギリシア。リュコニアの森に妹と二人で暮らす「よそ者」の12歳の少年ヒュラスは、ある日突然黒い戦士たちに襲われ、飼い犬を殺され妹ともはぐれた。逃亡の中、墓に隠れた折、死を待つケフティウ人から青銅の短剣を渡され、彼はヒュラスに海に行くと告げて息絶えた。その短...
3500年前の青銅期の古代ギリシア。リュコニアの森に妹と二人で暮らす「よそ者」の12歳の少年ヒュラスは、ある日突然黒い戦士たちに襲われ、飼い犬を殺され妹ともはぐれた。逃亡の中、墓に隠れた折、死を待つケフティウ人から青銅の短剣を渡され、彼はヒュラスに海に行くと告げて息絶えた。その短剣こそ、カラス族と呼ばれる黒い戦士たちの力の源で、彼らはそれがある限り無敵と言われていたが、「よそ者がその短剣を振るうときコロノス一族は滅びる」とのお告げも出ていた。その「よそ者」がヒュラスではないかと疑うカラス族は、彼を殺すべく追いつめていく。イシを探すこともできぬまま彼は運命の渦に巻き込まれていく。 神々や精霊が人々に影響を与えていた時代、自らの運命を拓くべく奮闘する少年と少女、支える動物たちの姿を描くアドベンチャーファンタジー。 *******ここからはネタバレ******* 「クロニクル 千古の闇」の作者らしく、しっかりした時代考証に安心して物語の世界に浸れる。 ただ神々の裁量が大きすぎるので、物語が都合よく展開しすぎ、興醒めになる点も多々あった。 また、ヒュラスの元親友テラモンの変容の理由や、テラモンの父が一族の中でどのような立場だったのかも最後まで明かされず残念。 さらに、ヒュラスに短剣を渡したケフティウ人が、カラス族にとってどのような存在であったのか、どうして短剣を盗んだのか、これも最後まで不明で、未消化感が残る。 中学生以上とされているが、高学年で十分いけます。
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青銅器時代のギリシアが舞台。孤児の12歳少年ヒュラスと妹イシ、族長の息子テラモン、巫女の娘ピラ、イルカのスピリット、様々な登場人物たちが、”力の短剣”をめぐり繰り広げる冒険。 謎あり、友情あり、戦いあり…で、面白く、あっという間に読み終わった。ジャンルはファンタジー。続きがある...
青銅器時代のギリシアが舞台。孤児の12歳少年ヒュラスと妹イシ、族長の息子テラモン、巫女の娘ピラ、イルカのスピリット、様々な登場人物たちが、”力の短剣”をめぐり繰り広げる冒険。 謎あり、友情あり、戦いあり…で、面白く、あっという間に読み終わった。ジャンルはファンタジー。続きがあるそうなので読みたいです。 表紙のイラストがあんまりなぁ。もっと重厚な感じだったらかっこいいのになぁ。
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いいです!ドキドキワクワクの大冒険~~って感じ。 千古の闇同様、突如少年に襲いかかる災厄。 なにがなんだか分からないままに進む少年に次から次へと 試練が。 もう、がんばれーがんばれーっと応援するしかできない。 追われる少年とともに山から海へと舞台は変わり、 めっちゃかわいいイルカや、強気な少女も登場。 おもしろいだろうとは思っていましたが、 期待違わず、続きも絶対読みたいシリーズの誕生。 海外歴史ものってゆーとサトクリフとかが好きですが、 この方の書かれるものも、登場人物たちがとても生き生きとしていて、ほんっと大好きだーっと改めて思う。 スピリッツ目線の語りが、また、かわいくてかわいくて。 舞台はまた変わるのでしょうが、是非また会いたいものです。
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