がんの痛みからの解放 の商品レビュー

世界保健機関(編者),武田文和(訳者)

2019/05/20

著者によると、医療を学びたての学生のための入門書だというが、最低限、がんの痛みに関して簡単に理解できる易しい医学書だと感じた。ただし医療従事者視点であるため、実際に読者ががんに罹患していたり周囲に当事者がいてケアを目指したりする場合にはおすすめできない。罹患前に知識が欲しい、医学専攻ではないが軽く学びたい等の場合には役立つ一冊であろう。

主にモルヒネ等の鎮痛薬に焦点を当て、がんの痛みの概要（どんな種類があるか）、治療の方法や原則、薬の使用方法・容量等の特徴、そして鎮痛薬に関する法律の現況（ただし新しいものではないので注意）を、図表を用いて解説している。ページ数が少なく、項目も明確に分かれているためスキマ時間に斜め読みできるのも初心者向け。