ネアンデルタール人は私たちと交配した の商品レビュー
ノーベル賞も受賞されたスワンテぺーボ博士の自伝である。 古代DNAの解析に取り組み、進化のミステリーに挑み続けた歴史がわかる。 最新のDNAシーケンスの技術は常に取り入れているものの、科学的に難しいアプローチはほとんどなく、ただひたすらに内在性のピュアなDNAを抽出しシーケンスし...
ノーベル賞も受賞されたスワンテぺーボ博士の自伝である。 古代DNAの解析に取り組み、進化のミステリーに挑み続けた歴史がわかる。 最新のDNAシーケンスの技術は常に取り入れているものの、科学的に難しいアプローチはほとんどなく、ただひたすらに内在性のピュアなDNAを抽出しシーケンスし、私たちの祖先とネアンデルタール人との関係を紐解く情熱には心打たれる。 真摯さ、謙虚さ、大胆さ、ユニークさ、超一流の科学者の心の動きや思考力などを垣間見える素晴らしい一冊だった。
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ネアンデルタールが現世人類と交配した。少し前なら、ジュラシックパークなみの眉唾ものでした。 この本は、読みやすく分かりやすかったです。訳文もこなれて良いです。面白かったです。
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分子遺伝学、古人類学。 2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したSvante Paaboの著作。 現生人類の遺伝子の中にはネアンデルタール人由来の領域が含まれていることを発見した。 極めて緻密な実験設計、衛生管理により実現。 バイセクシャルらしい。 なんとも興味深い本だった...
分子遺伝学、古人類学。 2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したSvante Paaboの著作。 現生人類の遺伝子の中にはネアンデルタール人由来の領域が含まれていることを発見した。 極めて緻密な実験設計、衛生管理により実現。 バイセクシャルらしい。 なんとも興味深い本だった。
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なかなか専門的な内容が多く、難しいところもありましたが 面白いと思いました。科学者という人の思考パターンや 気質がよくわかった感じがします。 そういえば、日本の恐竜学において、恐竜のDNAを 抽出(有機物?)できるかもといった 記事を見たことを覚えているのですが(多分NHKかな...
なかなか専門的な内容が多く、難しいところもありましたが 面白いと思いました。科学者という人の思考パターンや 気質がよくわかった感じがします。 そういえば、日本の恐竜学において、恐竜のDNAを 抽出(有機物?)できるかもといった 記事を見たことを覚えているのですが(多分NHKかな) あれは、結局どうなったんだろうと思いました。
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ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。 そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思...
ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。 そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思います。 興味深かったのは、ペーポ博士が元々はエジプトのミイラの研究をしたいと思っていた点です。同じく研究していた医学とそれを組み合わせたことから、このDNAをめぐる大きな研究が始まったともいえます。 多分野に興味を持つと、往々にして「どれか一つにしておきなさい」と言われることがあります(本文中のペーボ博士もそうです)。けれど、この本を読んで好きなものはいくつあってもいいのかなと思いました。 好きなものはいくつあってもいい。 いつかそれらは複雑に絡み合って、あなたを見たことも想像したことさえもないところへ連れて行ってくれる。 研究についての内容もとても興味深かったですが、時々差し込まれるプライベートな出来事(恋人がヨーロッパに居るからヨーロッパの研究所のポストを探すとか、友達の研究者とうっかり三角関係?になるとか)も面白かった。立派な博士と自分たちの間に地続きの人間味を感じるエピソードでした。 この分野はこれからも物凄いスピードで発展していく分野だと思うので、今後の発見にも期待です。
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DNA解析の歴史でもある。 むずかしいことははぶいてある。 一気によんだ。 日本の考古学が他の学問、大学同様、権威主義で、さらに捏造事件で地に落ちたことと対象的に、科学的に進められている。 科学、医学、工学を目指す中学生に読んで貰いたい。
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生物をバックグラウンドに持っていないと難しいかもしれない。生物基礎レベルがあれば読めるが、実験レベルの知識はないと結構読むのむずいかも。 PCR黎明期なだけあってそっち方面の苦しみが多く描かれている。PCRは簡単じゃねえんだよワイドショー! そしてさり気なく作者に暗い影を落と...
生物をバックグラウンドに持っていないと難しいかもしれない。生物基礎レベルがあれば読めるが、実験レベルの知識はないと結構読むのむずいかも。 PCR黎明期なだけあってそっち方面の苦しみが多く描かれている。PCRは簡単じゃねえんだよワイドショー! そしてさり気なく作者に暗い影を落とす東西冷戦。スウェーデンは第三世界にあったおかげでなんとかなっているけど、これ作者が西側出身なら絶対できず諦めるしかなかった内容だよなあ。 ネアンデルタール人と現代人の差の研究は面白い。ミトコンドリアが母系遺伝である以上、ミトコンドリアイブのものを受け継いでいるはずだが、当時(20年前程度)の技術は現代と比べると未熟なのでなかなかPCRとかうまく行かない。本文数行で結果のみ書かれている実験にどれだけの苦労が詰まっていたかを想像してめまいがする。 ネアンデルタール人のゲノム計画、500万ドルを電話で相談したところ、2日で500万ユーロ揃えるマックス・プランク研究所かっこよすぎ。 一番面白い点が、科学者が七転八倒する様子が一応描かれている点だ。他の科学の本だと、「こう考えて仮設を立て、実験をこうして結果はこうだった」とかんたんに述べていることが多いと思うが、実際には基礎検討とか地味な部分がクッッソ辛い。そこを、実験にかけた時間の形で述べているのは非常に好感が持てた。 シーケンスサービスはイルミナじゃないのかって思ってたら、454社がロシュに買収されたからイルミナに変えてて「やはりか」と。 ネアンデルタール人と人間、類人猿と人間を分ける仕組み! なぜネアンデルタール人や類人猿には人間のような豊富なコミュニケーション能力や真似する力がないのか。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが別れてからのゲノムの変異で考える!面白そうだけども、類人猿と人間のゲノムがほぼ変わらん以上、多分エピゲノムレベルなんじゃないかなあ?
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子供と一緒に読んだ。ちょうどTVにも出ていたりして興味を持ったようだ。本は非常に面白い話だったけど、自分のことそんなに書いてしまって良いのだろうかと思わないでもなかった。
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分子生物学を古代DNAに適用したパイオニアが書いた自伝的な本。古代DNAと言ってもネアンデルタール人みたいに数十万年前のものまで。それより古いとDNAは失われてしまっているそうだ。恐竜のDNAを復元したなんてニュースも昔あったが、それはとんでもない誤りだったそうで。そういった試行...
分子生物学を古代DNAに適用したパイオニアが書いた自伝的な本。古代DNAと言ってもネアンデルタール人みたいに数十万年前のものまで。それより古いとDNAは失われてしまっているそうだ。恐竜のDNAを復元したなんてニュースも昔あったが、それはとんでもない誤りだったそうで。そういった試行錯誤も込みでの科学の現場が描かれていて読み物として楽しめるし、分子生物学の知見や古代のDNAを復元するむずかしさについても興味深い。 ただ理論的なところについては、半分わかったものの半分はハラに落ちなかった感じ。PCR法の説明なんかも昔読んだ福岡伸一の本のほうが分かりやすかったので、引っ張り出して復習してしまった。時節柄、PCR法と言われると反応してしまいますしね。感度の高さ故、コンタミに気をつけなければならない手法であることを再認識。 分子生物学の手法についてのくだりを読んでいて痛感するのは、生物学もコンピューターサイエンスになりつつあること。生けるものは皆、4文字を組み合わせたコードでプログラムされた存在なのである。ナチュラリスト的な昔気質の古生物学に対する、著者のなかば憐れむような視線にはほろ苦さも感じる。 本書でも触れられているが、23andMeはサービスの中でどれくらいネアンデルタール由来の遺伝子を持っているか教えてくれる。ワタクシは23andMeのカスタマーの中では上位2%に入るらしい。だからどうしたという訳でもないが。ただ現生人類がネアンデルタール人と交配したのは出アフリカの後らしいので、アフリカ人にはネアンデルタール由来の遺伝子は見つかりにくい。ここらへんは色々センシティブになりうるので、著者もちょっと気を使っている様子がある。
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とてもおもしろく、一気に読んでしまった。そもそも読んだきっかけは、ResearchatというPodcastでおすすめ本として紹介されていたからだ。気軽に読み始めたのに本当に惹き込まれてしまい、ページを捲る手もわくわくも止まらなかった。「ネアンデルタール人は私達と交配した」というこ...
とてもおもしろく、一気に読んでしまった。そもそも読んだきっかけは、ResearchatというPodcastでおすすめ本として紹介されていたからだ。気軽に読み始めたのに本当に惹き込まれてしまい、ページを捲る手もわくわくも止まらなかった。「ネアンデルタール人は私達と交配した」ということは教科書やニュースで聞いており、更にアフリカを起源として人類がどう世界に発展してきたかも既に現在図説などでは当然の知識として載っている。その当然のものがどのようにして明らかになったのかと問われた時、「DNAを比べたから」という非常に簡潔な言葉一つで普通は終わり、そこにあまり感動もなければ驚きもない。しかし実際そこに行き着くまでのストーリー、人々の展開した論理、試行、努力、交渉…立ちはだかる「DNA」という物質の物性…それらが非常に事細かに語られたこの本は、「ネアンデルタール人は私達と交配した」という事実が明らかになったことがどれだけ奇跡的で、どれだけの知と血が注ぎ込まれた故の結果で、どれだけ衝撃的なものだったのか、というのを絶対に他では感じられないほどエキサイティングに教えてくれる。また研究という世界が如何なるものか-どれだけ競争的で、どれだけ不確かさの入り乱れたものなのか-というのも伝わってくる。「ネアンデルタール人は私達と交配した」ということで知識を終わらせなくて本当に良かった、とこの本を読んだ今心から思う。
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