昭和特撮文化概論 ヒーローたちの戦いは報われたか の商品レビュー
大仰な書名の割には、ほとんどが「感想文」で「分析」になっていない。創作物がその時代の社会状況を反映しているのは当たり前で、単にその反映の事実を指摘するだけならば誰でもできる。問題はそれが作り手の思考や制作プロセスに即して、どのような回路・経路で形成されたか、さらにそうして作られ...
大仰な書名の割には、ほとんどが「感想文」で「分析」になっていない。創作物がその時代の社会状況を反映しているのは当たり前で、単にその反映の事実を指摘するだけならば誰でもできる。問題はそれが作り手の思考や制作プロセスに即して、どのような回路・経路で形成されたか、さらにそうして作られた作品が観る者にどう跳ね返ったのかを明らかにしなければ、とても「論」とは言えない。俗流日本文化論的な枠組も疑問。格別の特撮ファンでない者でも知っているような(「ウィキペディア」レベルの)エピソードの羅列で、これならばむしろ作品紹介のガイドブックに徹した方が良かったのではないだろうか。第11章の「スーツアクターの矜持」だけは、一般に軽視されている問題をクローズアップした点で意義がある。
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【由来】 ・GoogleAlertの特撮で 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館で見つけて面白そうだったので読んでみた本。私が求めていたものとはちょっと違った。作品紹介が大部分を占めていて、各時代との関連の分析まではあまり踏み込めていない印象。 例えば、悪のヒーローの項目で、“時代の何が「悪のヒーロー」を求めるのか”という題に対して“答えはまだ見えない”と述べていて、いやいやそこに対しての著者の意見が知りたいんだよ!とモヤモヤされられるような場面が多々ある。 ただ、ヒーロー作品の総まとめとしては面白いと思うので、この書籍を土台として今後より分析が進んでいくことを期待したい。
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月光仮面からデカレンジャー 楽しい。どれもオープニングが耳に蘇る。よく調べてるなって感じで最後まで読める。この手は写真がないとインパクトが弱いのだが、本書はそう感じなかったな。Web片手に楽しく読めた。
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昭和の特撮ヒーロー時代の初期にびったり 世代的にあっているのですが。実は ほとんどリアルでは見ていないのです。 仮面ライダーは、四国の高松では放映されておらず。 親が厳しく、テレビをあまり見せてもらえなかった ことを覚えています。でも、仮面ライダーは父母の実家 の大阪に帰省した時...
昭和の特撮ヒーロー時代の初期にびったり 世代的にあっているのですが。実は ほとんどリアルでは見ていないのです。 仮面ライダーは、四国の高松では放映されておらず。 親が厳しく、テレビをあまり見せてもらえなかった ことを覚えています。でも、仮面ライダーは父母の実家 の大阪に帰省した時に見ていたこと。ウルトラマン。 ミラーマン。キカイダー・ハカイダーなどは どこかで見ていたのだろうと思います。なんとなく 覚えています。 子どもが小さい時に仮面ライダー・戦隊もの・それ 以外のヒーローものはよく見ました。 仮面ライダー電王などは、子ども本人よりも、 楽しんで見ていたと思います。 おもちゃもいっぱい買わされました。
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日本特撮党党首、われらが美潮さまの渾身の一作。腰巻きに寄せられてる昭和トリプルライダーと水木アニキからの推薦文。表紙を開く前にいきなり豪華すぎる。 イケメンについて書いてあるのかしらん、なんて思うと思い切り返り討ちに遭います。硬派!初期の特撮作品に関する記述がすごいボリューム。...
日本特撮党党首、われらが美潮さまの渾身の一作。腰巻きに寄せられてる昭和トリプルライダーと水木アニキからの推薦文。表紙を開く前にいきなり豪華すぎる。 イケメンについて書いてあるのかしらん、なんて思うと思い切り返り討ちに遭います。硬派!初期の特撮作品に関する記述がすごいボリューム。川内康範先生の3部作についてとか、個人的に待ちわびた論考も満載でした(実はこれらの作品群がかなり好きだったんだけど周りにあまり共有できる人がおらず…)。 ライダー、ウルトラについては他にも詳しいだけならたくさんの本が出てるわけだけど、それらにとどまらない石ノ森ヒーローや巨大ヒーロー、カルトヒーローたち(ズバットはこの枠)についても頁が割いてある、特撮ラバーには嬉しい内容がいっぱいで物足りなさは感じなかった。 また、個人的にはスーツアクターさんについての章が非常に“痒いところに手が届く“もので、いっそのこと美潮さんに次はスーアク論を分厚いボリュームでお願いしたい!と思った。 昭和世代の私たちには最近のスポンサー縛りがきつすぎる中での作品づくりについて、状況に理解はできつつも何とももどかしい思いがあると思うのだけれど、そこは著者も思いを強くするところなのだろう。愛情は抱きつつ(愛するがゆえに)苦言を呈さずにはいられないつらさが滲み出ているように感じた。 個人的に思うところがまったくないわけではないのだけど、そこは単に好みや思い入れの問題であって言い出すとキリがない。それより、これだけの労作をものした著者に敬意を表する思いで☆5です。 追記:最近の作品は自主規制もあってか人が死ぬシーンを見せない、という表記があったように思うが、たとえば最近の平成ライダーでは「鎧武」など物語上表現される“人の死“についてきちんと描かれていたことは記しておきたい。
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