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母性 の商品レビュー

3.7

1116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    180

  2. 4つ

    442

  3. 3つ

    334

  4. 2つ

    60

  5. 1つ

    13

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2015/09/19

母でない私は、母性というものを漠然と、女性が本能として持ち合わせた我が子に対して抱く慈しみの気持ちだと捉えていました。 けれど母親は、母である前に娘であること。人生の過程から理想の母親像、母親とはこういうもので娘とはこういうもの、という親子像を自分自身だけでなく娘にも無意識に求め...

母でない私は、母性というものを漠然と、女性が本能として持ち合わせた我が子に対して抱く慈しみの気持ちだと捉えていました。 けれど母親は、母である前に娘であること。人生の過程から理想の母親像、母親とはこういうもので娘とはこういうもの、という親子像を自分自身だけでなく娘にも無意識に求めてしまっているのかもしれません。 自分の母親はどういう母親だったのか、私は母にとってどういう娘だったのかと大人になった今、考えることがあります。母娘は一番身近な女同士。離婚すれば他人になれる夫婦以上に当事者しか分からないすごく複雑なナイーブな関係であることも。 お互いの立ち位置も距離も、時間の経過と共に変わりゆくもので、ほんの微妙に違うだけでも母娘関係って変わるのだと。 もし私がが母になり娘を産んで母娘関係に戸惑うことがあった時にまた読み返したい一冊。

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2015/09/18

母であるとは何か。良い母とは何か。 子供を産めば誰でも簡単にその日から母になるのだと思っていたけれど、中にはなれない人もいるというのは、そう言われてみれば当然のことだと思った。 母か子供か。まだ子供を産んだことのない私にはこの選択はとても難しい。 子供をもったあとにまた読んでみた...

母であるとは何か。良い母とは何か。 子供を産めば誰でも簡単にその日から母になるのだと思っていたけれど、中にはなれない人もいるというのは、そう言われてみれば当然のことだと思った。 母か子供か。まだ子供を産んだことのない私にはこの選択はとても難しい。 子供をもったあとにまた読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2015/09/16

読後感はどうかと尋ねられたら、少し疲れてしまったと答えるような気がする。重かった。 まず自分の娘が生まれた後もなお、自分の母親に強く依存し続けるさやかの母親の姿に背中がゾクゾクした。 特に、下敷きになった自分の母親を助け出したいがために「子供なんてまた産めばいい」などと言い放った...

読後感はどうかと尋ねられたら、少し疲れてしまったと答えるような気がする。重かった。 まず自分の娘が生まれた後もなお、自分の母親に強く依存し続けるさやかの母親の姿に背中がゾクゾクした。 特に、下敷きになった自分の母親を助け出したいがために「子供なんてまた産めばいい」などと言い放った部分は読みながら震えてしまった。その震えが怒りなのか、ただただ気持ち悪かったのかわからぬが。 しかし、かくいう私も周りの人に気に入られるようにしていれば生きやすいなどとつい最近まで思っていたからさやかの母親を責めることはできない。 まだ、湊かなえの作品は少ししか読んでいないので他の作品も読んでみたい。興味深い。

Posted byブクログ

2015/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「母性」 まずこのタイトルに惹かれる。母子の物語なのだろうと直ぐに思う。 だが帯にあるのは「事故か、自殺か、殺人か」という物騒な文言。 それはそれは内容が気になってしまう。 物語中、「母」は必ず娘に自分のことを「ママ」と呼ばせている。 なぜ「お母さん」と呼ばせないのか。 そこには娘に対する嫉妬の感情を感じてしまう。 まるでこの世で「お母さん」は一人でいいのだ、と言わんばかりだ。 だが母は全く愛情のない、冷酷な人物ではない。 「お母さん」から無償の愛を受け、本人も人を愛し慈しむ感情を持っている。 だがその愛があまりに「お母さん」に執着しすぎており、 全ての状況判断が「お母さんが喜ぶにはどうしたらいいか」に寄ってしまっていた。 この愛のねじれと不幸な事故が母娘に不協和音を生じさせてしまう。 筆者はこの母の母性を否定していない。(と思う) なぜなら「自分が求めたものを我が子に捧げたいと思う気持ち」を彼女は持ち合わせていたから。 ただ最後お母さんの死の真相が明らかになるシーンでは完全にその母性が別の感情に上塗りされてしまったような行動をとってしまっていたけれど。 最後の解説の言葉を借りる。 「信用できない語り手」によって読み手の想像が書き換えられていく過程も、とてもぞくぞくした。

Posted byブクログ

2015/09/14

友だちに借りた本。告白は映画で見たきがするけど、初 湊かなえさんの小説!! なんか残酷な話が多いイメージだったんだけど、 そしてこの話もまあ残酷と言えば残酷なんだけど、 なんかとても共感できるとこもあり、 カフェで読んでたのに号泣しました。(笑) 愛されたい欲って、ものすごいで...

友だちに借りた本。告白は映画で見たきがするけど、初 湊かなえさんの小説!! なんか残酷な話が多いイメージだったんだけど、 そしてこの話もまあ残酷と言えば残酷なんだけど、 なんかとても共感できるとこもあり、 カフェで読んでたのに号泣しました。(笑) 愛されたい欲って、ものすごいですよね。 たくさん愛してもらえた人は人のことを愛せるようになるんだろうなぁと思いました。 愛されたいのに愛してもらえなかった人は、攻撃的になったり、弱かったり、歪んでたり、卑屈になったり、、、 子どもを愛せない親の中には、自分もまた親から愛してもらえなかった人がいると思うんですけど、そういうのってとても不幸だなぁと思いました/^o^\ みんなが他人にたいして愛情を持てて、優しく接することができたら、悲しい事件はおこらなくなるのかなぁと思います。。。( .. )

Posted byブクログ

2015/09/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作者おとくいのモノローグで話が進む話であるが、母娘双方で微妙に異なる同じ事件を語る進め方は新しい手法。同じことを違う立場で語る話が微妙に異なるため、この辺りに伏線が張られ、いつのものごとく最後にどんでん返しがあるのかと読む進むが、これはいつもとは違う。女ではない身では母性本能が標準装備なのか否かわかりかねるが、父性本能は母性本能ほど標準装備ではないので、そういうこともあるかと思う。最後は結構、普通なので、いつもの作者の読者を裏切る感じはないので、そういう作品を期待される方には評価は分かれるだろう。

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2015/09/13

あまりネタバレあるレビューは書きたくない派なんだけど、最後の最後で名前を出してくるところとか、りっちゃんの伏線とことか(気付かなかったけど)そういう引っぱり方は結構好き。ググったのに見つからなかったからあえてここで発信してみるけど、仁美さんはあのときに殺しちゃった感じ…よね?15...

あまりネタバレあるレビューは書きたくない派なんだけど、最後の最後で名前を出してくるところとか、りっちゃんの伏線とことか(気付かなかったけど)そういう引っぱり方は結構好き。ググったのに見つからなかったからあえてここで発信してみるけど、仁美さんはあのときに殺しちゃった感じ…よね?15年って、時効?この人の文章は気味が悪くて本当に疲れる。褒めてます。

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2015/09/07

何とも痛々しい小説。 的外れなレビューかも知れませんが、お母さんの存在とは良くも悪くも絶大なのだなと思いながら読んでいました。 どんなに酷い母親でも子供にとっては 『お母さん』なんだと。 ページ数はそれ程多いわけではないのに、 何だかグッタリとしてしまいました。

Posted byブクログ

2015/09/05

「母性について」の女性教師が何者か分かるのに相当時間がかかりました。 冒頭と最後で自殺場所と方法が違うのに気付かなかったらそのまま気づかず素通りしてしまうところでした…。別の意味で怖い。 湊かなえさんの本はこれが初めてです。ちょっとイライラさせられたけど、また何か読んでみたい。

Posted byブクログ

2015/09/02

「母性」って、 標準装備ではないのでしょうか。 ある女子高生の転落事故から 始まるミステリー。 ずっと 「良き娘」でいたい「母」と。 ずっと その「母」に愛されたかった「娘」。 二人が語る事実は、 親子なのに、恐ろしいほど 食いちがい。 なにが真実なのか。 物語にグイグイ引...

「母性」って、 標準装備ではないのでしょうか。 ある女子高生の転落事故から 始まるミステリー。 ずっと 「良き娘」でいたい「母」と。 ずっと その「母」に愛されたかった「娘」。 二人が語る事実は、 親子なのに、恐ろしいほど 食いちがい。 なにが真実なのか。 物語にグイグイ引きこまれます。 全てが明かされた時、 救われたような、救われてないような。 語る人も、それぞれ なら、 捉え方も、それぞれ かも。

Posted byブクログ