その愛の程度 の商品レビュー
「暗転の七月」 助けてくれたのは。 突然の出来事で気が動転していたとしても、一番に駆けつけて欲しかったのは父親だったろうな。 「退転の八月」 一度離れて暮らす。 ここまで徹底されてしまうと対処しきれないが、距離を置くことによって何か変わるのだろうか。 「横転の九月」 決まって...
「暗転の七月」 助けてくれたのは。 突然の出来事で気が動転していたとしても、一番に駆けつけて欲しかったのは父親だったろうな。 「退転の八月」 一度離れて暮らす。 ここまで徹底されてしまうと対処しきれないが、距離を置くことによって何か変わるのだろうか。 「横転の九月」 決まっていたこと。 本当に何もないからこそ素直に全て話すのだろうが、いくらなんでも自分勝手すぎる理由だよな。 「空転の十月」 帰宅したらいない。 誰だって歳頃の男の子が親のいない間に連れ出したと知ったら、真っ先に疑ってしまうだろうな。 「好転の十一月」 幸せは人それぞれ。 はっきりと言うには躊躇する話題だが、皮肉を言った結果がこうなるとは誰も予想できないだろ。 「急転の十二月」 終わりを告げる為。 始まっていなかったのかもしれないが、何か行動していれば全く違う未来があったかもしれない。
Posted by
結婚とか恋愛がなんなのか少しわかった。 ・女を守りたい→何から? ・顔が好き→? ・化粧→なんですんの? ・そもそも好きとは? 普段から考えてたこういった疑問にこっちはこんな感じでした、って内容で参考になった。 ひとの言葉の裏読むばっかりで、普遍的な価値が絶対みたいな人間が、白...
結婚とか恋愛がなんなのか少しわかった。 ・女を守りたい→何から? ・顔が好き→? ・化粧→なんですんの? ・そもそも好きとは? 普段から考えてたこういった疑問にこっちはこんな感じでした、って内容で参考になった。 ひとの言葉の裏読むばっかりで、普遍的な価値が絶対みたいな人間が、白けた人間関係を捉え直ししてて楽しかった。
Posted by
結婚、離婚、そして愛。なかなかヘヴィなものを扱っているはずなのに、淡々としていて柔らかく、暗くも苦くもない。まさにチーズケーキのような話。チョコケーキやモンブランではなく。 でも、いろんな形の「愛」がテーマだから、後味は濃厚。淡々とした中に、すっと鋭いものを刺し込んでくる。それが...
結婚、離婚、そして愛。なかなかヘヴィなものを扱っているはずなのに、淡々としていて柔らかく、暗くも苦くもない。まさにチーズケーキのような話。チョコケーキやモンブランではなく。 でも、いろんな形の「愛」がテーマだから、後味は濃厚。淡々とした中に、すっと鋭いものを刺し込んでくる。それが小野寺さんの小説の好きなところ。
Posted by
豊永守彦 35 歳。穏やかで人当たりがよくまじめ。不器用だけれど誠実そうなので周囲からの好感度が高い男性です。 ただし、感情をストレートに表現するのが苦手で一歩引いて振る舞うため、好意を寄せてくれていた女性から見切りをつけられることが少なくありません。 積極的にアプローチ...
豊永守彦 35 歳。穏やかで人当たりがよくまじめ。不器用だけれど誠実そうなので周囲からの好感度が高い男性です。 ただし、感情をストレートに表現するのが苦手で一歩引いて振る舞うため、好意を寄せてくれていた女性から見切りをつけられることが少なくありません。 積極的にアプローチされて結婚した、バツイチ・子持ち・年上の妻からは離婚を切り出され、続いて接近してきたバツイチ・子持ちの女性も結局は守彦から離れていってしまいます。 それではダメだとわかってはいるのですが、改めることができません。人間とは学ばないものなのです。 対照的なタイプとして登場するのが会社の後輩の小池くんでした。彼がめでたく結婚するのが象徴的でもありました。 救いはラスト。その性格が顧客や上司からの信頼を集め、若くして人事課長昇進の内示が下ります。 守彦の人間としてのスタンスは、仕事相手と恋愛相手で評価が異なるということが興味深いところです。 守彦は一生このままなんだろうなと思いました。
Posted by
その程度の愛ではなく、その愛の程度なのね。うーむ。 他人の娘ってどんな感じ? 愛する人の娘なら自分の娘同様。なわけないか。でもさ、勘違いするってそれは問題。 こうなる運命だったのだよ。
Posted by
子連れの女性と結婚したあるサラリーマンの愛の形。 ・暗転の七月 ・退転の八月 ・横転の九月 ・空転の十月 ・好転の十一月 ・急転の十二月 昔バイトしていた喫茶店の年上の店長・成恵と再会し、結婚した豊永守彦。 成恵の連れ子・菜月や成恵が店長を務める喫茶店の店員...
子連れの女性と結婚したあるサラリーマンの愛の形。 ・暗転の七月 ・退転の八月 ・横転の九月 ・空転の十月 ・好転の十一月 ・急転の十二月 昔バイトしていた喫茶店の年上の店長・成恵と再会し、結婚した豊永守彦。 成恵の連れ子・菜月や成恵が店長を務める喫茶店の店員とともに川遊びに来ていたが、菜月と一緒に遊んでいた留衣の二人が川で溺れそうになる。 菜月を助けに行ったはずが留衣を助けてしまい、その後、菜月との関係が悪化し、成恵との関係も溝が深まるばかり。 サッパリした性格の成恵は新たなパートナーとの人生を模索し、守彦も前向きに女性と向き合うが、思うようにいかない。 正直者であるが不器用すぎるということもない性格の守彦が、自分に丁度いい愛の形を見つけていく。 なかなか微妙な心情を描いた作品。 愛はこうだ!と断定しない作者の表現が好き。
Posted by
小野寺史宜 著「その愛の程度」、2015.6発行。「その愛の程度」、いいタイトルだと思います。伴侶への愛、子供への愛、・・・そして自分への愛・・・、読みながら、自分の人生を振り返り、「その愛の程度」はどのぐらいだったんだろうと考えたり、これからの人生での在り方を考えさせてくれる作...
小野寺史宜 著「その愛の程度」、2015.6発行。「その愛の程度」、いいタイトルだと思います。伴侶への愛、子供への愛、・・・そして自分への愛・・・、読みながら、自分の人生を振り返り、「その愛の程度」はどのぐらいだったんだろうと考えたり、これからの人生での在り方を考えさせてくれる作品でした!
Posted by
バーベキュー河原で、血の繋がらない娘が溺れた。 父親として助けに飛び込んだものの、豊永が助けたのは、娘ではない方の女の子だった。 娘はその事で心を閉ざし、結果別居することに。 初読みの作家さん。 男性作家さんの割にはゆるい雰囲気が好みで、 主人公の温度の低い心情、流れる雰囲気が...
バーベキュー河原で、血の繋がらない娘が溺れた。 父親として助けに飛び込んだものの、豊永が助けたのは、娘ではない方の女の子だった。 娘はその事で心を閉ざし、結果別居することに。 初読みの作家さん。 男性作家さんの割にはゆるい雰囲気が好みで、 主人公の温度の低い心情、流れる雰囲気が好きでした。 成恵が、子供は二の次、自分中心な気がして好きになれませんでした。 だからといって結衣さんでもないと思うし、このままゆるゆると行く豊永がいいのにと思います。 小池くん、いいですね。身内にいたら困るけど(笑) 小池くん中心のストーリーを見てみたい気がします。
Posted by
妻の職場の親睦会で、川遊びをしていた子供2人が溺れた。慌てて助けた子供は自分の子供とは別の方の子供だった。幸い2人とも無事だったものの、そこから歯車が狂っていく。とんでもなく自己中心的な妻。やたらと思わせぶりな助けた子供の母親。そして何事にもドライすぎる豊永。イライラ、モヤモヤし...
妻の職場の親睦会で、川遊びをしていた子供2人が溺れた。慌てて助けた子供は自分の子供とは別の方の子供だった。幸い2人とも無事だったものの、そこから歯車が狂っていく。とんでもなく自己中心的な妻。やたらと思わせぶりな助けた子供の母親。そして何事にもドライすぎる豊永。イライラ、モヤモヤしながら読んだが、全体的には思ったより爽やかなのは、常にポジティブで天然キャラの小池のおかげか…「愛の程度」について、ついに学んだかに思われる豊永の今後の幸せを願う。
Posted by
「牛丼愛」「それは甘くないかなぁ、森くん。」と、小野寺史宜さんの本を読むのは3作目ですが、今回も物語として面白くて好きでした。なんてことないストーリーなのに次どうなるんだろうと気になって本が離せなくなり、読後心に残ります。自作も楽しみです。
Posted by
- 1
- 2