レズビアン短編小説集 新装版 の商品レビュー
自分としてはもう少し女性同士の関係にクローズアップした短編集だと思っていたが、同性愛が異性愛にうつり変わっていく過程、また異性愛を知ることを拒否した少女を隠喩した作品などが多かった。私のように濃密な同性愛を望んだ人には合わない作品だろう。
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ハーブキャンディみたいな1冊。甘さを抑えた大人テイストで、ほんのりと風味を味わうことができる。諸外国のレズビアンがどういう過程で人を好きになり、その愛を伝えるためにどういう表現をするのか知れたらなぁと思ったけど、どの話もなんだか色々と控えめだったように思う。泉のように溢れてくる愛...
ハーブキャンディみたいな1冊。甘さを抑えた大人テイストで、ほんのりと風味を味わうことができる。諸外国のレズビアンがどういう過程で人を好きになり、その愛を伝えるためにどういう表現をするのか知れたらなぁと思ったけど、どの話もなんだか色々と控えめだったように思う。泉のように溢れてくる愛情を抑えきれずに我を忘れて突っ走る激情型なわけでもなく、もやもやする思いを伝えられずに甘酸っぱく残した記憶を美化する純情型でもない、恋愛感情というよりも憧れや畏怖に近いのかもしれない。修道女がよく出てくるのもあるけど、宗教が生活のベースにあれば自ずとそうなるのか。甘美なテーマで甘美でない、大人な1冊でした。
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なんというか、孤独を愛する/成熟しない/変わり者/研ぎ澄まされ女子大集合、といった様相となっている。 マッカラーズが、(今まであまりそう感じたことがなかったのだけれど)意外と現代的に感じられた。
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同じく平凡社ライブラリーから刊行されている『ゲイ短編小説集』と対をなすのが本書、『レズビアン短編小説集』。長らく入手困難な状態が続いていたが、新装版として復刊された。 収録作家の中で馴染みがあるのはヴァージニア・ウルフ、イサク・ディーネセンの2人だろうか。他の作家は余り馴染みが無...
同じく平凡社ライブラリーから刊行されている『ゲイ短編小説集』と対をなすのが本書、『レズビアン短編小説集』。長らく入手困難な状態が続いていたが、新装版として復刊された。 収録作家の中で馴染みがあるのはヴァージニア・ウルフ、イサク・ディーネセンの2人だろうか。他の作家は余り馴染みが無い……と思われる。今の感覚で読むと『これってレズビアンか?』と首を傾げるものもあるが(これは「ゲイ短編小説集」にも言える)、テーマ性のある文学史上ではそう判断される……んだろうなぁ。学術的なことはよく解らない。ついでに言うと、男性同士であれ女性同士であれ、『同性愛文学』の定義もイマイチはっきりしていないような気もするw 誰かはっきりさせてくれないかw 前述のヴァージニア・ウルフ、イサク・ディーネセンの短編がやはり抜きん出ていると感じたが、その他で印象的だったのは『マーサの愛しい女主人』『ミス・オグルヴィの目覚め』。また、『女性同士』と聞いて想像されそうな、ロマンティックさ、リリカルさが殆ど感じられなかったのも面白い。
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