ジヴェルニーの食卓 の商品レビュー
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原田マハさんは不思議な人だ。得意分野なのか、本作品や「楽園のカンヴァス」など絵画を題材にしたものは文体も変わる。海外作品を読んでいるような気分になる。 絵画に疎い私でも知っている芸術家の物語。フィクションなのか。作中に出てくる絵画を見ながら読みたかったな。
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いままでも君は、成功しすぎることの危うさと、自信喪失の両方を何度も経験してきた。それは、君が勝者となるための条件だったとも言えるのではないか。 言うは易く、行うは難し。けれど、君は誰であろう、モネではないか。
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印象派の巨匠たちの物語。 巨匠なだけにその人柄や様々なエピソードについては多くの研究があり、誰でも目にすることができる。 そういう情報を集めて事実と食い違わないように食い違わないようにそろそろとつなげているだけなので、目新しい発見も大きな感動もない。 物語というよりは、巨匠好きな...
印象派の巨匠たちの物語。 巨匠なだけにその人柄や様々なエピソードについては多くの研究があり、誰でも目にすることができる。 そういう情報を集めて事実と食い違わないように食い違わないようにそろそろとつなげているだけなので、目新しい発見も大きな感動もない。 物語というよりは、巨匠好きな人の作った同人誌という感じ。 絵画の美しさを表現するための語彙はとても美しい。
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あらすじ(背表紙より) ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人...
あらすじ(背表紙より) ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。
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いろどり。理想。ひかり。印象派の絵のような短編集。小説だから仕方ないけけど、少し美化されているように感じた。絵の描写も、せっかく画家たちに近い周囲の人々の視点から描いているのだから、もう少し綿密な描写を期待していた。 けれども、画家たちに親しみがわき、美術館に行きたくなったのも事実。 これはこれでいいのかもしれない。 あと、表紙のデザインが好き。『睡蓮』いいなあ。
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マティス、ドガ、セザンヌ、モネの姿を、それぞれの近しい人を通じて描かれた短編。 作中に出てくる作品をその時々に見ながら読むと、より一層彼らの人生や生き方、作品への想いが溢れてくる。 フィクションかもしれないけれど、史実に基づいた想像って意外と真実だったり、、?と思ってしまうほど。...
マティス、ドガ、セザンヌ、モネの姿を、それぞれの近しい人を通じて描かれた短編。 作中に出てくる作品をその時々に見ながら読むと、より一層彼らの人生や生き方、作品への想いが溢れてくる。 フィクションかもしれないけれど、史実に基づいた想像って意外と真実だったり、、?と思ってしまうほど。 絵画を見るのは好きだけど、ほとんど知識のない私にとっては、どの短編も手の届かない「あの」芸術家たちとの触れ合いに、なんだかドキドキしてしまった。
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記憶の中に残り続ける限り その人は永久に生き続ける。 夢中でもがいた日々のことは 永久に慈しまれる。
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マティス、ドガ、セザンヌ、モネ、近代美術の巨匠たちの一面を傍らに佇む女性の目線で見せてくれる。彼女達の想いの中にいる巨匠たちを。彼らの描いた絵を見ながら読むのも面白い。
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家政婦マリアは、アンリ・マティスに美的センスを見込まれ、彼に仕えることとなる。マティスの寛大な性格や、彼と親しかったピカソとの関係も描かれた「うつくしい墓」 並外れた才能を持つ、アメリカ人女性画家メアリーは、ドガの万人には受け入れられ難く、多くの人々が眉をひそめたくなるような作風...
家政婦マリアは、アンリ・マティスに美的センスを見込まれ、彼に仕えることとなる。マティスの寛大な性格や、彼と親しかったピカソとの関係も描かれた「うつくしい墓」 並外れた才能を持つ、アメリカ人女性画家メアリーは、ドガの万人には受け入れられ難く、多くの人々が眉をひそめたくなるような作風に惹かれるが、若いバレリーナをなんの躊躇もなくモデルとし、消耗させていく様に違和感を覚える様子を描いた「エトワール」 駆け出しの画家の作品と引き換えに絵の具を気前よく提供する「タンギー爺さん」。セザンヌを始めとする画家たちとの関係を、タンギー爺さんの娘の視点から描かれている。 「ジヴェルニーの食卓」では、倒産した夫エルネストと別居することとなったアリスとその子供たちと、夫の元お得意様モネと間に芽生えていく愛情が描かれてる。 フィクションながらも、同じ印象派画家として芸術に新たな風を吹かせた4人の画家を巧みに描いたストーリー。
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美術関係者によるあとがきには マグノリアのマリアやブランシュを 芸術の犠牲であるかのように書いてある。 果たしてそうか。 かつて生贄として捧げられた家畜。 彼らは自ら望んで 神の祭壇にその身を横たえたわけではない。 マリアやブランシュ、タンギー爺さんらは 画家と画家が生み出す新しい芸術の光に その画家と同じ時代、しかも 画家と言葉を交わせる恵まれた中で 感応し、溺愛し、尊敬した。 自らがその素晴らしい芸術の光の 一部であることを心から望んだに違いない。 犠牲とは他者の意志による強制であり 他者の利益のために行われるもの。 彼らの行いは、自らの切望の果てにある。 キュレーター原田マハにしか書けないのである。 画家に関わる事実への正しく深い知識と そのことへの理解と敬意を持たぬ者には 美術史と小説の境界線を見定めることなど できるはずもない。 この小説に描かれたすべてのもの 時代を変えた画家たちを支えたすべての人が 私にはうらやましい。 芸術の光の中に生きることなど 望んでもできることではないのだ。 原田マハが芸術を小説で語るとき ほかの小説には決して見られない輝きを放つ。 酔わせてもらいました。 モネと共に豊かな食卓を囲んで飲む カルヴァドスの芳醇な香りに。
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