社会主義 の商品レビュー
1918年のオーストリア将校むけの講演。ウェバーの社会主義批判が展開されている。ウェーバーによれば、社会主義は生産理論ばかりに注目し、支配理論を閑却しており、そこに重大な問題があるということになる。近代国家を運営するには専門的に訓練された官僚が必要であり、その支配領域は政府のみに...
1918年のオーストリア将校むけの講演。ウェバーの社会主義批判が展開されている。ウェーバーによれば、社会主義は生産理論ばかりに注目し、支配理論を閑却しており、そこに重大な問題があるということになる。近代国家を運営するには専門的に訓練された官僚が必要であり、その支配領域は政府のみにとどまらない。株式会社を支配する大量のホワイトカラーも官僚的であり、プロレタリアートと袂を分かとうとする。また、『共産党宣言』の批判も展開され、結局、穏健な修正主義に至らざるをえないことが主張されている。文中にでてくる消費者による社会主義や、工業の規格化の話などは昨今の情勢を見合わせても示唆的である。しかし、官僚の腐敗については言及がない。この点については問題が残る。ほかの著作をよむ必要があるのであろう。
Posted by
昔読んだんだが...内容ぜんぜん覚えていません。社会主義、共産主義を第三者としてどう認識するかを考える上で大事な本かもしれない。
Posted by
- 1
- 2