イスラーム史のなかの奴隷 の商品レビュー
奴隷というとアメリカの事例くらいしか知らないから、それと比べて何が違って何が同じだったのか、よくわかりました。
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イスラム社会の奴隷の、少なくとも君主や有力者に購入された有能な者については、ある種の社会的地位を享受することが可能であり、そういう環境が整っていた。また、家計の管理や商売の補佐そのほか、主人の腹心としての役割を与えられた者、寵愛を得た女性、また、特殊な役割を任せられた宦官などは、...
イスラム社会の奴隷の、少なくとも君主や有力者に購入された有能な者については、ある種の社会的地位を享受することが可能であり、そういう環境が整っていた。また、家計の管理や商売の補佐そのほか、主人の腹心としての役割を与えられた者、寵愛を得た女性、また、特殊な役割を任せられた宦官などは、自由人に比して勝るとも劣らない生活を送ることが可能であった。少なくとも身分上は自由人と連続的につながっていたのである。奴隷は基本的には家の一員。ある種の子供として受け入れられた。奴隷としての扱いは穏やかであり、有能な者は引きたてられた。欧米とは異なる、イスラム社会の一般論としての奴隷の位置づけを考察しながらイスラムの社会の特性というものに少しなりとも触れられたかも。
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