さよなら、ニルヴァーナ の商品レビュー

窪美澄(著者)

2017/05/19

少年A を、題材にした話。

辛辣な言葉を書くのは、自分のような、なりそこないばかりなのではないか。

僕自身をきつく叱ったわけではない。僕がしたことを叱った。いい子、悪い子って何？

殺された女の子と、少年Aに恋する女の子を重ねる、殺された女の子のお母さんと少年A

最後。悲しい

莢はAと一緒に死んじゃったの？

2016/12/27

窪さんがどんな気持ちでこの作品を執筆したのか想像もつきませんし、題材にした理由もわかりません。
ただ、事件が起こった時に私はまだ生まれてもいませんでしたし、偶然この事件があったという事実を聞いた時も、残酷で怖いとは思いましたが、正直自分にとっては現実離れしていて、過去の出来事だと片付けていました。
だから、この作品を読んで、登場している人たちの思考や行動に、疑問を持つ事は無かったです。

ラストの母親が言った日常会話が、1番ぞっとしました。
全ての出来事をどこまで信じていいのかわかりませんが。

純粋に思う事は、現実の方の事件で関わった人たちには、読んでほしくはないな、という事です。

2016/11/30

重い・・・・重い話である・・・。
娘を殺された母親の場面では身を切られるようなしんどさがあって読むのが辛かった。
サイトで見た少年Ａが美形と言う理由から恋をしてしまうと言う設定が凄い。
アイドル感覚で写真を見て一目ぼれしてしまったのが少年Ａ。そこから渦のように少年Ａを中心にして巻き起こっていく出来事が地獄のようにすさまじく重い。
地獄のような日々でも生を全うするため生きて生きて生き抜いていくと言う最後が衝撃的だった。

2016/11/06

途中からフィクションとしても、ありえないほど薄っぺらな展開になっていた。

誰もが震撼した神戸連続児童殺傷事件を題材にする必要があったのだろうか。

2016/10/19

少年の本の出版と重なったのはなんという皮肉なのか。
今も忘れることができない身にとって、現実に近すぎてどうかこの本が事件で心を痛めた人たちの目に止まりませんようにとまで思ってしまった。
あの事件をなぞる意義が全く感じられなかったので余計に。

少年の美化は「海賊と呼ばれた男」にも通じる不快感。
中年女性に語らせた作家の業は言い訳にしか見えず、エゴ以外の何でもない。

とは言いつつ、先の展開が気になってしまったし、
最初の行き詰まる作家の卵の章は読み応えがあって本題に入る前に一つの短編を読んだ気分だった。
なっちゃんには幸せになって欲しかったな。
本人はもしかしたら幸せなのかもしれないけれど。
で、黒いワゴンの正体は？国の人間なのかな。

2016/09/14

完全なフィクションだしいっそファンタジーだとは思うのだけど、頭の中ではあの事件で想像してしまっている自分がいる。
被害者が一番不幸なままの結末にもやもやを通り越して少々憤った。
全くの別物と切り離して考えられない人には不向きかもしれない。

2016/09/01

話のモデルになった事件を、知らなかった。美しく儚く、きれいに思ってしまったわたしは不謹慎だろうか。なにかを守るでもなく否定するでもなく、残酷に突き放し傍観しているようで、ぞくぞくした。そういう風に書かれているように思った。これは作者の懺悔なのだろうか…とも思う。赦して欲しいのは,誰だったのだろう。

2016/08/20

神戸殺傷事件が題材という倫理観の問われる作品であるけれども、途中でやめられなかった。
いやらしくグイグイと迫ってくる筆致と
実際の少年Aを思ったときに湧き上がるゾワゾワした感覚ゆえに、だ。
この人の作品を心底嫌いになることはできないと思う。

2016/08/11

少年Aに魅入られる登場人物達。なぜ？美形だから？とんでもない事をしたから？
その共感が得られず読み進む物語は冗長に感じて少ししんどかった。

2016/07/24

ニルヴァーナ＝涅槃、らしい。
少年Aを題材にした、架空の物語。
実際当事者が読んだら不快だろうと思う。
小説としては、普通に面白いというか、よくできてる。
これを読んで実際と混同する人がいないとよいけど…。
事件は事実だし、Aが生きていることも事実。