マザーランドの月 の商品レビュー
なんというお話 現在だとも 過去だとも イヤ未来かもしれない そんな中を生きていく 2人に幸あれ
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いいね!を下さった方の本棚を見ていて 気になった作品 夢にしちゃいけない、夢がある 叶えたい、叶えなくちゃいけない、夢がある 日本の平和もいつまでかな
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スタンデッシュの整然としない独特の言葉遣いによって語られる世界はぼんやりしているが、次第に明らかになってくる。 時は1965年、アメリカアポロ計画を暗示するような、それも壮大な捏造の月着陸の話の展開に驚く。実際の1969年アメリカ月面着陸も本当は嘘だったのか?と不安になる。 描か...
スタンデッシュの整然としない独特の言葉遣いによって語られる世界はぼんやりしているが、次第に明らかになってくる。 時は1965年、アメリカアポロ計画を暗示するような、それも壮大な捏造の月着陸の話の展開に驚く。実際の1969年アメリカ月面着陸も本当は嘘だったのか?と不安になる。 描かれている物語世界の怖さは、ナチスドイツ、ソ連、北朝鮮、アメリカなどの国々の愚行を彷彿させる。 そこに偽装の月面着陸を取り入れた話を読んでいると、世界は支配者たちが創り上げた茶番劇のように感じる。その中で体制に疑問を感じる人々が傷ついていく。 弱っているヘクターに「薬代わりになるものは言葉しかなかった」と語りかけ続けるスタンデッシュに胸が熱くなる。この世界を覆っている醜さと対照的に二人の友情の純粋さが美しい。 スタンデッシュとヘクターが憧れたテレビ番組の世界コッカ・コーラスは、アメリカをイメージさせる。二人が行こうとしたジャニパー星は、豊かさの象徴のアメリカなのか?その豊かさへの道が正しいのか疑問を感じる読者は、二人が憧れる国へ希望を持てない。 ラスト一文「キャデラックを運転して、太陽が鮮やかな色に輝いているのはコッカ・コーラスの国だけだ」最後まで同調できずに読み終えるように仕組まれているのか? ヘクターがサッカーボールと戯れているイラストが繰り返されるが、最後の2枚の絵だけがちがう。思いっきり助走をつけ蹴ったボール。それに続くのは月の絵。 希望へ向かうラストのようなのに、希望はない。
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もしかしたらあったかも知れない歴史。もしかしたら存在したかも知れない国。もしかしたらいたかも知れない少年たち。 架空の管理国家マザーランドの、月面着陸を目前とした1956年の物語。難読症の少年スタンディッシュは、無二の親友ヘクターの失踪に思いを馳せる。 家族や友人が不意にいなく...
もしかしたらあったかも知れない歴史。もしかしたら存在したかも知れない国。もしかしたらいたかも知れない少年たち。 架空の管理国家マザーランドの、月面着陸を目前とした1956年の物語。難読症の少年スタンディッシュは、無二の親友ヘクターの失踪に思いを馳せる。 家族や友人が不意にいなくなる。管理と暴力教師による学校生活。物語はスタンディッシュの回想で進んでいきます。時間軸は揺れ動き、スタンディッシュのつたない言葉から世界の端々が見えてきます。 スタンディッシュの一人称で語られるので、彼が見る範囲知る範囲でしか読者はその世界を見ることができません。そのため余計にマザーランドという国家の不気味さや恐ろしさが増して感じられます。 ディストピアな世界観、スタンディッシュの勇気など読みどころは多くありますが、中でもスタンディッシュとヘクターの友情に心揺さぶられます。 ある日隣にやって来たヘクター。どん底の学校生活から救い上げてくれたヘクター。マザーランドから脱出し自由の国へと行く夢想を共にしたヘクター。 そんなヘクターがある日突然いなくなる。ヘクターを救うため、ヘクターの元に行くためスタンディッシュは決断する。 余りにも過酷な運命。しかしここで書かれているあれやこれは、どこかで聞いたことのあること。もしかしたらあり得たかも知れない歴史。そこで生き、あらがった少年の物語が胸を打ちます。
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政府の追及から逃れる スタンディッシュたちの活躍に 手に汗握る展開となり ぐいぐい読まされました!! まるで アンネの日記のように 秘密警察から隠れる毎日 見つかりませんように 連れて行かれませんように と 願いながら読んでしまいます
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読んでみて思うのは、やっぱりわたしはディストピア小説が苦手だということなのだった(ごめんなさい)。情報統制された覇権主義の国というのは現実にもあるので、あり得ない話ではないのだけど。 そういう意味でいうと、さいごのほうの場面は、ちょっと『蜘蛛女のキス』を思い出したりした。 あと、...
読んでみて思うのは、やっぱりわたしはディストピア小説が苦手だということなのだった(ごめんなさい)。情報統制された覇権主義の国というのは現実にもあるので、あり得ない話ではないのだけど。 そういう意味でいうと、さいごのほうの場面は、ちょっと『蜘蛛女のキス』を思い出したりした。 あと、このマザーランドという世界の社会構造がいまひとつよくわからないのが、もやもやをさそう。視点を主人公のスタンディッシュに限定しているから、仕方がないのかもしれないけど。
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同じ5月に出版された岩波少年文庫の『ジャングル・ブック』の翻訳者と同じ三辺さんの訳で、2013年にカーネギー賞、イタリア・アンデルセン賞、フランス文学賞、全米図書YA部門ベストフィクションなどに選ばれたサリー・ガードナーの作品です。「もしなにかがちがったら、とおれは考える。もしサ...
同じ5月に出版された岩波少年文庫の『ジャングル・ブック』の翻訳者と同じ三辺さんの訳で、2013年にカーネギー賞、イタリア・アンデルセン賞、フランス文学賞、全米図書YA部門ベストフィクションなどに選ばれたサリー・ガードナーの作品です。「もしなにかがちがったら、とおれは考える。もしサッカーボールが塀の向こうへいってなかったら。」舞台は1965年。実際にあった事実をベースに、もしその歴史的事実が違っていたら・・・という設定で書かれている作品です。100の章から成り立っていますが、それぞれの章はせいぜい3ページ程度の短いもので、時系列もバラバラで、行きつ戻りつしながら、一気に話の中に引き込まれていきます。「圧倒的なパワーのある歴史改変SFだ。」、「感嘆にふるえ、息がつけないほどの完璧な物語。」と裏表紙に印刷されているキャッチコピーがそのままのYA作品です。
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イギリスの作家サラ・ガードナー、2012年発表の小説。15歳の難読症の少年が主人公のディストピア小説。2013年カーネギー賞受賞作。それにしては、少々物足りない作品。 1956年の架空の独裁国家マザーランドが舞台。国威発揚のため月着陸を目指しているナチス風のファシズム国家での虐...
イギリスの作家サラ・ガードナー、2012年発表の小説。15歳の難読症の少年が主人公のディストピア小説。2013年カーネギー賞受賞作。それにしては、少々物足りない作品。 1956年の架空の独裁国家マザーランドが舞台。国威発揚のため月着陸を目指しているナチス風のファシズム国家での虐げられている人々の物語。 まるでパロディのような物語をシリアスに大真面目に演じているという印象で、私にはどうもイマイチ面白くありませんでした。 子ども向け、という以上の作品ではありません。
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