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霊応ゲーム の商品レビュー

4

49件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2015/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

退屈なページが一枚もなくって、それなのに濃い。濃いのに胸やけしない。そんな感じ。 ある方向へむけて(ラストのようなそうでないような)の緊張感がずーーっと続いていて、最後の方でダダダダダッ!!!!と、「ついに来たな!!!」という風な。来るのは分かっていたけど、本当に来てしまったんだね、といっそ憐れみさえ抱く展開でした。 賢くて美しい少年が好きなので、正直リチャード・ロークビーはたまりませんでした。彼の内包する狂気含めて、美しい存在だった。美しくて強いけれど、そういうものは脆いんだな…と。ヴィジャ盤が彼の目に触れていなかったら、ジョナサンとどういう風に育っていけたろう、こんな風にはならずとも、やっぱり何かしら事件を引き寄せてしまっていたんだろうか、などなど。ううん。 スチュアート先生が好きだったので、終盤はほとんど祈るようにしてページを繰っていました。無駄でしたけど。ああ……。でも彼の言っていた通り、最愛の人を失った時点で彼の人生は閉じていたのかもしれませんね。今回のことは、幕を引くただのきっかけにすぎなかったのかもしれない。 登場人物はみんな何かしら問題や秘密、謎を抱えていて、霊応ゲームは確かに行われたのかもしれないけれど、それはただの引き金で、種は最初からそこにあったのだというのがなんとも皮肉だなと。 個人的にものすごく嬉しかったというか、ああそうだよなあと感じたのは、子どもって可愛いだけの存在じゃないよっていうのが作品全体から伝わってきたことです。私が勝手に読み取っただけかもしれませんが。子どもは死んでしまったらどうしても美化されてしまうし、前途洋々な未来が潰れてしまったことに対して同情が寄せられるのはすごく分かるんです。ですけど、だからと言って子どもがただ可愛いだけの存在かというと、たぶんそうじゃない。彼ら彼女らだって人間なのだから、いろんな感情を持っているはずだし、種類が少なかったり制御できなかったりとかはあると思いますが、大人たちとなんら変わりないんだと、常々考えていたので。 買ってよかった、なんて言葉はたいへん偉そうで恐縮なのですが、出会えてよかった一冊です。

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2015/06/18

なんというか、もっと皆川博子的な何かを期待してたんだが、ちょっと違った。 読後感はよくない。 でも、面白くなかったということもない。 もう少し何かが違えばはまったかもなー

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2015/06/12

戦後間もないイギリスのパブリックスクールでのお話。 600ページ弱あるのですが一気に全部読んでしまいました。そのくらい引き込まれます。ブロマンス好きな方には特にオススメです。 主人公格2人以外の登場人物の心理描写も事細かに描かれていて、この物語に登場する人物それぞれがなにか秘密を...

戦後間もないイギリスのパブリックスクールでのお話。 600ページ弱あるのですが一気に全部読んでしまいました。そのくらい引き込まれます。ブロマンス好きな方には特にオススメです。 主人公格2人以外の登場人物の心理描写も事細かに描かれていて、この物語に登場する人物それぞれがなにか秘密を抱えていて、破滅していきます。誰が主人公になってもいいくらい内容が濃いです。 あの日ニコラスが体調を崩していなければ、ジョナサンが教科書を忘れなければ、リチャードが答えを教えなければ、、といくらでもたらればが並べられるほど2人の関係はいくつもの偶然によって作り上げられたと思います。 ただリチャードのジョナサンに対する常軌を逸した執着は最終的には拒否されてしまい、リチャードも執着していたのはジョナサン自身ではなくジョナサンを通してお母さんを見ていたのか、それともお母さんのような自分がいないとダメな人間、つまり自分を必要とする人間をリチャード自身が必要としていただけなのかなぁと切なくなってしまいました。 救いのないお話ですが不思議と読後の後味の悪さはありません。

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2015/06/11

なんとなく、ハリポタを思い出した。 舞台はイギリスのパブリックスクール。イメージとしては、有名私立中学校か。ちなみに男子校。読み進めると、リチャードとジョナサンの関係が狂気を帯びてくる。少し怖い。こういうのもBLと言えるのか? 少し話が長く、読むのがしんどく感じた部分もあったが...

なんとなく、ハリポタを思い出した。 舞台はイギリスのパブリックスクール。イメージとしては、有名私立中学校か。ちなみに男子校。読み進めると、リチャードとジョナサンの関係が狂気を帯びてくる。少し怖い。こういうのもBLと言えるのか? 少し話が長く、読むのがしんどく感じた部分もあったが、最後の方で話が収束していく感覚が楽しかった。そして、それに続く書評家 大矢博子の解説できれいに締められている。

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2015/06/04

名門パブリックスクールで起きた少年たちの悲劇的な愛憎劇。 終盤、ドミノが倒れるようにバタバタと悲劇の連鎖が渦巻いていく場面は恐怖とともに絶叫もの。 彼は、もしかしたら自分自身を含めて排除したかったものをすべて排除して幸福のままラストを迎えたのかもしれない。 そうなるとやっぱり最...

名門パブリックスクールで起きた少年たちの悲劇的な愛憎劇。 終盤、ドミノが倒れるようにバタバタと悲劇の連鎖が渦巻いていく場面は恐怖とともに絶叫もの。 彼は、もしかしたら自分自身を含めて排除したかったものをすべて排除して幸福のままラストを迎えたのかもしれない。 そうなるとやっぱり最後まで、死ぬことも狂うこともできなかった彼だけが悲しい。

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2015/05/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長らく読みたいと思ってた本書が、文庫本で復刊したと聞きさっそく読んでみた。 表紙はなんだかほんわりしたイラストだが、内容は結構ドロドロとした人間関係と、不幸の連鎖や多数の死者が出るためなかなか重い内容だと思う。 こういう執着は多少は誰でもあることだとは思うが、リチャードの場合はそれが病的なまでに突き抜けていて、それを周りが放っておいたためにおきた悲劇だと思うとなんとも悲しい…。 結局霊応ゲームで呼び出したものはなんだったのか、リチャードが最期に見たものとはなんだったのか…などはっきりしないまま終わったところも多いが、そこがまた不気味で後を引く…。 犠牲になった人々やその家族は皆辛いとは思うが、なにより生き残ったニコラスが一番辛い立場なんじゃないかと思う。世間のあぁいった目に晒されて、自己嫌悪にも陥りながら生きていく人生とはそれこそ地獄のようなんじゃないかと…。

Posted byブクログ

2015/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2000年に刊行されたサスペンス小説の文庫化。単行本刊行当時は一部で話題になったものの、ヒットとはならず、そのまま知る人ぞ知る作品になっていたようだ。 一見すると心理描写をメインに据えたサスペンス小説だが、『霊応ゲーム』というタイトルからも解る通り、合理的な解決は成されない。閉鎖空間の人間関係と登場人物の心理描写に沿ってストーリーが展開されていくだけに、このオチは好き嫌いが別れそうだなぁ……。

Posted byブクログ

2015/05/10

復刊ドットコムで投票した者の一人です。めでたく復刊しました。多くの方に読んでもらえたらなと思います。ページ数・また文字数も多いですが、きっとはまりだしたらすいすい読めると思います。

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2015/05/22

再販ありがとうございます! 復刊ドットコムで投票し、いつかはいつかは、と首を長くして待っていたかいがありました。 練り込まれたプロット、重々しくも狂気を孕んだ空気。それに蝕まれていく学園という閉鎖空間と校長夫妻。 だれも幸せになれない結末には何度読んでも悲しくなりますが、何度も...

再販ありがとうございます! 復刊ドットコムで投票し、いつかはいつかは、と首を長くして待っていたかいがありました。 練り込まれたプロット、重々しくも狂気を孕んだ空気。それに蝕まれていく学園という閉鎖空間と校長夫妻。 だれも幸せになれない結末には何度読んでも悲しくなりますが、何度も読み直してしまうだけの魅力ある作品です。

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