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さよなら、シリアルキラー の商品レビュー

3.6

53件のお客様レビュー

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    17

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2019/05/02

東京創元推理文庫・その5 コメントは「東京創元推理文庫・その1」でご覧下さい。 2019/05/10 更新

Posted byブクログ

2019/04/10

以前続編が平積みになってるのを見かけて惹かれたのだが、一巻目が見当たらなかったので買うのを断念したシリーズ。 書店は最新刊だけ並べるのでなく、既刊もそろえていてほしい……(何十冊とでてるなら別だが、当時はまだ二冊目だったし) 今回は漫画家が帯と表紙を描くフェアに便乗して購入。リ...

以前続編が平積みになってるのを見かけて惹かれたのだが、一巻目が見当たらなかったので買うのを断念したシリーズ。 書店は最新刊だけ並べるのでなく、既刊もそろえていてほしい……(何十冊とでてるなら別だが、当時はまだ二冊目だったし) 今回は漫画家が帯と表紙を描くフェアに便乗して購入。リボーンの天野明さんのジャズ、ワルっぽくてかっこいいですね。ニヒルな表情がイイ感じ。 三桁の犠牲者を出した全米ナンバー1のスーパーシリアルキラーを父にもつ主人公ジャスパー。 彼が住む田舎町ロボズノットで殺人事件が起こり…… という話。 ミステリーと青春要素でいうなら、後者の比重の方が大きい印象。ジャスパーは生い立ちこそ特異だが、「親に刷り込まれた自分像からの脱却」という普遍的な自立のテーマは、現代を生きる全てのティーンエイジャーに通底しているのではないか。 口が達者で冗談好きな血友病の親友・ハウイーに、善良で活発な黒人ガールフレンド・͡コニ―など、人間関係は恵まれている。 恋に友情に将来に悩むジャスの姿は、青春の王道ともいえる。 三人で集まり作戦会議を開いたり隠れ家でいちゃついたりと、ヤングアダルト小説ではある意味お約束といえるエピソードが盛り込まれている。 ジャズを見守り導く保安官や認知症の祖母にゲスな記者など、周囲の大人も個性的。 父親を超える殺人鬼となるため幼少時から英才教育を受けてきたジャスパーは、常に自分の中の父親の部分と戦っている。 自分にできることを理解し、それをしないでいるために常に誘惑を律し続ける彼の葛藤が身に迫ってくる。 父親であるビリー・デントの不気味な存在感や人を操る巧みさも必見。 ブラフと嘘をまじえた父子の駆け引きには緊迫感がある。 ジャズの良心を代表するハウイーとコニ―は、ともすると暗く重くなりがちなストーリーに日常的な明るさを添えてくれる。 ジャズをシリアルキラーの息子やその父親のコピーではなく、ジャスパー・デント個人として愛し尊重する二人の存在には救われる。 真犯人っぽい人物は序盤で何人か登場するが、その真相は見抜けなかった。 今後ジャズが父の呪縛を断ち切って未来を掴み取れるのか、コニ―との関係はどうなるのか楽しみ。

Posted byブクログ

2019/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

連続殺人鬼の息子として、「あっち側」に行きそうになる自分を必死で抑える主人公ジャズ。人を騙す技とか普通に使っちゃってるから、半分足突っ込んでるんでは?とは思うけど…。 友人であるハウイーもコニーも、ジャズのこと本気で心配してくれて本気で力になろうとしてくれる。そこが救い。 殺人の方法はグロいけど、翻訳文だからかドロドロ感あんまり感じられなかった。ハウイー達もいるし。 ハウイーのおかげで鬱々としない。ハウイーの功績が大きい…。 主人公グループが17歳という若さだからか読みやすいなと思ったら、そもそもYAだった。

Posted byブクログ

2019/01/20

『青春ミステリー』なんて言う生易しいもんじゃないなぁ。連続殺人犯の息子として生きるジャズ。それも、シリアルキラーとして洗脳されて。僕は殺さない……葛藤と苦悩のジャズを支える恋人と、親友。殺人鬼にならないように何度も何度も自分に問いかけるジャズ。父親ビリーとの対面の時は、ジャズがビ...

『青春ミステリー』なんて言う生易しいもんじゃないなぁ。連続殺人犯の息子として生きるジャズ。それも、シリアルキラーとして洗脳されて。僕は殺さない……葛藤と苦悩のジャズを支える恋人と、親友。殺人鬼にならないように何度も何度も自分に問いかけるジャズ。父親ビリーとの対面の時は、ジャズがビリーに飲まれてしまう!てハラハラした。最後のタトゥーでジャズがグッと大人になったような気がした。三部作の序章。次が楽しみです。負けるな!ジャズ!

Posted byブクログ

2018/12/25

面白かった。シリアルキラーの父に英才教育を施された主人公が、本当の自分とは?恐れおののきながら苦悩する様や、それを支えるガールフレンド、血友病の親友の揺るがない優しさに胸を打たれました。解説を読んで本書がYA小説であることを目にし、さもありなん。主人公と同じ年代の人達は、大いに楽...

面白かった。シリアルキラーの父に英才教育を施された主人公が、本当の自分とは?恐れおののきながら苦悩する様や、それを支えるガールフレンド、血友病の親友の揺るがない優しさに胸を打たれました。解説を読んで本書がYA小説であることを目にし、さもありなん。主人公と同じ年代の人達は、大いに楽しめるのでは?オッサンも目いっぱい楽しめた一気読み作品でした。

Posted byブクログ

2018/11/20

「さよならシリアルキラー」読了。クリミナルマインドや羊たちの沈黙が好きな人にはミステリーや凄みとしては物足りないかもしれないが、その分に青春小説が加わったと思えば、良作である。デクスター 〜警察官は殺人鬼の青春期みたいな感じ。問題は読後に3部作だと知ったことだ。小遣いが〜!

Posted byブクログ

2018/09/12

面白かった!YAだからとたかをくくっていたら、なかなかに凄惨な場面もあり…。 "普通"であろうとするためにもがくジャズの姿が印象に残って、それがこの物語の核なんだと思った。彼女であるコニーの優しさと、友達であるハウイーの明るさにジャズは支えられているんだなとホ...

面白かった!YAだからとたかをくくっていたら、なかなかに凄惨な場面もあり…。 "普通"であろうとするためにもがくジャズの姿が印象に残って、それがこの物語の核なんだと思った。彼女であるコニーの優しさと、友達であるハウイーの明るさにジャズは支えられているんだなとホッとした。

Posted byブクログ

2018/08/08

カテゴリは〝ヤングアダルト小説〟という私自身は食指が動かない分野に属しているが、散々使い古された題材「サイコキラーもの」に挑んだ本作は、停滞したミステリ界に幾ばくかの新風を吹き込んで話題となったようだ。 主人公ジャズ・デントは17歳の高校生で、実の父親ビリーは123人を殺害した...

カテゴリは〝ヤングアダルト小説〟という私自身は食指が動かない分野に属しているが、散々使い古された題材「サイコキラーもの」に挑んだ本作は、停滞したミステリ界に幾ばくかの新風を吹き込んで話題となったようだ。 主人公ジャズ・デントは17歳の高校生で、実の父親ビリーは123人を殺害した「21世紀最悪の連続殺人犯」という設定。少年は己に流れる汚れた血を憎みつつ恐れている。いつか狂気に陥り、大量殺人者である父親と同じ轍を踏むのではないか。行方不明となった母親は父親が殺したと信じ、包丁を見る度に自分自身もそれに加担していたのではないかという悪夢に襲われる。実質124人を殺し終身刑となった男と、その息子の関係性は屈折しており、ジャズが時に応じて父親の教えに従う部分もある。本作は良くも悪くも、この枠組みの中で展開する。 死体に様々なポーズをとらせたことから、ビリーは初期に〝アーティスト〟と称されていた。その殺人現場を模した自称「ものまね師」の殺戮が、ジャズの生まれ育った田舎町で再現されていく。父親を逮捕した後に懇意となった保安官を通じて捜査状況を掴んだジャズは、友人と恋人の助けを借りつつ、「ものまね師」の正体を探るために奔走する。本作の肝は、父親の陰惨な凶行を辿らなければ、殺人者に近づけないということであり、主人公の葛藤と抑制、その克服の描き方に力を入れている。 読者層を踏まえて文章や構成は平明でストレート。 ジャズを支える友人と恋人、保安官の存在は、軸となる凄惨な事件を浄化する役目を担っている。ただ、光と闇の狭間で揺れ動く少年の孤独と焦燥を、敢えて重くせずに、ティーンエイジの苦悩と同様のレベルで描いているのは、〝青春小説〟でもある本作の限界点を示し、やや物足りない。さらにいえば、百人以上を殺したビリーの凄まじい闇に触れる心理的な掘り下げがないという欠落も大きい。また、殺人者の息子を捜査に介入させることなど現実にはあり得ないし、第2部へと向けた終盤での警察の無能ぶりなどに、物語としての甘さが際立つのだが、著者はあくまでもジャズの成長を描くことに主眼を置いているため、大方の読者には許容範囲であろう。 本作は三部作の第1弾。終盤で次作に繋がる展開があり、完結していない。

Posted byブクログ

2018/05/12

3部作のうち、これが一番おもしろかったです。主人公の複雑なキャラ設定がいいし、まわりの友人たちがいい味を出している。文章のテンポもよかったし。文庫で1200円という値段さえ気にしなければ、とても楽しく読めました。ただ、2作目、3作目は、なんともお約束な展開で、一応楽しく読んだので...

3部作のうち、これが一番おもしろかったです。主人公の複雑なキャラ設定がいいし、まわりの友人たちがいい味を出している。文章のテンポもよかったし。文庫で1200円という値段さえ気にしなければ、とても楽しく読めました。ただ、2作目、3作目は、なんともお約束な展開で、一応楽しく読んだのですが、本作ほどではありませんでした。(2015年12月26日読了)

Posted byブクログ

2018/04/16

田舎町の農場跡地で身元不明の若い女性の死体が見つかる。全裸で指が三本切り落とされ、うち一本が現場に残されていた。 高校三年生の『ジャスパー』は、保安官に連続殺人だと訴えるも相手にしてもらえない。 ジャズには殺人犯の心理が、手に取るように分かるのだ。なぜならジャズの父親は、百人以上...

田舎町の農場跡地で身元不明の若い女性の死体が見つかる。全裸で指が三本切り落とされ、うち一本が現場に残されていた。 高校三年生の『ジャスパー』は、保安官に連続殺人だと訴えるも相手にしてもらえない。 ジャズには殺人犯の心理が、手に取るように分かるのだ。なぜならジャズの父親は、百人以上を殺して逮捕された人物で、幼いころから殺人に関するあらゆることを教え込まれていたからだった。 このミステリーの探偵役は高校生だ。血友病友人と黒人の彼女を持つ、普通の白人の男の子。ただ、二十世紀最悪の殺人犯に育てられてという点を除けばだが。 そんな主人公が殺人犯の視点に立ち犯人を捕まえるわけだが、YA小説らしくもう一つのテーマは主人公の葛藤である。彼は目の前の人物を簡単に殺せると思うし、人を操る術にも長けている。そして、父親のようになるのではないかと怯え葛藤している。 酷い環境で育てられた主人公だが、彼は友人と恋人の助けを借りて(最悪の)父親を乗り越えるのである。これは自分を見失いがちな青少年に送る、メッセージでもあるのだ。

Posted byブクログ