剣と紅 の商品レビュー
大河ドラマおんな城主直虎の予習で読了。舞台は愛知と静岡に限定されるが、主人公の周りの人が死んでいくので、何とか1年間はぎりぎり持つ感じかな。 この本がよかったのか、主人公の設定自体はなかなか魅力的だったが、なにより登場人物の名前が似すぎててドラマでは人物が混同し相関関係がわから...
大河ドラマおんな城主直虎の予習で読了。舞台は愛知と静岡に限定されるが、主人公の周りの人が死んでいくので、何とか1年間はぎりぎり持つ感じかな。 この本がよかったのか、主人公の設定自体はなかなか魅力的だったが、なにより登場人物の名前が似すぎててドラマでは人物が混同し相関関係がわからなくなるキケン大(直平・直盛・直満・直親・直政。それに小野・中野・奥山・新野といった、家臣同士の井伊家との遠近も複雑ではある)。 平成29年の大河ドラマ視る時は人物相関図かあるいは本を読んでの予習が必須。そういうひと手間要るドラマは出来が良くても視聴率爆死するんだぞー平清盛のように
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先が見える目を持った香(直虎)が大荒れの家中を生き抜く歴史小説。政次がわかりやすく獅子身中の虫だけど、香の目線だと憎みきれないヤツなのがとても素敵。香の対比としてのきぬの存在が良いバランスだった。
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面白かったです。私は、歴史小説が苦手でメモをとりつつ読みました。でも後半は、一気に読んでしまいました。途中から、直虎やきぬのキャラが好きになり、そういう意味では小説を楽しめました。
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剣ももたず、紅も刷かず。 香が魅力的なのは、男としての武力、女として嫁ぎ子を産むこと、どちらも選ばずに生きたこと。 史料が少ないと思われる題材を、ファンタジー要素や伊那の女性きぬの視点を交えて豊かに丁寧に描いた作品。 全編シリアスながら、合間に入る直政と家康の会話はユーモラスで...
剣ももたず、紅も刷かず。 香が魅力的なのは、男としての武力、女として嫁ぎ子を産むこと、どちらも選ばずに生きたこと。 史料が少ないと思われる題材を、ファンタジー要素や伊那の女性きぬの視点を交えて豊かに丁寧に描いた作品。 全編シリアスながら、合間に入る直政と家康の会話はユーモラスで楽しい。 権力や野心をエネルギーに活動する男性たちに共感できない香の気持ち、よくわかります。 いままで歴史小説が読めなかったのは(作品にもよるんでしょうけど)、「女と権力」へ向かう男性の欲望が理解できなかったからなのか…とこの作品を読んでいて気づきました。 合戦の場面がないので地味といえば地味なんだけれど、そのぶん主家や周辺との駆引き、婚姻による家同士の結びつきの大切さが印象に残ります。
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上からも下からも板挟みの苦難を乗り越えていく生涯は波瀾万丈で引き込まれたけれど、先を視る不思議な力を持つという設定は作り込み過ぎかな。皆をあっと言わせる痛快な剃髪の場面だけでも男を凌ぐ器量が伝わるのに。 直親や政次との描かれ方は、恋愛感情というより“同郷同士の友情”の方に近くて本...
上からも下からも板挟みの苦難を乗り越えていく生涯は波瀾万丈で引き込まれたけれど、先を視る不思議な力を持つという設定は作り込み過ぎかな。皆をあっと言わせる痛快な剃髪の場面だけでも男を凌ぐ器量が伝わるのに。 直親や政次との描かれ方は、恋愛感情というより“同郷同士の友情”の方に近くて本書の直虎像に合っていた。女でありながら、家とその命を守るという己の役割を軸とし貫いた生き方は天晴れ。 記録から自分の名前を削らせたという件に込められた彼女の切なる願いが印象深い。 女領主としての直虎の戦の陰に、名もなき多くの紅の戦があったことも深く心に刻まれた。
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大河ドラマを見る予備知識にと思い読み始めた。 井伊直虎という人を全く知らなかったので、本文を読んでいる間は直虎には本当に予見能力が備わっていると思い込んでいた。解説を読んでそこはフィクションだと知ったのだか、本文中の直虎が史実の直虎であればいいなぁと思うほどの女性でした。
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こんなに面白い人が、何故今までクローズアップされなかったのだろう。 死の影を予知する直虎の神通力などは何処まで本当かわからないが、あくまで公正で誰に対しても心を配る直虎の姿勢は凛としていて清々しい。
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徳川四天王の一人、井伊直政の養母にして、戦国の世に女地頭となって井伊家を守ろうとした香(井伊直虎)の物語。 その幼少期から井伊家を襲う過酷な試練の連続と、小法師と呼ばれる所以となった不思議な力。 それらが丹念に描かれた中盤までは物語として読み応えがあった。ただ丹念だったからこそか...
徳川四天王の一人、井伊直政の養母にして、戦国の世に女地頭となって井伊家を守ろうとした香(井伊直虎)の物語。 その幼少期から井伊家を襲う過酷な試練の連続と、小法師と呼ばれる所以となった不思議な力。 それらが丹念に描かれた中盤までは物語として読み応えがあった。ただ丹念だったからこそか、いざ女地頭となった数年間が妙にあっけなかった。事実短い任だったから仕方ないのかもしれないが、ではなぜここまで女城主と謳われたのか、疑問が残ってしまった。 信玄が滅び家康が残った理由も、そこに着地するか?とやや腑に落ちず。
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来年の大河ドラマの予習として読んだ本。戦国時代の女性の生き方は剣の道であった。その情勢の中で、井伊家の領主となり、女性だが、男性として生きていく決意を持ち、千里眼で、人の死などを見抜き、力強さや当時の政治情勢から出てくる困難に立ち向かい生き抜く姿は、当時の女性蔑視の背景下で、勇気...
来年の大河ドラマの予習として読んだ本。戦国時代の女性の生き方は剣の道であった。その情勢の中で、井伊家の領主となり、女性だが、男性として生きていく決意を持ち、千里眼で、人の死などを見抜き、力強さや当時の政治情勢から出てくる困難に立ち向かい生き抜く姿は、当時の女性蔑視の背景下で、勇気を与えられるものである。女性特有のことも出てきたりと、男性の心の部分が大半を占める中、女らしい面も感じられた。ラスト、死に化粧の場面は胸がキュッと、悲しくも、戦争の凄まじさを感じる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
来年の大河ドラマの主人公である井伊直虎を題材とした小説。 史実をよく調べた上で、直虎が予知能力を持っていたというファンタジー的なフィクションを絡ませており、読み物として楽しめる内容だった。 井伊家の歴史、直虎が女性ながら城主となった経緯がしっかりと説明されていて、勉強になった。
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