日本古代の王権と地方 の商品レビュー

加藤謙吉(著者)

2021/11/29

十六編を収める論集。
篠川賢「ワカタケル大王と地方豪族」は、『物部氏の研究』で氏姓制度が成立するまでの集団は氏ではないのだから考察する必要なしと切って捨てていた時代について言及。足りなかった点を補っているので必読。
ほか、中村友一「地方豪族の姓と仕奉形態」、加藤謙吉「地方豪族の中央出仕形態と両貫制」、紅林怜「但馬君氏についての一考察」、小野里了一「「吉備臣」氏の系譜とその実像」、鈴木正信「『円珍俗姓系図』の構造と原資料」がいい。